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【フェアリーS】Cコースでも外差し決まる馬場 テンハッピーローズの相手で面白い人気薄は

2021 1/8 06:00三木俊幸
フェアリーS馬場適性チャートⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上がり34秒台がマークされる

2021年最初の重賞となった中山金杯は、暮れの開催と同様にパワー型に有利な馬場でのレースになるかと思ったが、蓋を開けてみれば想像以上に速い上がりがマークされており、個人的には予想外の幕開けとなった。そのあたりの傾向も踏まえて、フェアリーSについて分析していきたい。

有馬記念が行われた日のクッション値は9.8(ゴール前の含水率9.6%)、そして中山金杯当日は10.2(ゴール前の含水率11.8%)とそこまで大きな差はなかったように感じるが、違いがあったとすれば、中間に3.0mmの雨が降ったこととAコースからCコースに変わったということだった。

先週の勝ち時計と上がりⒸSPAIA



中山金杯の勝ちタイムは2:00.9、引き続き時計のかかる馬場状態に変わりないと言えるが、暮れの開催では上がり34秒台の末脚を使った馬はほぼいなかったのに対し、金杯当日は5レース中3レースの勝ち馬が34秒台の上がりを使っていたという変化は気に留めておいた方が良さそうだ。

先週の中山芝好走馬の通過順ⒸSPAIA



4角の通過順位から脚質について振り返ると、逃げ馬で馬券に絡んだのは1頭のみ。対して、4角6番手より後ろにいた馬が2勝、2着2回、3着2回とCコースに変わったにもかかわらず差しが届いていた。

先週の中山芝好走馬の進路ⒸSPAIA



直線で通ったコースを見ると、5レース中4レースの勝ち馬が内から7頭目を通って勝利。内から8頭目、9頭目から馬券に絡んでいる馬もおり、外が伸びる馬場だった。これらの傾向を受け、フェアリーSでは時計のかかる馬場で好パフォーマンスを残している馬、好位から中団でレースを進められる馬を狙いたい。

テンハッピーローズの相手探し

2021年フェアリーS馬場適性チャートⒸSPAIA



狙っていたルチェカリーナとルースの2頭が除外になってしまったのは残念であるが、出走馬の中で以下の7頭をピックアップ。それぞれのキャラクターについて詳しく見ていく。

なお、馬場適性の特徴を表しているチャートの縦軸は高速馬場を得意とするスピード型か時計のかかる馬場に強いパワー型かを示す指標、横軸は上がりの速い馬場に強い瞬発力タイプか上がりのかかる馬場を得意とする持続力タイプのどちらに分類できるかを表している。

【テンハッピーローズ】
2走前のサフラン賞は時計のかかる馬場で、中団から外を回して2着となっており今の馬場も合っている。このレースで勝利したサトノレイナスは阪神JFで2着、そして前走のアルテミスSで敗れたソダシは、その後阪神JFを勝っていることからも力は上位だと言える。

【ファインルージュ】
前走は好位追走から直線で進路を内に取り、ラスト瞬発力は非凡な素質を感じさせるものだった。しかし、過去2戦ともトップスピードに乗るまで時間を要しているので、現状では広いコース向きと考える。

【クールキャット】
4カ月ぶりのレースとなったアルテミスSは7番手追走から5着。直線でスムーズに進路を取れず、ゴール前でようやく伸びてきた点は見直す余地がありそうだが、より器用さが求められる中山コースでテンハッピーローズを逆転するまではどうか。

【ベッラノーヴァ】
前走はスタートで後手を踏み、大外を回す形となったが、重馬場で上がり最速の34.0をマークしている。前走馬体重396kgと小柄な馬なので、急坂をこなせるかという不安はあるが、ピッチ走法で小回りは向いている。

【シャドウファックス】
中山1600mの新馬戦では好位から上手く立ち回り、2着に0.4秒差をつけて勝利。前走のアルテミスSは切れ負けしたが、3着のテンハッピーローズとも0.2秒差。器用さがあるので、中山コースで巻き返しに期待。

【アトミックフレア】
まだキャリア1戦のみだが、スッと好位に取り付くことができ、長くいい脚が使えるタイプという印象を受けた。同じ日に行われたデイリー杯2歳Sではレコードがマークされる高速馬場だった中、1:35.2と平凡なタイムの決着だったが、当時よりも時計のかかる馬場に変わることでより良さが出ることに期待して押さえておく。

【ホウオウイクセル】
前走の未勝利戦は中団のインで脚をため、直線で抜け出すという内容で持続力勝負を制した。器用さがあるので中山コース向きで、時計のかかる馬場も合っている。人気もなさそうなので面白い一頭だ。

▽フェアリーS予想▽
◎テンハッピーローズ
○シャドウファックス
▲ホウオウイクセル
△ベッラノーヴァ
×クールキャット
×アトミックフレア

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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