先行が圧倒的有利、逃げも馬券に絡む
2月27日(日)に中山競馬場で行われる中山記念(GⅡ・芝1800m)。有力馬が集まる春先の名物重賞に16頭が顔を揃えた。ホープフルSの覇者ダノンザキッドや白富士S2着のアドマイヤハダルなどが出走を予定しているが、狙うべきは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、過去10年の傾向を分析する。

直線の短い中山ということで、脚質別では先行が【9-6-4-17】と断然の良績を収めている。また逃げ馬も勝ち星こそないものの複勝率は40.0%と優秀だ。こうした前有利の傾向は、勝ち馬全10頭が4角で6番手以内に位置していたことからも見て取れる。
ただ前走脚質別成績に目を向けると、差しが【6-4-3-36】と勝利数で先行を上回る。普段は後方で競馬をしている馬が、前有利の傾向を見越して、先行策へ転じる可能性は十分にあるということだ。普段から前へ行く馬はもちろん、先行策を取ったことのある馬にも注意したい。
軸に最適なのは4歳馬

続いて年齢別成績を確認する。馬券の軸に最適なのは4歳馬で、出走数は比較的少ないながら【4-3-5-13】、複勝率は48.0%と優秀だ。5歳馬も最多の5勝を挙げるなど活躍を見せている。
一方6歳以上になると成績は大きく下がる。6歳馬は【1-2-2-23】で、馬券に絡む例は皆無というわけではないものの、今ひとつの成績だ。また7歳以上に関しては勝ち馬が一頭もいない。実績馬でない限り割り引いて考える必要があるだろう。
安定のGⅠ馬を軸に
◎ダノンザキッド
前走マイルCSではグランアレグリア、シュネルマイスターといった実力馬に次いで3着。キレ負けする形での敗戦だった。ホープフルS1着の実績が示す通り、スタミナが求められる中山の方がこの馬向きだろうし、距離の心配もない。皐月賞以前のように前目で競馬を進めることが理想だが、川田将雅騎手がそつのない騎乗を披露してくれるだろう。
◯コントラチェック
中山の重賞で3勝、2着1回の実績がある。逃げて結果を残している馬だが、今回はパンサラッサが大逃げ宣言をしていることもあり、控える形になると思われる。オーシャンSで番手からの競馬が功を奏しているため、同様の形で進められれば心配はない。6歳馬であることが気にはかかるが、中山での実績や安定感はそれを十分補いうるだろう。
▲アドマイヤハダル
皐月賞4着。直線ではよく伸びていたが、ゴール手前で脚が止まってしまった。距離が200m短くなることは好材料といえる。前々走は中山のオープン戦で敗れているが、約6ヶ月の休み明けで動きが鈍かった模様。前走は重賞級と目される馬ジャックドールに1馬身半差まで迫っている。
△トーラスジェミニ
このところは東京や中京で2桁台の着順が続いているが、この馬が最も得意とするのは中山。【4-0-0-3】と相性が良い。七夕賞制覇や安田記念5着の実績があり、重賞でも通用する力をもっている。
以下相手としてカラテ、パンサラッサを押さえる。穴馬としては4歳馬のワールドリバイバルを推奨する。
◎ダノンザキッド
◯コントラチェック
▲アドマイヤハダル
△トーラスジェミニ
×カラテ
×パンサラッサ
☆ワールドリバイバル
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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