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【大阪杯】阪神芝コースは高速馬場も雨予報 コントレイルとグランアレグリアに死角はあるのか

2021 4/1 19:07三木俊幸
大阪杯馬場適正チャート,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

毎日杯はレコード決着

今年の大阪杯(GⅠ・芝2000m)は出走頭数こそ少ないものの、昨年の三冠馬コントレイル、安田記念でアーモンドアイを撃破した後、1200mのスプリンターズSを制したグランアレグリアの対決に注目が集まる。

能力面だけでなく、馬場・コース適性の観点から今の阪神競馬場の芝2000mという条件に合う馬はどの馬なのか分析していく。

3/27・28の阪神芝コースタイムと上がりⒸSPAIA

3/27・28の阪神芝コース通過順位ⒸSPAIA

まずは先週末に阪神芝コースで行われた10レースの結果から馬場傾向を振り返っていこう。クッション値10.2、ゴール前の含水率8.9%という状態でのレースとなった土曜日に行われた毎日杯は、1000mの通過が57.6というペースだったこともあるが、1:43.9のレコードがマークされるなど、この日は軒並み高速馬場だった。

外回りのレースでは33秒台前半が求められることが多く、通過順位を見ると差しも全く届かないわけではないものの、好位からレースを進めた馬の活躍が目立った。

しかし日曜日は雨で、朝の発表時点では良だったが、最初の芝のレースとなった5Rの3歳未勝利戦から11Rの六甲Sまで、終日稍重でのレースとなった。しかし六甲Sは1:33.8で決着、極端に上がりがかかることもなかった。ただ一点違いがあったとすれば、後方からの差しが決まりやすくなる傾向にあったことだろう。

大阪杯が行われる今週日曜日は、再び雨予報も出ているので、穴をあける馬がいるとすれば差し馬かもしれない。

コントレイルに死角なし

ここからは個別の適性について詳しく見ていく。今回の出走メンバーの中でピックアップしたのは以下の4頭とした。

大阪杯馬場適正チャート,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


【コントレイル】
菊花賞で激走後に挑んだジャパンCは2着に敗れたが、今回は十分に休養を取っており体調面での不安はなさそう。コース適性に関しては、2000mは適距離であると考えており、内回りコースについてもスッと反応できる器用さがあるので歓迎。稍重の皐月賞を勝利しているように、多少馬場が渋っても問題ないので死角は少ない。

【グランアレグリア】
安田記念、スプリンターズSのレースを見る限り、ポテンシャルは最上位。上がりの速い高速馬場を得意としているので、雨が降らなければこの馬向きの馬場だと言える。

重馬場の高松宮記念でも2着、稍重の安田記念では勝利しているものの、前者は上がり33秒台が出る特殊な馬場だったこと、後者も良馬場に近いところまで回復しつつある中でのものだった。2000mという距離も考慮すると、雨量次第では割り引く必要があるだろう。

【サリオス】
前走のマイルCSは5着も、後方からのレースで流れが向かなかった。器用さではコントレイルに敵わないが、今回は皐月賞時のように好位からレースを進め、自分から動いていくような形に持ち込めればチャンスは生まれるはずだ。

【アドマイヤビルゴ】
阪神芝2000mでは2戦2勝、条件が向きそうな馬としてピックアップ。5走前の若葉Sは1:58.6、2走前のアンドロメダSでは1:58.8と速いタイムの決着にも対応している点、加えて2200mでは結果を残せていない点からも距離短縮もプラス。ただし、前走はパワーのいる馬場で大敗していることからも、雨は降らないほうが良さそう。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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