「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【中京記念】前走、東京&阪神組が勝率100% 夏のマイル女王へ!追い込みを決めるのはあの牝馬

2019 7/19 11:00門田光生
2019年の中京記念で本命に推されたミエノサクシードⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

過去に戻った?函館記念

いや、参った。函館記念は「勝率0%」の巴賞組がワン・ツーでは手も足も出ない。まるで巴賞組が強かった10年前に戻った感覚だ。おまけに後続の出番がないレース展開。全ての読みが外れた。返す刀で挑んだマーキュリーカップも「波乱はない」と書き、実際に堅く収まったのに外れた。

《先週の予想記事》
巴賞→函館記念は勝率0% 狙うは他場からの参戦馬
7月15日(月)はマーキュリーC 狙うはダート転身後、5戦4連対のあの馬

さすがにこれだけ予想が当たらないと嫌になるのだが、次の週末はすぐにやってくる。競馬のいいところは、とにかく当たりさえすれば、それまでの外れが全てチャラになったような気がするところ(お金は減ったままだが)。気分だけでも変えられるのは大きい。

さて今週、7月21日に行われる中京記念はサマーマイルの開幕戦。といっても、サマーマイルは全3戦しか行われないので、ここを勝った馬が夏のマイル王にぐっと近づくのは間違いない。

その中京記念だが、中京の芝1600mで行われるようになったのは2012年から。よってデータは7年分しかない。いつも以上に偏りがあるかもしれないが、逆に分かりやすいと開き直って絞り込んでいきたい。

GIシーズンと違って、夏場はどのレースを目標にし、状態をピークに持っていくのか見定めるのが難しい。この中京記念は過去の成績を見ると、パラダイスS、米子Sからの参戦組が好成績を挙げているように見受けられるが、果たして率の方がどうなのか。

前走、東京&阪神組が好成績

パラダイスS、米子Sともに2勝、2着2回と好相性だが、勝率、連対率ともにパラダイスS組が断然よい。

過去7年の中京記念の前走と前走場所のデータⒸSPAIA

ⒸSPAIA

また、ここ7年で前走で東京か阪神で走っている馬しか勝っていない。中京記念は毎年最終週に行われているので、中京や同時開催の福島を使って中3週以内で挑んできた馬には厳しいレースということになる。

過去7年の中京記念の前走距離別データⒸSPAIA

ⒸSPAIA

パラダイスS組が好成績だから当然かもしれないが、前走から距離延長してきた馬の成績がいい。逆に距離短縮だと数字が落ちる。中京は直線が長い上に起伏があり、他場以上にスタミナが必要な印象があるのだが、これは意外。

過去7年の中京記念出走馬の脚質別データⒸSPAIA

ⒸSPAIA

CBC賞と同じで逃げ馬苦戦のデータが出ている。こちらは直線の長いコース、そして最終週ということもあって追い込み馬の成績がいい。差し馬の成績が物足りないが、それでも逃げ馬よりマシ。とにかく、逃げ馬は割引が必要だ。

乗り替わりはマイナス

北海道シリーズが始まると美浦、栗東所属の騎手もかなりの人数が北へ移動する。当然ながら前走時に騎乗した騎手が乗れないケースも多々ある。

過去7年の中京記念出走馬の乗り替わりデータⒸSPAIA

ⒸSPAIA

春のGIは「テン乗りレーン」旋風が吹き荒れたが、このレースは継続騎乗の馬の成績が乗り替わった馬を圧倒している。前走と同じ騎手が騎乗すれば心強い限り。

過去7年の中京記念出走馬の年齢別データⒸSPAIA

ⒸSPAIA

年齢は5、6歳馬に良績が集中。3、4歳馬はサンプルが少ないとはいえ、連対ゼロというのは物足りない数字だ。

過去7年の中京記念出走馬のハンデ別データⒸSPAIA

ⒸSPAIA

最後にハンデだが、今回から牡馬・セン馬と牝馬に分けてみた。競馬には性別のアローワンス(負担斤量差)があるので、ハンデは牡馬・セン馬と牝馬は分けて出した方がいいのではと今さらながら思ったわけである。

まず牡馬・セン馬から。55.5~57キロを背負っている馬が圧倒的。これぐらいの斤量を背負うということは、そこそこの実績がある馬がよく馬券に絡んでいると推測される。

続いて牝馬。そもそも牝馬自体の参戦数が少ない上に勝ち馬がゼロ。まだ梅雨が明けていないこともあり「夏は格より牝馬」の格言はまだ早いようだ。

一閃、ミエノサクシード

7年しかない割に長々と書いてしまったが、そろそろまとめにいきたい。

①前走が東京、阪神組
②前走から距離延長はプラス、距離短縮はマイナス
③逃げ馬は厳しい
④乗り替わりより継続騎乗
⑤5、6歳馬が狙い目
⑥ハンデは牡馬の55.5~57キロがVゾーン

となる。どうもデータの活用方法がうまくいっていない気がするので、今回は強いデータに当てはまる馬を狙い撃ってみたい。

今回差がはっきりしているデータは①④⑤で、これに当てはまるのは1頭だけ。前走で東京を走り、引き続き川島騎手が手綱を取る6歳のミエノサクシードだ。このレースでよく来ている追い込み脚質。今回はこれを軸に指名したい。この馬はステイゴールド産駒にしては珍しく、上がり勝負を得意とする。中京で結果が出ていないものの、コース形態的には合うはずだ。

相手は上記データの①と④に該当したコスモイグナーツとプリモシーン。

相性のいいパラダイスSからも選びたい。それがツーエムマイスターとロワアブソリューがそれに当てはまるが、ツーエムマイスターはこのレースに実績のない逃げ馬。というわけでロワアブソリューが候補。好走の多い6歳馬というのもいい。

馬券はミエノサクシードからコスモイグナーツ、プリモシーン、ロワアブソリューへ馬連1000円ずつ。残る2000円でミエノサクシードの単勝を買いたい。牝馬が勝っていないデータを無視する形となったが果たして。

《関連記事》
平均上がりは34.7 中京記念の馬場に合うのは斤量52kgのあの馬

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。