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【宝塚記念】牝馬3強、それぞれに立ちはだかる壁! 穴狙いならユニコーンライオン

2021 6/20 16:50勝木淳
宝塚記念インフォグラフィックⒸSPAIA
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8枠最強説は継続か否か

京都開催を振り替えたことによる影響は様々に及ぶが、宝塚記念についてはいい意味での影響になりそうだ。6月開催は前半が中京に振り替えられ、阪神は後半2週間のみ。上半期最終週の宝塚記念は、例年より梅雨の影響を受けない馬場になる可能性がある。

馬場適性が結果に左右されるレースだけに、いつもと違う開催日程はきちんと頭に入れて臨みたい。過去10年間のデータで傾向をみつつ、そういった点にも注意しながら分析する。


過去10年人気別成績ⒸSPAIA


3番人気以内【6-4-3-17】勝率20%、複勝率43.3%とサマーグランプリは堅実ではある。だが、1番人気は【2-3-1-4】勝率20%、複勝率60%と好走はするも勝ちきれないことも多い。昨年覇者クロノジェネシスも当時は2番人気。1番人気と2、3番人気が互角という特徴はある。上位3頭の戦力比較は入念に行った方がいい。今年は牝馬3頭クロノジェネシス、レイパパレ、カレンブーケドールの順位づけがカギを握るだろう。

また6番人気が【2-1-2-5】勝率20%、複勝率50%で上位人気と互角というデータも気になる。昨年もキセキが6番人気で2着と穴人気が激走しやすいレースだ。もっとも今年はキセキ向きの馬場になるかどうかは微妙だが。


過去10年年齢別成績ⒸSPAIA


4歳【3-1-6-34】勝率6.8%、複勝率22.7%より5歳【6-5-4-36】勝率11.8%、複勝率29.4%が好成績。この主力2世代と連下にベテラン勢というパターン。年齢だけならば、レイパパレやアリストテレスよりクロノジェネシス、カレンブーケドールといった感じ。ほかにも5歳は鳴尾記念を勝ったユニコーンライオンや昨年3着モズベッロなど伏兵が多い。


過去10年枠別成績ⒸSPAIA


昨年も8枠のクロノジェネシスが勝利したように宝塚記念の8枠は【7-0-2-13】勝率31.8%と突出している。これは6月開催最終週で、内側が悪く、外伸び馬場になりやすいがゆえのデータなので、今年は取り扱いに注意だ。もちろん、内側で揉まれるより、外を伸び伸び走れるという外枠特有のメリットもあるが、今年はこのデータを過信すべきではないだろう。


牝馬3強、データの壁とは

ではここからは具体的に好走ローテなど各馬の戦歴から候補を絞ってみたい。

過去10年前走クラス別成績ⒸSPAIA


前走が重賞でなければ厳しく、特に前走GⅠが【7-7-8-66】勝率8%、複勝率25%と好成績。シーズン末期のGⅠとあって、やはりGⅠ戦線を渡り歩いてきた馬が強い。


過去10年前走国内GⅠ組レース別成績ⒸSPAIA


中長距離路線の天皇賞(春)【4-3-3-31】勝率9.8%、複勝率24.4%、大阪杯【2-1-0-9】勝率16.7%、複勝率25%が二大ローテ。大阪杯はGⅠになった17年以降4年分のデータで、数が少なく確率は高く出る。これを考えると、この2レース経由はほぼ互角だろう。レイパパレ、モズベッロとカレンブーケドール、アリストテレスらはローテ上では同等としたい。


過去10年前走国内GⅠ組着順別成績ⒸSPAIA


前走が国内GⅠ1着だと【0-0-2-8】と不振。この10年、宝塚記念で国内GⅠを連勝した馬はいない。16、17年天皇賞(春)連覇のキタサンブラックも宝塚記念は未勝利。06年ディープインパクトの天皇賞(春)、宝塚記念までさかのぼる。レイパパレはこの壁に挑む。

国内GⅠ組はどちらかいうと4着以下がいい。これが特徴的なデータで、カレンブーケドールが該当する3着は【0-0-0-5】。モズベッロの2着は【1-2-1-6】で悪くないが、データで評価するならば、アリストテレスや安田記念6着カデナといったあたりか。


過去10年前走海外GⅠ組レース別成績ⒸSPAIA


海外遠征といっても近場の香港・QE2C組が相性よく、19年リスグラシューなど【1-1-0-3】。今年はドバイ帰りのクロノジェネシス。問題はドバイ遠征直後のレースで、宝塚記念もドバイ遠征直後だと【0-1-2-8】。好走はクロノジェネシスも出走したドバイシーマC【0-1-2-6】、16年ドゥラメンテ2着が最高。やはり中東への遠征後は状態がカギを握りそうだ。


過去10年前走海外GⅠ組着順別成績ⒸSPAIA


国内GⅠ組では冴えなかった前走好走馬だが、海外GⅠだと好走した馬がよく、3着以内【1-2-2-5】、4着以下【0-0-0-8】。ドバイのデータはひっかかるが、クロノジェネシスはドバイ2着でクリア。海外遠征では好走した馬より大きく負けた馬のダメージが大きい。日本競馬のレベルを考えると、海外で勝てない馬は国内でも勝負にならないということか。


一発ないか、ユニコーンライオン

最後にGⅠ組以外で気になる前走鳴尾記念【1-2-1-14】を取りあげる。というのも鳴尾記念の回顧で触れたが、勝ったユニコーンライオンの後半1000m57.8(12.2-11.5-11.1-11.1-11.9)は相当に優秀な記録。序盤スローの流れで2着につけた0.6差はインパクト大。上位に並ぶ牝馬たちに比べると地味な存在だが、そこに人気の盲点はないか。


過去10年鳴尾記念着差別成績ⒸSPAIA


鳴尾記念での着差別成績をみると、0.3~0.5差つけて勝った馬は【1-0-0-0】。16年6番人気1着ラブリーデイがいる。ユニコーンライオンはこの記録の上を行った。適度に時計を要する例年の阪神の馬場であれば、自信をもって穴に薦められる。今年の馬場状態がどうなるのかよく見極めたいが、人気を考えれば、ポジティブに狙ってみたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。


宝塚記念インフォグラフィック2ⒸSPAIA



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