ビジョンにはDHの文字が
過去最多となる22頭の日本馬が出走した今年のドバイワールドカップデー。無観客だった昨年とは違い、観客を入れての開催となり、場内は非常に盛り上がりを見せていた。日本馬は5勝と大活躍の一日となったが、今回のレース回顧では日本で馬券発売が行われた4レースを中心に振り返っていく。
現場で取材していて、この日の日本馬のハイライトはドバイターフだったと言えるだろう。
宣言どおりにパンサラッサが逃げ、場内の発表では800m通過が47.06秒。前走中山記念の800m通過46.3秒ほど速くはないものの、前日の公式会見で矢作芳人調教師が「速いペースで逃げてどこまで頑張れるか」と言った通りのレースを見せる。
直線半ばで2番手にいたカーネルリアムやサフロンビーチは苦しくなり、外から迫ってくるのは連覇を狙うロードノース。それでも止まりそうで止まらないパンサラッサ、さらにゴール前は大外からヴァンドギャルドも猛追。3頭並んでゴール板を駆け抜けた。
どの馬が勝ったのか──。ザワザワとした時間が流れる中、場内のビジョンにはパンサラッサとロードノースによる写真判定と表示された。
そこへロードノースのL.デットーリ騎手は首を振りながら戻ってくる。パンサラッサもメディアが待ち構えるところで周回した後にパレードリングへ。検量室へ引き下がる吉田豊騎手も渋い表情を見せる。
ようやく出た結果を見ると、同着を意味するDH(Dead Heat)という表示。吉田豊騎手は表彰セレモニーに向かうところで矢作調教師、デットーリ騎手とも喜びを分かち合った。
単勝1.7倍と注目されていたシュネルマイスターは8着と伸びを欠いた。


ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダービー馬シャフリヤールが勝利
最多の5頭の日本馬が出走したドバイシーマクラシック(GⅠ・芝2410m)。過去にはドゥラメンテやレイデオロなど日本ダービー馬が挑戦したものの、世界の高い壁が立ちはだかった。しかし今年はシャフリヤールがその壁を打ち破る見事な走りを披露した。
スタートして1角では押し出されるようにハナに立つのかと思われたシャフリヤールだったが、オーソリティが逃げてその直後の3番手からのレースとなった。
直線はオーソリティの外、内から2頭目に持ち出されて追い比べに。残り100mで振り切ったかと思ったが、大外から1番人気に推されたユビアーが襲い掛かる。それでも抜かせるところまでは行かず、クビ差押し切った。
その他の日本馬はオーソリティが3着、ユーバーレーベンが5着、グローリーヴェイズが8着、ステラヴェローチェは9着だった。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
泥だらけになって追い込むも3着
メインレースのドバイワールドC(GⅠ・ダート2000m)で注目を集めていたのはアメリカから参戦したライフイズグッド。
好スタートを切り、1馬身差の2番手にミッドナイトバーボン、3番手にカントリーグラマーとアメリカ勢が先行していく。場内に掲示された最初の800mの通過タイムは48.03秒、そのままライフイズグッドが先頭で直線に向いたが、残り200mを切ったところで一杯に。
変わって外から先頭に立ったのはカントリーグラマー。L.デットーリ騎手が見事に勝利に導いた。2着にはホットロッドチャーリー、昨年2着で“勝利”という忘れ物を取りに再びやってきたチュウワウィザードは、後方から泥だらけになりながら追い込んでくるも3着という結果に終わった。




ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
今年も大波乱、レッドルゼルは2着
日本での馬券発売最初のレースとなったドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ・ダート1200m)を勝利したのは地元UAEのスィッツァランド。日本でのオッズは60.7倍の13番人気、波乱が起こった。
6番枠からスタートし、道中は中団からのややインコースを追走する。抜群の手応えで直線外に持ち出されると、後続を寄せ付けることなく、レッドルゼルに1.75馬身差をつけて勝利。
最後方からレースを進めたレッドルゼルは2年連続での2着。同じく後方から運んだチェーンオブラブは4着だった。
バスラットレオンが日本馬に勢いをもたらす
その他、2Rに行われたゴドルフィンマイル(GⅡ・ダート1600m)は最内枠から押してハナに立ったバスラットレオンが逃げ切り。3RのドバイゴールドC(GⅡ・芝3200m)はステイフーリッシュがマノボとの接戦を制し、4RのUAEダービーはクラウンプライドが勝利。
特に矢作厩舎は4頭を出走させ3勝と大活躍。ドバイでも強さ、厩舎力を存分に見せつけた。



ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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