願いは4歳馬に託す
2022年7月10日に福島競馬場で行われる第58回七夕賞。全5戦で争われる「サマー2000シリーズ」の初戦にあたる。梅雨時期(今年はもう明けたが)のハンデ戦ということで荒れるイメージが強いのだが、過去10年の平均を見ても、単勝配当は2000円超え、3連単に至っては50万円を超えている。
これは2018年の大波乱(単勝1万80円、3連単256万3330円)の効果が大きいのだが、その年を含めて3連単100万超えが2本、10万超えとなると7本。人気通りに収まる可能性は極めて低く、穴党ご用達のレースといって間違いないだろう。果たして、荒れる時にパターンはあるのかどうか。過去10年の成績を基にデータ検証していく。
☆所属、性別と年齢
美浦10連対(5勝)、栗東10連対(5勝)。勝率、連対率もほぼ同じ。これだけ差がない重賞も珍しい。性別は牡馬・セン馬が19連対(10勝)。牝馬で連対したのは2021年の2着馬ロザムールだけ。同時期に牝馬限定重賞のマーメイドSが行われる影響もあるのだろう。
というわけで今回は牡馬・セン馬に絞って検証していきたい。以下、断りがない場合は牝馬を除くデータとする。
年齢別で連対数が多いのは6歳(7連対)、5歳(6連対)の順。ただし勝率、連対率がいいのは4連対の4歳馬。7歳以上となると好走確率がぐっと下がってしまう。
☆前走着順
荒れるレースだけあって、普通なら好成績を残しているはずの前走1着から勝ち馬が出ていない。同様に前走3、4着からも1着馬なし。そんな中で前走2着だけは2勝を挙げており連対率も上々。また、前走5着以下から8頭の勝ち馬が出ており、大敗したからといって評価を下げる必要はなさそうだ。
☆前走クラスと前走
荒れるレースなのは間違いないが、格下の馬が活躍しているわけではない。前走で条件戦を走っていた馬の成績は【0-0-3-8】で連対馬なし。重賞、オープンは勝率、連対率で比べると、GⅡ組が少々物足りないぐらいで、ほかは大差ない。
レース別だとどうなるか。最も連対馬を出しているのは鳴尾記念組で4連対。逆にあまり相性がよくないのは目黒記念組。16頭が出走して2着1頭だけというのは物足りない。
☆ハンデ
条件戦経由の馬が連対していないという傾向が出ていたが、軽ハンデの馬も苦戦している。具体的には53キロ以下だと【0-0-4-22】で、やはり連対馬が出ていない。最も成績がいいのは56~57キロ。ここから7頭の勝ち馬が出ている。また57.5キロ以上の成績も悪くなく、負担重量が重い方が結果を出す傾向にある。
☆その他
そのほかで気になったデータを少々。まずプラスデータだが、このレースでは鹿毛が8勝14連対しており、やたらと成績がいい。残る2勝は栗毛で、黒鹿毛、芦毛などほかの毛色から勝ち馬が出ていない。夏の黒鹿毛は暑そうなのでなんとなく分かる(?)として、反射する色である芦毛も結果が出ていないとは。
一方、マイナスとなってしまうデータは前走で逃げた馬。該当する10頭中、3着が1頭いるだけで連対していない。逃げて2着に粘った昨年のロザムールも、前走は2番手から運んでいた。また、前走から距離短縮してきた馬も【1-2-2-30】とひと息。これは上記で書いた目黒記念組が足を引っ張っているのも影響している。