6番人気22.6倍で勝利したディーマジェスティ
今週は共同通信杯が開催される。古くはカブラヤオーやテンポイント、ミスターシービーにダイナガリバーらが勝利した伝統の一戦。平成以降もナリタブライアンやジャングルポケット、ゴールドシップやスワーヴリチャードといった名馬たちが勝利をあげてきた。
近5年でもエフフォーリアやジャスティンミラノが後にGⅠを制しており、見逃せない一戦だ。今回はそんな共同通信杯の記録を振り返る。なお、データは1986年以降のものを使用する。
まずは勝ち馬の単勝オッズにまつわる記録から。共同通信杯を単勝1倍台で制した馬は過去に9頭。単勝1.2倍の圧倒的支持に応えたナリタブライアンやエルコンドルパサーを筆頭に、ジャングルポケット、フサイチホウオー、ダイナガリバー、メジロブライト、マイネルダビテ、アイネスフウジン、サクラスピードオーが勝利を挙げた。
一方で、当時は低評価でありながらもここを制し、名馬への階段を駆け上がっていった馬もいる。共同通信杯の勝ち馬における、「単勝オッズ高配当ランキング」は以下の通り。
1位 33.0倍 ヤマニンアクロ(1999年/10番人気)
2位 22.6倍 ディーマジェスティ(2016年/6番人気)
3位 21.4倍 ショウナンアルバ(2008年/6番人気)
4位 13.6倍 オウケンムーン(2018年/6番人気)
5位 10.8倍 マイネルリマーク(1993年/4番人気)
ヤマニンアクロはデビュー戦を勝利で飾った後、札幌3歳Sで5着、東スポ杯3歳Sで4着など、馬券圏内には届かずも安定した走りを見せていた。
迎えた共同通信杯ではデビュー2連勝のマル外・グラスグラードが注目を集め、単勝1.5倍の圧倒的人気。さらにデビュー戦を完勝したドラゴンブライアンが2番人気、京成杯3着のエイシンウインダムが3番人気と続き、ヤマニンアクロは14頭立て10番人気という扱いだった。
しかし、レースが始まると果敢にハナを切り、そのまま押し切って勝利。1馬身半差の2着は13番人気キンショーテガラで、馬連1146.5倍という大波乱を巻き起こした。
2位のディーマジェスティはデビュー3戦目で勝ち上がり、ホープフルS取り消しを経て共同通信杯に出走した。
この年はホープフルSを制したハートレーが1番人気、東スポ杯2歳Sの勝ち馬スマートオーディンが2番人気で続いたなか、上がり最速の末脚で6番人気を覆す快勝。続く皐月賞も8番人気で勝ち、ダービーでも3着とクラシックを盛り上げた。
この世代といえば、マカヒキやサトノダイヤモンド、エアスピネルにリオンディーズといった逸材が躍動。皐月賞とダービーはこの5頭が掲示板を独占する結果となった。
エアスピネルは引退後に乗馬となったが、残る4頭は種牡馬として第二のステージでも激突している。ディーマジェスティ産駒ではディマイザキッドが昨年の共同通信杯で4着と健闘。ほかにもユキノロイヤルやドットクルーが重賞で3着に入ったが、まだ重賞勝ち馬は出ていない。活躍馬の登場に期待したい。