傾向解説
過去10年の出走馬から12頭の国内GⅠ勝ち馬が誕生している出世レース、共同通信杯。昨年もタスティエーラが日本ダービーを制しており、今後のGⅠ戦線に向けても非常に重要な一戦です。本記事では血統面を中心に、共同通信杯のレース傾向を整理していきます。
最初に紹介したいポイントはノーザンファーム生産馬が強いということ。同週に行われるクイーンCでも目下8連覇中という圧倒的な成績を収めていますが、共同通信杯においてもノーザンファーム生産馬の勢いは止まりません。毎年、紛れの少ない東京開催のステップレースに照準を合わせてくる傾向にあり、ノーザンファームグループの素質馬にはいつも以上に注意が必要です。
<ノーザンファーム生産馬成績(過去10年、単勝オッズ49.9倍以下)>
ノーザンファーム【5-7-7-18】勝率13.5%/連対率32.4%/複勝率51.4%/単回収率90%/複回収率113%
血統面ではサンデーサイレンス系の産駒が中心。東京芝1800mという直線勝負になりやすい日本の主流条件のひとつですから、日本の主流血統が中心という傾向は当然の結果でしょう。該当馬も多いため全体での成績は水準よりやや上といった程度ですが、力が足りない可能性が高い単勝オッズ50倍以上を除けば、回収率ベースでも非常に優秀な成績となっています。何より過去10年の3着内馬30頭中20頭がサンデーサイレンス系の産駒ですから、曾孫世代に変わりつつある現在においても中心の血統であることは間違いありません。
<父サンデーサイレンス系の成績(単勝オッズ49.9倍以下)※過去10年>
サンデーサイレンス系【6-7-7-26】勝率13.0%/連対率28.3%/複勝率43.5%/単回収率91%/複回収率112%
ただ、細かく見るとSadler's Wells=Fairy KingやNureyevといった欧州の主流血脈の好走も目立つのが本レースの大きな特徴。3頭の種牡馬はいずれもNorthern DancerとSpecial牝系という血統構成。Sadler's WellsとFairy Kingは全兄弟で、Nureyevは3/4同血という間柄です。日本の主流系統であるサンデーサイレンス系を中心としつつも、欧州の主流血脈で底力を補うような配合形が本レースの最適血統といえるでしょう。
<血統別成績(単勝オッズ49.9倍以下)※過去10年>
Nureyev【3-4-3-17】勝率11.1%/連対率25.9%/複勝率37.0%/単回収率95%/複回収率96%
Sadler's Wells【4-3-3-11】勝率19.0%/連対率33.3%/複勝率47.6%/単回収率188%/複回収率140%
Fairy King【1-0-0-1】勝率50.0%/連対率50.0%/複勝率50.0%/単回収率680%/複回収率195%