NZT1番人気のマテンロウオリオンに注目
2022年5月8日に東京競馬場で行われる第27回NHKマイルC。設立当初は「マル外ダービー」などと呼ばれ、第1回(1996年)は出走馬18頭中、なんと14頭が外国産馬だった。結果は上位8着までを独占。続く第2回から第6回まで外国産馬が2着までを独占した。
そして時が過ぎて2021年、第26回はドイツ産馬のシュネルマイスターが勝利。外国産馬が勝利したのは第6回(2001年)クロフネ以来のことだった。
そのシュネルマイスターの生産牧場はドイツにある「Northern Farm」。第1回のタイキフォーチュンは「Taiki Farm」、第3回エルコンドルパサーは「Takashi Watanabe」、第4回シンボリインディは「Symboli Farm」。日本人が関わっている牧場の活躍が目立っている。
さて、世界的にマイラーの価値が上がっているのと比例して、このレースの出走馬の質も上がっているように思える。そんなNHKマイルCにはどのような傾向があるのか。GIということで過去15年のデータ、そして近5年のデータも併せて検証していきたい。
☆所属と性別
美浦12連対(5勝)、栗東18連対(10勝)。勝利数、勝率ともに栗東が上回っているが、連対率はほぼ変わらない。性別は牡馬・セン馬が23連対(12勝)で、牝馬は3勝。後半にも出てくるが、牝馬の3勝はすべて桜花賞出走馬である。
☆キャリア
勝ち馬はキャリア3~9戦から出ている。このうち、キャリア6戦から6頭の勝ち馬が出ており、勝率もトップ。近5年だとキャリア7戦以上の馬から連対馬が出ていない。
☆前走クラスと前走
勝ち馬が出ているのは前走重賞組だけ。重賞組以外だと47頭中、馬券に絡んだのは3頭だけだ。レース別だと、トライアルのニュージーランドトロフィー(NZT)が最多の5勝だが、出走頭数も圧倒的に多く、勝率、連対率では威張れる数字ではない。
勝率、連対率では桜花賞が優秀。牝馬の勝ち馬はすべて桜花賞を経由している。トレンドになっているGIからGIへというパターンだが、過去に朝日杯FSからNHKマイルCへ挑んだ馬は4頭いて、すべて着外。
出走したのは2007年2頭、2011年と2016年に1頭ずつで、ほとんどがトレンドになる前の話。2007年のオースミダイドウ(2番人気、12着)は朝日杯FS3着からの参戦だが、朝日杯FS後に故障しており、予定通りのローテーションではなかった。今年のセリフォスのようなパターンはなく、果たしてどういった結果になるか注目したい。
☆その他
その他に気になったデータを挙げてみよう。前走で1、2番人気に支持されていた馬は、他の人気馬より好走率がかなり高くなっている。また、1月生まれは【0-1-0-19】。2月以降に生まれた馬が完成度で追いついてきたということだろうか。種牡馬別では、ダイワメジャー産駒が最多の3勝を挙げている。