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【AJCC】ポタジェの取捨は枠次第 ハイブリッド式消去法で確実に残るのはオーソクレースと超伏兵エヒト!

2022 1/19 06:00八木遊
過去10年のAJCC『7歳以上』かつ『前走が2200m以上』の成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『日経新春杯』は、ステラヴェローチェで頭は堅いと見たがまさかの2着。勝ったのは4つ目の条件で消したヨーホーレイクだった。3着に入った9番人気のヤシャマルも無印で、的中ならず。フェアリーSに続いて2連敗スタートとなってしまった。

今週は23日に中山競馬場で行われる『AJCC』を予想していきたい。いつも通り過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『7歳以上』×『前走距離2200m以上』★0.0%★

まずは年齢絡みのデータから。今回は7歳以上の高齢馬を取り上げる。過去10年で7歳以上の馬は【1-3-1-51】(複勝率8.9%)と、これだけで消去条件を満たす。

ハイブリッド式ではこれに別のデータを掛け合わせて更に絞り込みを図る。ここでは前走距離に着目。馬券に絡んだ5頭は全て前走から距離延長組だった。一方、前走から距離短縮と同距離組は合算すると【0-0-0-22】(同0.0%)。まずはこのデータを採用したい。

今年これに当てはまったのは8歳セン馬のダンビュライトだけだった。4年前の覇者だが、さすがに馬券圏内は厳しいだろう。

【今年の該当馬】
・ダンビュライト

『前走から斤量増』×『前走時馬体重減 or 増減なし』★0.0%★

続いては前走から斤量が増えている馬に注目した。過去10年の成績は【0-1-0-24】(複勝率4.0%)で、好走したのは14年2着のサクラアルディートだけ。同馬の前走時の馬体重増減は「+2kg」だった。

つまり、前走時の馬体重がマイナスもしくは増減なしだった馬は好走例なし。過去10年では【0-0-0-12】(同0.0%)と、12頭全てが4着以下だった。

今年この条件に当てはまったのは2頭。穴人気しそうなアンティシペイトと昨年の新潟記念を制したマイネルファンロンを消去する。

【今年の該当馬】
・アンティシペイト
・マイネルファンロン

『非社台系生産』×『前走0秒7差以上で負け』★2.8%★

続いては、生産者別データを取り上げたい。芝中距離ではやはり社台系生産馬が強く、過去10年で【6-8-6-44】(複勝率31.3%)という好成績だ。一方、非社台系生産馬は【4-2-4-66】(同13.2%)で好走率は大きく下がる。特に前走で勝ち馬から0秒7以上の差をつけられ負けていた馬は【0-0-1-35】(同2.8%)と、巻き返す可能性は極めて低い。3つ目の消去データはこの組み合わせを採用したい。

今年は以下の4頭が当てはまった。消去済みのマイネルファンロンに加え、アサマノイタズラと地方馬のキャッスルトップ、クレッシェンドラヴが新たに消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アサマノイタズラ
・キャッスルトップ
・クレッシェンドラヴ
・(マイネルファンロン)

『母父SS系』×『前走4着以下』★5.9%★

4つ目は血統データを取り上げたい。採用したのは母の父がサンデーサイレンス(SS)系の馬だ。過去10年で【3-1-3-21】(複勝率25.0%)と数字は悪くない。ただし、前走で4着以下に敗れていると、【1-0-0-16】(同5.9%)と複勝率はガクンと落ちる。

今年は3頭がこの条件に当てはまった。新たに消えるのはどちらも重賞勝ち馬のボッケリーニとラストドラフトとなった。

【今年の該当馬】
・(アンティシペイト)
・ボッケリーニ
・ラストドラフト

『前走上がり4位以下』×『今回馬番11番~』★0.0%★

4つのデータを終えて、14頭中8頭を消去した。最後は前走時のラスト3ハロン時計を見ていきたい。これが4位以下だった馬はAJCCで【4-5-5-76】(複勝率15.6%)とまずまず。ただし、枠順次第で好走率はかなり下がる。

1~10番枠と11番枠から外に2分割すると、前者が【4-5-5-47】(同23.0%)。一方、後者は【0-0-0-29】(同0.0%)とさっぱりだった。最後は金曜日に発表される枠順次第で取捨を決めたい。

残っている6頭のうち、前走上がり4位以下だったのは4頭。上位人気確実のポタジェを含めて11番枠から外に入れば消しとしたい。

【今年の該当候補】
・キングオブコージ
・スマイル
・ソッサスブレイ
・ポタジェ

全ての消去条件を終えて、確実に残るのはエヒトとオーソクレースの2頭だけとなった。当然、馬券の軸として信頼度が高いのはオーソクレースの方だろう。エヒトは3勝クラスを勝ち上がったばかりだが、その前走が非常に強い内容だった。オーソクレースとのワイドは押さえておきたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。22年は単複ワイドに絞って手堅く……。

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