どのタイミングでオークス路線に変更したのか
牝馬クラシック戦線の舞台は桜から新緑の府中へ。春の東京開幕週はオークストライアル・フローラS。オークストライアルながら、オークスの過去10年で前走フローラSだった馬は【0-5-3-37】。勝ち馬は出現せず。最後に勝ったのは10年アパパネと1着同着だったサンテミリオン。あの同着劇は11年も前、時の流れは早い。桜花賞組の牙城を崩すのは簡単ではない。そうは言いながらも17年6番人気2着モズカッチャン、20年7番人気2着ウインマリリンなど2着は10年で5回。有利とはいえない中3週のローテーションでも侮りがたい。ここでは過去10年のデータを分析、好走パターンを考える。
1番人気は【3-1-0-6】勝率30%、複勝率40%。着外6頭で信頼度はやや低い。ただ4番人気以内は【8-6-3-23】、1着は上位人気というケースが多い。注目は5~8番人気【0-1-2-37】、9番人気以下【2-3-5-85】。よく穴人気はアテにならないとは言われるが、思わず手が出るような中穴はこのレースでは不振。どうせ穴を狙うならこのレースは思い切って13番人気【0-1-2-7】など無印馬を狙ってみてはどうだろうか。
キャリアが浅い馬同士のレースなので、キャリア別成績を出す。さすがにキャリア1戦は1番人気14着セラピアなど【0-0-0-8】で厳しい。新馬勝ち直後のスノークォーツや経験馬相手に未勝利戦を勝ったアンフィニドールには辛いデータだ。2戦も【1-0-1-25】なので、2戦2勝のオヌールもひっかかる。
かといって豊富なキャリアも味方にならず、8戦【0-2-1-7】まで。理想は3戦【4-3-3-25】、4戦【3-0-2-19】。ようは桜花賞を目指し、出走できず、キャリアを重ねてオークスに転戦してきた馬より、早めに目標を切り替えオークスに照準を定めた馬、もしくは最初からオークス狙いの馬がいい。陣営の思惑が反映されたデータなので、そういった人の心理も考えておきたい。5戦【0-3-1-26】のユーバーレーベン、ウインアグライアらより4戦パープルレディー、エトワールマタンらを評価したい。
東京芝2000mは引き込み線から発馬直後に2コーナーを迎え、周回コースに入るレイアウト。改良されたとはいえ、序盤の距離ロスが大きく、位置をとりにくい外枠は不利。開幕週に行われることも手伝い、このレースも7枠【0-0-1-25】、8枠【1-1-3-24】と不利。勝ったのは16年3番人気チェッキーノだが、8枠で2、3着にきた4頭は13、5、13、5番人気と人気薄が目立つ。8枠に入ったことで一気に人気を落とした馬をあえて狙うという選択肢もありうる。4枠より内側が目立つのはコースレイアウトもあるが、春の開幕週で馬場状態がいい点もあるだろう。