3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は8月11日(日)中京競馬場で行われる小倉記念について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった13頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
今回は8月11日(日)中京競馬場で行われる小倉記念について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった13頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
<小倉記念の年齢別成績 ※過去10年>
3歳【6-2-2-20】勝率20.0%/連対率26.7%/複勝率33.3%/単回収率114%/複回収率66%
4歳【6-2-2-20】勝率20.0%/連対率26.7%/複勝率33.3%/単回収率114%/複回収率66%
5歳【2-6-2-29】勝率5.1%/連対率20.5%/複勝率25.6%/単回収率85%/複回収率88%
6歳【1-1-5-27】勝率2.9%/連対率5.9%/複勝率20.6%/単回収率20%/複回収率93%
7歳【1-0-1-21】勝率4.3%/連対率4.3%/複勝率8.7%/単回収率159%/複回収率50%
8歳以上【0-0-0-7】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回収率0%/複回収率0%
小倉記念はその名の通り、例年は小倉競馬場で行われているが、今年は中京競馬場での実施。そこで競馬場に関わらず有効なデータとして年齢別成績を確認していく。
最も成績が安定しているのは4歳馬。【6-2-2-20】で最多の勝ち星をあげているが、今年は1頭も特別登録していない。となると注目したいのが5歳馬。【2-6-2-29】で複勝率25.6%、単勝回収率85%、複勝回収率88%と悪くない。これを「牡馬・セン馬」に限ると、【2-5-1-20】複勝率28.6%、単勝回収率119%、複勝回収率98%で回収率が100%を超える。
人気となりそうなディープモンスターは6歳牡馬。6歳牡馬・セン馬は【1-1-5-27】複勝率20.6%で5歳馬ほどは結果が出ていない。また、ハンデ戦とはいえ牡馬優勢で牝馬は1頭しか勝ち馬が出ていないため、同じく人気想定馬であるコスタボニータも積極的には狙いづらい。よって、「5歳の牡馬・セン馬」を推したい。
【5歳牡馬・セン馬の出走予定馬】
・ヴェローナシチー
・レッドランメルト
前走七夕賞組からは5着リフレーミングと、好走データに合致した6着レッドランメルトが登録している。バビットが飛ばして逃げて前半5F57.3秒、後半5F60.6秒と前傾3.3秒のハイペースで、馬群は縦長となった。1~3着はいずれも差してきた馬で先行したメンバーには厳しい展開だった。5着のリフレーミングは出遅れたとはいえ展開は向いていた。一方、レッドランメルトはこのペースを先行しながら道中ではポジションを徐々に上げていた。
実績や人気はリフレーミングの方が上だが前走の内容に関してはレッドランメルトが上と見てよいだろう。
・リフレーミング
日本での牝祖は3代母スウィートインディ。近親に目立った活躍馬は本馬くらいしかおらず、そこまで活力のある牝系ではない。母系の血を見ると母父がバトルプラン、祖母の父がタバスコキャット、3代母の父がA.P. Indyと、機動力やスピード性能の高い北米血脈で埋め尽くされている。加えて父キングヘイローは母系を引き出しやすく、機動力の高さを産駒に伝えることも得意だ。
本馬自身は後ろから競馬を組み立てるタイプだが、3走前の福島民報杯のように機動力を生かす競馬がベターで、直線の長い中京となると福島コースだった前走より条件が悪くなる。その前走も展開が向いてレッドランメルトとタイム差なしだったことを考えると、ここで勝ち切るにはワンパンチ足りないかもしれない。
・レッドランメルト
母クイーンズアドヴァイスはアルゼンチン産馬でオクレンシア賞(GⅢ・芝5F)を勝っている快速馬。代々、南米のアルゼンチンで繋がってきたファミリーだけあって牝系の馬の多くはスピードを最大の武器としている。3代母から母まで3代続けて重賞を勝利、そのほか叔父にも重賞馬、祖母の姉妹にはアルゼンチン1000ギニー(GⅠ・芝8F)の勝ち馬もいてファミリーとして活力は今回のメンバーでもトップクラスだ。
本馬は父がディープインパクトということで母に比べてスタミナがあり芝の中距離で活躍している。高速馬場が予想される開幕週の中京競馬場は歓迎だ。
今回のCアナライズではレッドランメルトを推奨する。今回不在の4歳馬を除けば、最も好走率の高い5歳牡馬の好データに該当し、加えて前走の内容が光る。オープン入りするまでは順調に勝ち上がったが、重賞戦線に参戦以降は壁に当たっている。とはいえ今回はハンデ戦でメンバーもこれまでと比べて軽い。頭数も少なく先行したい馬も多くないので、すんなり前々で競馬できれば一発あってもおかしくないだろう。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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