傾向解説
2017年にGⅠへ昇格した大阪杯。阪神芝2000mという比較的好走するタイプを選ばない舞台で行われるため、GⅠ昇格後も人気馬が強いレースという傾向は変わっていません。本記事では血統面を中心に、大阪杯のレース傾向を整理していきます。
先週の高松宮記念では社台系生産馬の苦戦傾向を取り上げ、今年も非社台系生産馬が掲示板を独占。特に過去10年で7頭の日本ダービー馬を輩出するノーザンファームにおいてはママコチャの8着が最先着。改めて同グループの生産方針が芝短距離路線からはズレていることがわかる結果となりました。
しかし、芝2000mで行われる大阪杯は同グループが最も得意とするカテゴリー。特にノーザンファーム生産馬においてはGⅠ昇格後の7年間で5頭の勝ち馬が出ており、勝利を逃した昨年もダノンザキッドが10番人気3着と穴を開けています。さらに、主流条件らしく若い馬の好成績も目立つため、ノーザンファーム生産馬の4~5歳馬が最も狙いやすいタイプといえそうです。
<ノーザンファーム生産馬の年齢別成績(過去7年)>
4歳【2-1-3-11】勝率11.8%/連対率17.6%/複勝率35.3%/単回収率92%/複回収率131%
5歳【3-1-1-14】勝率15.8%/連対率21.1%/複勝率26.3%/単回収率447%/複回収率140%
6歳【0-1-0-6】勝率0%/連対率14.3%/複勝率14.3%/単回収率0%/複回収率40%
7歳以上【0-0-0-4】勝率0%/連対率0%/複勝率0%/単回収率0%/複回収率0%
血統面でも日本の主流血統、特にディープインパクトの血が活躍するのが大阪杯。GⅠ昇格後はもちろんのこと、GⅡ時代の2014~16年にはディープインパクト産駒が3連覇を果たしています。また、人気薄での好走も目立ち、2017年2着ステファノス(7番人気)、2019年1着アルアイン(9番人気)、2022年1着ポタジェ(8番人気)などが波乱を演出。ディープインパクトを筆頭にサンデーサイレンス系の血は主流条件で外せない最重要血統です。
<ディープインパクト内包馬の年齢別成績(過去7年)>
4歳【1-0-4-6】勝率9.1%/連対率9.1%/複勝率45.5%/単回収率110%/複回収率85%
5歳【2-3-0-14】勝率10.5%/連対率26.3%/複勝率26.3%/単回収率425%/複回収率137%
6歳【0-1-0-4】勝率0%/連対率20.0%/複勝率20.0%/単回収率0%/複回収率56%
7歳以上【0-0-0-8】勝率0%/連対率0%/複勝率0%/単回収率0%/複回収率0%
さらに血統面から絞るなら、トニービンやハービンジャーなどの柔軟性に優れた欧州血統、またはクロフネやSeattle Slew、Unbridled's Songなどの持続力に優れた北米血統との組み合わせがベスト。阪神芝2000mは後半の持続力勝負になりやすいため、主流血統にこれらの血を組み合わせた配合形が大阪杯向きの血統といえるのではないでしょうか。