傾向解説
3歳牝馬三冠最終戦・秋華賞。今年は2020年以来3年ぶりに舞台を京都芝2000mに戻しての開催となります。阪神芝2000mと京都芝2000mとの違い、そして桜花賞やオークスとの違いを含めて、秋華賞のレース傾向を整理していきます(データは京都開催の2013~20年を使用)。
京都芝2000mと阪神芝2000mでの大きな違いはペースの差。阪神芝2000mで行われた直近2年は2021年が前後半1000m61.2-60.0の後傾1.2秒、2022年が同59.7-58.9の後傾0.8秒とどちらも後傾ラップを刻みました。ただ、京都開催の2013~20年で後傾ラップを刻んだのは2016年と2018年の2回のみ。
初角までの距離が300m強と短い点は京都も阪神も同じですが、京都は前有利の意識が強過ぎるのか、先行争いが苛烈になりやすい傾向にあります。そのため、京都開催時に初角5番手以内から馬券圏内に粘り込んだのは2着1回、3着2回の3頭のみ。いかに前半で脚をタメられるかが勝敗を分けるポイントとなっています。
<初角位置別成績(2013~20年)>
5番手以内【0-1-2-40】勝率0.0%/連対率2.3%/複勝率7.0%/単回収率0%/複回収率25%
6番手以下【8-7-6-77】勝率8.2%/連対率15.3%/複勝率21.4%/単回収率41%/複回収率79%
ハイペースの消耗戦に強い血統といえば、ブライアンズタイムを筆頭に底力に長けた種牡馬を数多く輩出する大種牡馬Roberto。同血脈は秋華賞創設初期から相性が良く、1998年にはブライアンズタイム産駒のワンツー決着、1999年にはリアルシャダイ産駒が10番人気2着、2000年には母父ブライアンズタイムが10番人気1着と大活躍しています。さらに、改修直前の2020年にもRoberto内包馬のワンツー決着と近年も存在感は抜群で、京都に舞台を戻す今年は改めてRobertoの血に注目したいところです。
<Roberto内包馬の成績(2013~20年)>
該当馬【4-2-2-32】勝率10.0%/連対率15.0%/複勝率20.0%/単回収率49%/複回収率103%
他ではブライアンズタイム、グラスワンダー、Kingmamboなどハイペース適性の高い種牡馬たちが共通して持つGraustark=His Majestyの血にも注目。特に同血脈のクロスを持つ馬は2013~20年で3/4頭が好走しており、2013年3着馬リラコサージュは15番人気という超人気薄で好走しました。ブライアンズタイムやグラスワンダーはRobertoも併せ持つ相性の良い種牡馬で、Kingmamb+Robertoのニックス配合も大注目の組み合わせです。
<Graustark=His Majesty内包馬の成績(2013~20年)>
該当馬【4-1-6-37】勝率8.3%/連対率10.4%/複勝率22.9%/単回収率29%/複回収率111%