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【大阪杯】勝利数は友道康夫厩舎が断然トップ 芝2000mに強い種牡馬、騎手、調教師を東大HCが調査

芝2000mに強い種牡馬、騎手、調教師,ⒸSPAIA
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チャンピオンディスタンスに強いのは?

今週末はGⅠ大阪杯が阪神競馬場の芝2000mで開催される。春古馬三冠の第一戦。国内の超一線級はドバイに遠征してしまったが、それでも昨年のクラシックホースであるタスティエーラやソールオリエンス、オールカマーでハイレベルなメンバーを打ち破ったローシャムパークなど楽しみなメンバーが揃った。

芝2000mはチャンピオンディスタンスとも呼ばれる。この距離区分は日本でも非常に重要視されており、昨年のJRAではGⅠの大阪杯や天皇賞(秋)を筆頭に25もの芝2000m重賞が開催された。そこで今回は「芝2000mに強い種牡馬、騎手、調教師」をテーマにデータ分析を行う。(参照するデータは2019年3月30日~2024年3月24日の過去5年分)。

やはりディープインパクト

芝2000mに強い種牡馬,ⒸSPAIA


<芝2000mに強い種牡馬>
ディープインパクト【184-187-165-1004】勝率11.9%/連対率24.1%/複勝率34.8%
ハーツクライ【132-110-115-1030】勝率9.5%/連対率17.4%/複勝率25.7%
ハービンジャー【105-92-127-871】勝率8.8%/連対率16.5%/複勝率27.1%

まずは芝2000mに強い種牡馬について。

トップは184勝でディープインパクト。GⅡ、GⅠでは【14-14-12-94】で単勝回収率270%とプラス域。アルアイン(19年大阪杯9番人気1着)やギベオン(21年金鯱賞10番人気1着)、ポタジェ(22年大阪杯8番人気1着)など、大穴での勝利も多数含まれており大舞台でこそ狙っていきたい。競馬場別では、中京や京都で複勝率40%超えを果たしており、特に中京の単勝回収率は174%とベタ買いするだけでプラスだ。

2位は132勝でハーツクライ。こちらはディープインパクトとは対照的にGⅡ、GⅠで【0-5-5-49】となかなか勝ち切れていない。競馬場別では中山、小倉、京都の3場で勝率が10%を超えている。特に中山と京都は単勝回収率が100%オーバーで妙味も十分だ。また、前走において前目で立ち回った馬が狙い目であり、前走4角5番手以内の馬は複勝率32.2%と好成績、単勝回収率も105%と黒字域だ。

3位は105勝でハービンジャー。重賞では【4-5-8-86】で勝率3.9%と苦戦しているがオープンやリステッドでは一変。【4-4-4-21】で複勝率36.4%、複勝回収率123%と妙味が生まれる。また3勝クラスも狙い目。【6-7-7-61】で複勝率24.7%、単勝回収率は194%とプラス域だ。重賞では割り引き、オープンや準オープンで積極的に買っていきたい。

今週の大阪杯ではプラダリア、キラーアビリティがディープインパクト産駒、ハーパーやカテドラルがハーツクライ産駒、ローシャムパークがハービンジャー産駒に該当する。タスティエーラが該当するサトノクラウン産駒は【7-5-8-115】で複勝率14.8%。ソールオリエンスが該当するキタサンブラック産駒は【31-29-27-188】で同31.6%となっている。

芝2000mの鬼、川田将雅騎手

芝2000mに強い騎手,ⒸSPAIA


<芝2000mに強い騎手>
C.ルメール【124-67-58-211】勝率27.0%/連対率41.5%/複勝率54.1%
川田将雅【114-69-55-139】勝率30.2%/連対率48.5%/複勝率63.1%
横山武史【66-55-47-274】勝率14.9%/連対率27.4%/複勝率38.0%

