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【宝塚記念】クロノジェネシス、レイパパレの一騎打ち? 参考レースからの注目馬は

2021 6/24 06:00坂上明大
宝塚記念の参考レースⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

着差以上の強さ

上半期を締めくくるグランプリレース・宝塚記念。元来牝馬の強いレースではあるが、今年は昨年覇者クロノジェネシスと6戦6勝で大阪杯を制したレイパパレが顔を合わせる大一番。週末の天気も重要な一戦だが、まずは参考レースから各馬の潜在能力を探っていきたい。

【有馬記念】
キセキが出遅れたことでバビットの単騎逃げ。前半も中盤も遅く、スローペースで2周目向正面に入ってからの持続力勝負に。先行勢はフィエールマン以外総崩れだったが、いずれも力差を感じる内容であった。

1着馬クロノジェネシスは完璧な競馬で勝利したように映るが、残り1000~800mで11.5を計測。中盤でこのラップを刻んでラストにも脚を残しているのだから、着差以上の強さを感じる勝利であった。ここでのペースアップがきつかったことは一緒に上がって行ったキセキがラストでバタッと止まったことからもわかる通りだろう。

今年は宝塚記念と直結!?

2021年大阪杯の展開/馬場バイアスインフォグラフィックⒸSPAIA



【大阪杯】
午後から雨が降ったことで馬場状態は大幅に悪化。稍外有利。レースはレイパパレが二の脚でハナに立ち、前後半1000m59.8-61.8の前傾2.0秒。良馬場なら1F11.8~11.9(1000m58.3程度)を計時していたとみると、非常にタフな大阪杯であったか。

1着馬レイパパレは4角最内も直線では一気に大外まで出す形。川田騎手の好判断も光ったが、それにしても強い勝ちっぷりであった。Hyperion色の強い母母にクロフネ、ディープインパクトと掛け合わせたのが本馬であり、無駄肉のつかない馬体からも非凡なスタミナを感じる。クロノジェネシスとはサンデーサイレンス、Burghclere≒Height of Fashion、クロフネなどが共通しており、同馬とのワンツー決着があっても驚けない配合形だ。

2着馬モズベッロは後方で脚をタメ、ラスト1Fはレイパパレと同程度の時計。レース質は昨年の宝塚記念と似ており、今年も同じような流れなら当然本馬にも注意が必要だろう。

純粋なスタミナ勝負

【天皇賞春】
ディアスティマが坦々としたラップで逃げて前半1000m59.8。2周目1~2角でペースを落としたが、向正面からはまたペースを上げ、純粋なスタミナが問われる非常にタフな競馬となった。

3着馬カレンブーケドールは好位追走からの粘り込み。勝利するためには大幅な作戦変更が必要だろうが、阪神芝2200mへの距離短縮はプラス。今回も大きく崩れることはなさそうだ。

4着馬アリストテレスは前回よりは断然落ち着きがあったが、まだまだ敏感な面が。距離短縮はプラスで、阪神内回り適性も高い。バレークイーン牝系らしい底力に期待。

名牝2頭の一騎打ち!?

本文中でも触れた通り、クロノジェネシスとレイパパレは血統構成が似ており、両馬のワンツー決着があっても驚けない。そこに割って入るならアリストテレス。Sadler's Wellsの4×4譲りの馬力は本レースでも大いに活きそうだ。

注目馬:クロノジェネシス、レイパパレ、アリストテレス

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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