傾向解説
秋のGⅠシーズン第1戦、スプリンターズS。サマーシリーズ組や3歳勢の潜在能力、マイル路線との力関係など、既存勢力との比較が予想の大きなポイントとなる一戦です。本記事では血統面を中心に、スプリンターズSのレース傾向を整理していきます。
まず押さえておきたいポイントは内枠有利という点。短距離戦はゲートを出たなりに隊列が決まってしまうため、スプリンターズSに限らず枠順の影響を受けやすい傾向にあります。特に外ゲートに入る11番枠から外は不利が明確で、新潟開催を除く過去10年で馬券圏内に入った4頭中3頭は3番人気以内、残り1頭は超ハイペースを最後方から追い込んだアウィルアウェイというように、実力馬か展開が向いた馬しか好走できていないというのがスプリンターズSの大きな特徴です。
<馬番別成績(過去10年 ※新潟開催を除く)>
1~5番【3-3-5-34】勝率6.7%/連対率13.3%/複勝率24.4%/単回収率66%/複回収率136%
6~10番【5-4-3-32】勝率11.4%/連対率20.5%/複勝率27.3%/単回収率28%/複回収率78%
11番~【1-2-1-50】勝率1.9%/連対率5.6%/複勝率7.4%/単回収率17%/複回収率27%
血統面ではフォーティナイナーの血が大活躍。ただ、これはスプリンターズSに限ったことではないです。高松宮記念も含めた近年の日本の芝スプリント路線を牽引する血統と言っても間違いではないでしょう。スウェプトオーヴァーボード、アドマイヤムーン、アイルハヴアナザーという3頭の種牡馬がそれぞれ好走馬を出しており、昨年2着のウインマーベルの活躍からもまだまだ軽視できない名血です。
<フォーティナイナー産駒の成績(過去10年)>
高松宮記念【2-2-1-11】勝率12.5%/連対率25.0%/複勝率31.3%/単回収率88%/複回収率208%
スプリンターズS(中山)【3-2-2-9】勝率18.8%/連対率31.3%/複勝率43.8%/単回収率95%/複回収率194%
他ではRobertoやDanzig、Lyphardなどの機動力に優れた血統がスプリンターズSでは活躍しています。特に、これらの血は内枠で持ち味を生かす形がベストのため、内枠を引いた機動力型の該当馬には要注目です。昨年の勝ち馬ジャンダルムは母母父にDanzigを持ち、4代前にRobertoの血も併せ持つ配合形。1枠2番からロスなく立ち回って抜け出した競馬っぷりは、まさにこの血統らしいスプリンターズSにピッタリの走りでした。
<1~10番枠での血統別成績(過去10年 ※新潟開催を除く)>
Roberto【2-3-3-11】勝率10.5%/連対率26.3%/複勝率42.1%/単回収率134%/複回収率163%
Danzig【3-3-1-16】勝率13.0%/連対率26.1%/複勝率30.4%/単回収率130%/複回収率80%
Lyphard【2-3-3-21】勝率6.9%/連対率17.2%/複勝率27.6%/単回収率25%/複回収率122%