次は芝2000mに強い騎手について。

トップは124勝でC.ルメール騎手。2回に1回は馬券に絡むという抜群の信頼度を誇る。競馬場別では小倉、京都、新潟で単勝回収率がプラス域。騎乗機会は少ないが、これらの3場に遠征して来た際は勝負度が高いと見ていいだろう。また、GⅠでは【6-4-6-6】で複勝率72.7%と非常に安定している。単勝回収率は53%と妙味はないが、複勝回収率は118%。同騎手に逆らっていいのは単系馬券の場合だけだろう。

2位は114勝で川田将雅騎手。勝率、連対率、複勝率の全てでルメール騎手を上回っており、日本で一番2000mに強い騎手と言っても過言ではない。恐ろしいことに23年以降の成績に限るとさらによく【39-18-11-20】で勝率は44.3%、複勝率はなんと77.3%だ。また単勝回収率は115%、複勝回収率は111%。芝2000mならどんな条件でも狙える、まさにチャンピオンディスタンスの鬼だ。

3位は66勝で横山武史騎手。最多勝のコースはGⅠ・3勝を挙げている中山。複勝率は40.3%とまずまずの信頼度だ。中山巧者のイメージがあるが、妙味があるのは東京コース。【14-8-9-58】で単勝回収率117%とプラス域だ。また手塚貴久厩舎とのコンビにも注目。【7-1-2-6】で勝率43.8%、単勝回収率255%、複勝回収率116%と勝率、妙味の両方で優秀だ。

今週の大阪杯では横山武史騎手がソールオリエンスに騎乗予定。タスティエーラに騎乗予定の松山弘平騎手は【62-58-37-292】で横山武史騎手に次ぐ62勝を挙げて複勝率は35.0%。ローシャムパークに騎乗予定の戸崎圭太騎手は【51-42-37-227】で同36.4%、ベラジオオペラの横山和生騎手は【34-19-20-190】で同27.8%、プラダリアの池添謙一騎手は【15-31-33-186】で同29.8%だ。

友道康夫厩舎が独走

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<芝2000mに強い調教師>
友道康夫【74-49-45-210】勝率19.6%/連対率32.5%/複勝率44.4%
国枝栄【47-39-26-183】勝率15.9%/連対率29.2%/複勝率38.0%
矢作芳人【40-39-23-301】勝率9.9%/連対率19.6%/複勝率25.3%

次は芝2000mに強い調教師について。

2位に30勝近い差をつけての圧倒的トップは友道康夫調教師。前走距離に着目すると、同距離組が【30-15-15-85】勝率20.7%、複勝率41.4%に対し、距離短縮組が【6-11-11-39】で勝率9.0%、複勝率41.8%。複勝率こそ差はないが、勝率はガクンと下がる。継続して2000mで使っている馬に注目だ。狙いたい条件は新馬戦。成績は【14-7-3-13】で勝率37.8%、単勝回収率185%と妙味ありだ。

2位は国枝栄調教師。複勝率は牡馬(セン馬除く)41.2%に対し牝馬32.6%と牡馬の方が高いという意外な結果に。ただ単勝回収率については、牡馬98%、牝馬116%と牝馬に軍配が上がる。「牝馬の国枝厩舎」は健在だ。未勝利戦に強く、特に東京コースが狙い目。成績は【7-3-1-8】で勝率36.8%、単勝回収率222%と妙味たっぷりだ。

3位は矢作芳人調教師。重賞、特にGⅢに出走した際は【5-3-2-31】で単勝回収率174%と非常に優秀な成績を残している。コース別では福島が抜群。【5-2-2-16】で単勝回収率218%、複勝回収率130%を記録している。遠征してまで福島のレースを選択した際は勝負度が高いと見ていいだろう。

今週の大阪杯では、ハーパーが友道厩舎に所属。タスティエーラの堀宣行厩舎は【37-33-18-143】で複勝率38.1%、ローシャムパークの田中博康厩舎は【16-10-13-90】で同30.2%、ベラジオオペラの上村洋行厩舎は【11-13-16-65】で同38.1%、プラダリアやカテドラルの池添学厩舎は【20-17-18-102】で同35.0%、ソールオリエンスの手塚貴久厩舎は【25-19-32-123】で同38.2%を記録している。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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