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【フィリーズレビュー】関西馬・差し馬有利のレース! 京大競馬研の本命はサラサハウプリティ

フィリーズレビューインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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圧倒的に関西勢が有利

3月12日(日)にフィリーズレビュー(GⅡ・芝1400m)が阪神競馬場で行われる。昨年は2着ナムラクレアが桜花賞で3着に入るなどレベルの高いレースが繰り広げられた。今年は現状ナムラクレアに匹敵する器は見当たらないが、函館2歳S勝ち馬ブトンドール、同コースでファンタジーSを勝ったリバーラ、りんどう賞勝ち馬イティネラートルなど注目の馬が揃った。今週も過去のレース傾向を踏まえて予想していく。


過去10年フィリーズレビュー所属別成績


まず過去10年のフィリーズレビューにおける所属別成績について調べた。関東馬の成績が【0-1-1-30】で連対率3.1%、複勝率6.3%である一方、関西馬は【11-8-9-112】で勝率7.9%、連対率13.6%、複勝率20.0%。馬券に入っている馬のほとんどは関西馬だ。

関東勢で好走したのは2014年3着のエスメラルディーナ、2013年2着のナンシーシャインのみ。人気になった関東馬が馬券外に沈むケースもあり、2020年3番人気9着のアヌラーダプラ、2018年1番人気10着モルトアレグロなどがその一例だ。今回の出走馬ではリバーラ、ポリーフォリア、トラべログ、イコノスタシスの4頭が関東馬。これらの評価は下げたい。


差し、追込が決まりやすい

過去10年フィリーズレビュー好走馬4角位置・上がり順位


次に同じく過去10年で3着内馬の4角位置と上がり順位について調べると、差し、追込が鮮やかに決まる傾向が見えてくる。勝ち馬は全て上がり4位以内と、一定の決め手がない馬が勝ち切るのは難しいことが分かる。連対圏に4角10番手以下の馬が9頭も差し込んでいたり、速い上がりを使った馬が多く馬券内に入ってきたりと、やはり末脚に長けた馬を中心に考えたいレースである。

このような傾向が見られる理由として、フィリーズレビューは桜花賞の前哨戦としては唯一の1400m戦であり、短距離志向の馬が揃いやすく、したがってペースが速くなりやすいことが考えられる。今回の出走馬の中で速い上がりを使えるタイプの馬はブトンドール、シングザットソング、サラサハウプリティ、プウスカンドゥールなど。これらの馬は高く評価したい。


後方勢を中心に

◎サラサハウプリティ
前走つわぶき賞は時計面が優秀で、2着ダルエスサラーム、3着モズメイメイ、5着ユリーシャがその後のレースを快勝するなどこの世代の牝馬限定戦の中ではかなりレベルの高いレースであった。そんな相手に、比較的イン有利のなかで外を回しながら0.3秒差の6着に入った点は評価できる。2走前のファンタジーSでは0.6秒差の5着に敗れているが、直線でかなりの不利を受けていた。

今回は1200mで逃げのレースをしているエコロアイを筆頭に前で運ぶ馬が多く、例年同様ペースが流れて差し馬有利の展開が予想される。展開が向くのは間違いない。レース間隔は空いているが、調整面では順調に来ているので十分勝負になるだろう。馬柱がキレイでないことや、他に連勝馬がいることなどから人気にならなさそうで、ここが狙い目だ。

◯シングザットソング
スタートにはかなりの不安があるタイプではあるが、末脚はメンバー中最上位クラスのものを持っている。こちらも展開面は絶好で、状態も良さそうだ。これまでの走りを見る限り、位置取りが後ろになるのはスタートが悪いせいで、道中の追走に苦労している印象は受けない。1400mでもスタートが決まりさえすればある程度の位置は取れる。中間はかなりゲート練習をしており、その成果が出ることを願う。

▲イコノスタシス
脚質的には展開の恩恵を受けられなさそうではあるが、先行馬の中ではこの馬を最も強く推したい。フェアリーSでは先行馬にはかなり厳しい流れで8着に粘った。今回の方が相手関係は楽であり、内枠でロスなく運べればチャンスはありそうだ。ただ不振が続く関東馬という点がネック、3番手評価とした。

△ブトンドール
能力は高いが、状態面は微妙なのでこの評価に留める。

×プウスカンドゥール
展開の助けがあれば、チャンスはある。

×イティネラートル
展開が向きそうではないが、能力は高い。

買い目は◎からの馬連とする。

▽フィリーズレビュー予想印▽
◎サラサハウプリティ
◯シングザットソング
▲イコノスタシス
△ブトンドール
×プウスカンドゥール
×イティネラートル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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