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【新潟記念】持続力が持ち味のMill Reef内包馬が7連勝中 舞台適性高いライトバックに注目

2024 8/29 06:00坂上明大
2024年新潟記念の注目血統,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

傾向解説

サマー2000シリーズ最終戦・新潟記念。今年は第4戦終了時点でチャンピオン資格を持った馬がおらず、新潟記念登録馬の中でもチャンピオンの可能性がある馬はレッドラディエンスとキングズパレスの2頭のみ。3年連続の「該当馬なし」に終わるのか、シリーズ最終戦として大注目の一戦です。本記事では血統面を中心に、新潟記念のレース傾向を整理していきます。

最注目は前走サマー2000シリーズ組。もちろんこれにはサマー2000シリーズの最終戦であることが関係しており、新潟記念の賞金に加えて総額4000万円の褒賞金も懸かった一戦となれば、GⅠ並に力を入れる馬が出てくるのは当然のこと。過去10年で見ても前走サマー2000シリーズ組(七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念)の回収率は高く、特に前走2着以内だったポイント上位馬の成績は非常に優秀。今年は七夕賞の1~2着馬レッドラディエンス、キングズパレスが該当しており、勝負度の高さからも注目の2頭となりそうです。

前走サマー2000シリーズ組の着順別成績(過去10年),ⒸSPAIA


<前走サマー2000シリーズ組の着順別成績(過去10年)>
2着以内【3-2-1-9】勝率20.0%/連対率33.3%/複勝率40.0%/単回収率144%/複回収率108%
3着以下【2-2-2-35】勝率4.9%/連対率9.8%/複勝率14.6%/単回収率126%/複回収率72%

また、前走GⅠ組にも要注目。新潟記念は秋のGⅠへの前哨戦としての役割も担っています。実際に、サマー2000シリーズチャンピオンの該当馬がいなかったここ2年は前走GⅠ組から勝ち馬が出ており、ハイレベル戦を戦ってきた同組は休み明けであっても軽視は禁物です。

新潟記念の前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA


<新潟記念の前走クラス別成績(過去10年)>
3勝【1-2-1-21】勝率4.0%/連対率12.0%/複勝率16.0%/単回収率24%/複回収率48%
OP・L【0-0-2-15】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率11.8%/単回収率0%/複回収率136%
GⅢ【5-5-7-77】勝率5.3%/連対率10.6%/複勝率18.1%/単回収率78%/複回収率72%
GⅡ【0-1-0-10】勝率0.0%/連対率9.1%/複勝率9.1%/単回収率0%/複回収率50%
GⅠ【4-2-0-16】勝率18.2%/連対率27.3%/複勝率27.3%/単回収率159%/複回収率104%

血統面ではMill Reefに注目。同馬は欧州三冠(英ダービー、キングジョージⅥ&QES、凱旋門賞)を史上初めて制覇した歴史的名馬で、欧州血統の中でもしなやかな末脚が持ち味の名血です。3F勝負ではサンデーサイレンスに劣るものの、4~5F勝負では本馬の欧州的持続力が生きるため、4F勝負になりやすい新潟芝2000m(外)という舞台は非常に相性のいいコースです。本レースではMill Reef内包馬が2017年から7連覇しており、さらに2019年からの直近5年は1~2着を独占。今年も最注目の血統とみて間違いないでしょう。

また、Princely Giftの血にも要注目。同馬は細身、かつ斜尻の馬体構造から時折、非力さが欠点となる血統ですが、その分平坦コースでは非常に高いパフォーマンスを披露します。一昨年はPrincely Gift内包馬が馬券圏内を独占。昨年も9番人気ユーキャンスマイルが一昨年に続いて2着と穴を開けており、同血脈についても本レースに限らず新潟外回りコースでは注目の血統です。

新潟記念の血統別成績(過去10年),ⒸSPAIA


<新潟記念の血統別成績(過去10年)>
Mill Reef【7-5-1-24】勝率18.9%/連対率32.4%/複勝率35.1%/単回収率256%/複回収率135%
Princely Gift【4-3-2-32】勝率9.8%/連対率17.1%/複勝率22.0%/単回収率188%/複回収率129%

有力馬の血統解説

・ライトバック
Doff the Derby→シンコウエルメスから繋がる名牝系に属し、母母NarukoはRiverman≒Mill Reefの4×4を持つ瞬発力に優れた配合形。キズナ産駒の本馬も中距離向きの瞬発力型に出ており、キズナ+Exceed And Excel+Darshaanは皐月賞馬ジャスティンミラノと同じ組み合わせでもあります。新潟芝2000m(外)は得意条件のひとつで、前走GⅠ組の3歳馬という点も昨年の勝ち馬ノッキングポイントと共通。ローテーションや適性面からはケチの付け所がない実力馬です。

・レッドラディエンス
母ペルフォルマーダは2014年亜オークス3着馬。ディープインパクト×アルゼンチン牝系といえばマカヒキやサトノダイヤモンドなどが挙がりますが、Haloクロスを持つ両馬よりもディープインパクト+Storm Catのニックス配合とみる方が自然でしょう。芝2000m前後で瞬発力を生かす競馬が理想で、東京の中距離戦がベスト条件。4F勝負になりやすい新潟外回りはゴール前で甘くなりそうな不安もありますが、福島からのコース替わりはプラス材料です。さらに、七夕賞の勝ち馬でもあり、今回4着以内であればサマー2000シリーズチャンピオンの資格を獲得する一戦。本レースへの勝負度も非常に高いはずです。

・キングズパレス
北米芝GⅠ・2勝馬ドバウィハイツ(2011年ゲイムリーS、イエローリボンS)の7番仔で、全姉リバティハイツは2018年フィリーズレビュー優勝馬という良血。Mill Reefの5×6を持ち、同コース重賞である新潟大賞典でも2着と舞台適性の高さは証明済みです。さらに七夕賞の2着馬で、今回1着ならサマー2000シリーズチャンピオンとなる一戦。左回りの方がスムーズに走れることからも、レッドラディエンス以上の評価を与えたい一頭です。

新潟記念の有力馬と血統,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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