傾向解説
サマー2000シリーズ最終戦・新潟記念。今年は第4戦終了時点でチャンピオン資格を持った馬がおらず、新潟記念登録馬の中でもチャンピオンの可能性がある馬はレッドラディエンスとキングズパレスの2頭のみ。3年連続の「該当馬なし」に終わるのか、シリーズ最終戦として大注目の一戦です。本記事では血統面を中心に、新潟記念のレース傾向を整理していきます。
最注目は前走サマー2000シリーズ組。もちろんこれにはサマー2000シリーズの最終戦であることが関係しており、新潟記念の賞金に加えて総額4000万円の褒賞金も懸かった一戦となれば、GⅠ並に力を入れる馬が出てくるのは当然のこと。過去10年で見ても前走サマー2000シリーズ組(七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念)の回収率は高く、特に前走2着以内だったポイント上位馬の成績は非常に優秀。今年は七夕賞の1~2着馬レッドラディエンス、キングズパレスが該当しており、勝負度の高さからも注目の2頭となりそうです。
<前走サマー2000シリーズ組の着順別成績(過去10年)>
2着以内【3-2-1-9】勝率20.0%/連対率33.3%/複勝率40.0%/単回収率144%/複回収率108%
3着以下【2-2-2-35】勝率4.9%/連対率9.8%/複勝率14.6%/単回収率126%/複回収率72%
また、前走GⅠ組にも要注目。新潟記念は秋のGⅠへの前哨戦としての役割も担っています。実際に、サマー2000シリーズチャンピオンの該当馬がいなかったここ2年は前走GⅠ組から勝ち馬が出ており、ハイレベル戦を戦ってきた同組は休み明けであっても軽視は禁物です。
<新潟記念の前走クラス別成績(過去10年)>
3勝【1-2-1-21】勝率4.0%/連対率12.0%/複勝率16.0%/単回収率24%/複回収率48%
OP・L【0-0-2-15】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率11.8%/単回収率0%/複回収率136%
GⅢ【5-5-7-77】勝率5.3%/連対率10.6%/複勝率18.1%/単回収率78%/複回収率72%
GⅡ【0-1-0-10】勝率0.0%/連対率9.1%/複勝率9.1%/単回収率0%/複回収率50%
GⅠ【4-2-0-16】勝率18.2%/連対率27.3%/複勝率27.3%/単回収率159%/複回収率104%
血統面ではMill Reefに注目。同馬は欧州三冠(英ダービー、キングジョージⅥ&QES、凱旋門賞)を史上初めて制覇した歴史的名馬で、欧州血統の中でもしなやかな末脚が持ち味の名血です。3F勝負ではサンデーサイレンスに劣るものの、4~5F勝負では本馬の欧州的持続力が生きるため、4F勝負になりやすい新潟芝2000m(外)という舞台は非常に相性のいいコースです。本レースではMill Reef内包馬が2017年から7連覇しており、さらに2019年からの直近5年は1~2着を独占。今年も最注目の血統とみて間違いないでしょう。
また、Princely Giftの血にも要注目。同馬は細身、かつ斜尻の馬体構造から時折、非力さが欠点となる血統ですが、その分平坦コースでは非常に高いパフォーマンスを披露します。一昨年はPrincely Gift内包馬が馬券圏内を独占。昨年も9番人気ユーキャンスマイルが一昨年に続いて2着と穴を開けており、同血脈についても本レースに限らず新潟外回りコースでは注目の血統です。
<新潟記念の血統別成績(過去10年)>
Mill Reef【7-5-1-24】勝率18.9%/連対率32.4%/複勝率35.1%/単回収率256%/複回収率135%
Princely Gift【4-3-2-32】勝率9.8%/連対率17.1%/複勝率22.0%/単回収率188%/複回収率129%