一旦交わされてから差し返す
天皇賞(秋)当日、10月27日(日)の東京5Rに組まれた芝2000mの新馬戦では、後の皐月賞馬ソールオリエンスと重賞3勝をあげるレーベンスティールが激突した2年前の新馬戦を彷彿(ほうふつ)とさせる激しい追い比べが繰り広げられた。
勝利したのはアマキヒ。父はディープインパクトの全兄ブラックタイドで、母は牝馬三冠を達成したアパパネ、半姉は秋華賞を制したアカイトリノムスメという超良血だ。
好スタートを決めて2角で押し出されるようにハナに立つと、鞍上のC.デムーロ騎手は後続の様子をうかがいながら、400mを通過したところから4角の残り600m地点まで12.6-12.7-12.8-12.6-12.4と淡々としたペースを刻む。
楽に運んでいたこともあり直線に向いてからも手応えがよく、鞍上が追い始めたのは残り300mになってからだった。
そこへ外から父エピファネイア、母は宝塚記念を制したマリアライトという良血ロジャリーマインも伸びて、ラスト150m付近では一旦交わされたかと思われたが、そこから差し返す勝負根性を披露。かなりの素質を感じる好内容だった。
勝ちタイム2:01.7も新馬戦としては優秀。この日は1Rから6Rまで騎乗機会5連勝と素晴らしい騎乗を見せつけたC.デムーロ騎手が、絶妙なタイミングで外のロジャリーマインと馬体を併せに行ったエスコートもさることながら、ラスト2Fも11.3-11.1と加速ラップでまとめている。
管理する国枝栄調教師にとっては、今年の2歳馬がクラシックに管理馬を送り出すことができる最後の世代でもある。厩舎に所縁のある血統アマキヒが最後の大舞台で活躍する姿を是非とも見てみたい。
また、2着に敗れたロジャリーマインも3着マテンロウムーブに3馬身半差をつけており、次走すぐに勝ち上がることはできそうだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)