巴賞組有利は過去のもの?
サマー2000シリーズの初戦、七夕賞はミッキースワローが差し切って優勝。◎を打ったクレッシェンドラヴは思った通りの騎乗で2着に来てくれたが、肝心の勝ち馬がノーマーク。
思えば、ミッキースワローは3歳時に福島でもったいない騎乗があって3着に敗れていることがあった。鞍上の菊沢騎手はその時以来の騎乗となったが、経験を積んで確実に成長した姿を見せてくれた。何も学んでいなかったのは筆者の方か。
さて、先週に引き続いてサマー2000対象のレース、函館記念が行われる。函館記念と聞いて、まず思い出すのがエリモハリアー。このレースを3連覇して「函館の申し子」などと呼ばれたのが懐かしい。エリモハリアーは10歳まで現役を続け、函館記念に何と5回も挑戦している。3連覇した時の前哨戦はいずれも巴賞で、着外に終わった2回は別のレースを使っていた。
となると、見えてくるのが巴賞→函館記念のローテーション。同馬が3連覇したのは10年以上前の話なので今回のデータの範囲外だが、もちろんこの傾向が生きていると思っていたが、全く逆の結果が出た。
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上に挙げた2つの表を見ればわかるが、函館で行われたここ10年(2009年は札幌開催)、前走で函館を使った馬の勝率は0%。
もちろん、前哨戦であるはずの巴賞を経由した馬も全く勝っていないことになる(札幌で行われた2009年の函館記念は巴賞組が1~3着を独占している)。ちなみに、最も勝利数が多いのは東京。特に目黒記念を使った組が3勝と好結果を出している。
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巴賞は1800m、目黒記念は2500m。函館記念は2000mだから、巴賞組は距離延長、目黒記念組は距離短縮になる。全ての出走馬のデータを見ても、前走から距離短縮している組の数字がいい。
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続いて前走の格。ここも同じで、巴賞を含むオープン特別組より、目黒記念を含むGⅡ組の方が数字がいい。ちなみに1998年~2007年は巴賞組が5勝と圧倒的。エリモハリアーの3勝を含めているといっても、この時代はきちんと前哨戦として機能していたということになる。函館開催が短くなった影響も関係しているのか分からないが、ともかく今は巴賞組が苦戦の傾向にあるのは間違いない。