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【京成杯】「9番人気までの中穴」「キャリア1、3戦」が吉 狙うべき穴馬の条件は?

2021 1/11 17:00勝木淳
2021年京阪杯データインフォグラフィックⒸSPAIA
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京成杯出走馬はクラシックで穴に

中山競馬場最寄り駅といえば、地下通路でつながる武蔵野線船橋法典駅である。この駅が開業する1978(昭和53)年以前、中山競馬場の最寄り駅は京成本線東中山駅だった。開業は1935(昭和10)年、当時は中山競馬場前という名称の臨時駅で1953(昭和28)年から常設の東中山駅になった。

現在は一部列車を除き、快速と普通が停車するが、かつては特別料金不要の列車がすべて停車した。京王とならび京成も競馬との関わりが深い関東の私鉄である。

1956年に誕生した京成杯AHに続き、京成杯は1961年に4歳(現3歳)限定重賞(芝1600m)としてはじまった。99年に皐月賞と同じ舞台芝2000mに条件変更、その年勝ったオースミブライトは皐月賞2着と結果を残した。アドマイヤジャパン、サンツェッペリン、ジェネラーレウーノなど皐月賞2、3着馬を出し、10年エイシンフラッシュは日本ダービー馬になった。

必ずしも出世レースというわけではないものの、クラシックで穴を開ける馬を輩出する。穴党こそ注目すべき京成杯について過去10年のデータを参考に分析していく。

人気別成績



のちにクラシックで穴を開ける馬が出現するが、このレース自体は大きく荒れることは少ない。1番人気【2-3-1-4】勝率こそ20%と1番人気としては低めだが、複勝率は60%で馬券の軸としての信頼度は高い。

難しいのは2~7番人気まで複勝率に差がなく、上位人気決着が少ない点だろう。2番人気【2-2-1-5】に対して7番人気は【2-2-2-4】、複勝率で上回る。10番人気以下の馬券圏内こそないものの、1桁人気以内は手広く網をかけておきたい。

狙うべきはキャリア1、3戦馬

それでは穴っぽい馬を探るためにまずはキャリア別成績をみる。

キャリア別成績



キャリア1戦が【2-1-3-11】勝率11.8%、複勝率35.3%で好成績である。さらに単複回収値が152、105で優秀。人気別で触れたが過去10年で10番人気以下の大穴はゼロ。それでも100を超えるということはキャリア1戦から中穴が多く出現している。4、6、7、4、1、7番人気で3、3、3、1、2、1着。19年1、3着、20年1、2着とここ2年は好走馬を複数出す。

前走距離別成績



キャリア1戦組で穴になるパターンを探すため、前走距離別成績をみる。用は新馬戦をどんな距離で走ったのかということになるわけだが、1600m【0-0-0-3】は納得も、同距離の2000mが【0-1-2-3】と不思議と勝ちきれない。狙いは前走1800m【2-0-1-5】だろう。前走1800mの新馬戦出走という馬がいれば、たとえ新聞の印が少なくても狙いたい。

キャリア1戦以外で目立つのは確率がもっとも高いキャリア3戦【6-4-2-28】勝率15%、複勝率30%だ。こちらも単勝回収値は104と優秀。1着馬は2、2、7、3、5、1番人気だった。

キャリア別成績



キャリア3戦組は前走クラス別成績がわかりやすい。3戦目がGⅢ【0-2-0-4】、GⅡ【0-1-0-1】だった馬はここで好走するも勝ちきれず、対照的に3戦目がオープン特別以下だった馬は【6-1-2-23】勝率18.8%、複勝率28.1%。キャリア3戦組は重賞組もいいが、格下からここに挑むような馬が穴になる。

キャリアを問わず注意すべき傾向

ここまでキャリア別の前走距離、前走クラスを探ってきたが、キャリア関係なく全体でみると以下のようになる。

全体のキャリア別



キャリア1戦組で触れたように前走2000mは【5-8-8-64】で複勝率は高いものの、やや勝ちきれずといったところ。キャリア1戦でよかった前走1800mは【4-1-2-29】勝率11.1%と同様に勝率が高い。注目は前走1800mか2000m組だろう。

前走クラス別成績



前走クラス別ではGⅠ【1-1-0-10】など前走重賞出走馬がキャリア3戦と同じく頼りない。前走が新馬【2-1-3-11】、未勝利【1-3-1-22】、1勝クラス【4-2-3-33】、オープン【2-0-2-15】だった馬がよく、京成杯は前走の格で人気が決まるものの、結果は前走の格に反するものになりやすいレースである。

「前走1800m新馬出走馬」「キャリア3戦、かつ3戦目が重賞以外だった馬」。もしくは、キャリアを問わず前走1800m組から前走2000m組へ流す。または前走オープン以下出走馬をアタマ、連下に前走重賞出走馬といった馬券の組み方が有効な作戦といえる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

京成杯2021年データ


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