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【葵S】新・出世レース?「あおい」枠にはご用心を 当日まで覚えておきたいデータ

2020 5/24 17:00SPAIA編集部
2020年葵SデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

勝ち馬は内枠から

2020年5月30日に京都競馬場で行われる葵S。このレースが重賞に格上げされたのは2018年のこと。出世レースの印象がなく、リステッドでもいいのでは?とか思ったりしたが、調べてみるとここ10年でロードカナロアを筆頭に、ティーハーフ、ナックビーナス、ゴールドクイーンなど、のちに重賞で活躍する勝ち馬に名を連ねていた。

ダービーが終わると3歳馬は古馬に交じって戦うことになり、特に北海道では毎年のようにスプリント重賞で活躍を見せている。昨年の勝ち馬ディアンドルは次走の北九州記念で2着。夏競馬につながるこのレースに注目して損はないだろう。

早速、オープン競走時代を含めた過去10年を振り返ってみることにする。なお、2018年に2着同着が出ているので、2着馬の合計が11頭、3着の合計は9頭となっている。

葵S出走馬の枠順ⒸSPAIA
葵S出走馬の脚質ⒸSPAIA

葵Sは京都の内回り芝1200mで行われる。この条件は内枠、そして先行有利のイメージが強いのだが、このレースではどうなのだろうか。

まずは枠順だが、勝ち馬10頭中、何と9頭が3枠以内から出ている。2着馬は逆に5枠より外から7頭。個人的に注目していた4枠は8枠と並んで勝ち馬なし、連対率も最低クラス。「あおい」ステークスだが、どうやら「あおい」枠とは縁がないようだ。

続いて脚質。逃げ馬は【2-2-0-6】。10回中4度の連対なら優秀だろう。続いて先行馬の成績がよく、位置取りが後ろになればなるほど率が下がってくる。連対した逃げ馬4頭の馬番は⑧⑤①③で、2番手から運んで連対した3頭の馬番は③①①。内枠を引いた先行馬を狙うのが的中への近道だということが分かる。

牝馬優位だが、桜花賞組は割引

葵S出走馬の性別ⒸSPAIA
葵S出走馬の所属ⒸSPAIA

このレースは牝馬より牡馬・セン馬の方が出走頭数が多いのだが、勝率、連対率ともに牝馬が圧倒している。牝馬同士の決着が4回あったのに対し、牡馬同士の決着は1回だけ。軸には牝馬を選ぶのがお勧めだ。

葵Sは関西圏のレース、しかも以前はオープン格付けだったこともあって栗東所属馬の成績が断然。美浦所属馬は【1-1-3-34】。2016年に美浦所属馬同士で決まったが、それ以外は全て栗東所属馬同士の決着。その傾向は重賞に昇格して以降も変わっていない。

葵S出走馬の当日人気ⒸSPAIA

内枠、前有利、栗東所属、そして牝馬が強いレース。割とはっきりとしたデータが出ているのだが、果たして固く収まっているのだろうか。当日人気を調べると4番人気以内の馬が【7-4-2-27】。これだけでは何ともいえないが、8番人気以下の馬の成績は【3-3-5-66】。

人気薄の馬の台頭も目立っており、実際に3連単は全て万馬券、そのうち10万を超える配当が実に6回も出ている。3連系の馬券を買う人は予想のしがいがあるレースといえるだろう。

葵S出走馬の前走クラスⒸSPAIA

オープン格付けが長く続いていたレースなので、重賞を使って挑んできた馬の成績がいいのかと思ったが、意外にも同じオープンクラスを経てここを使った馬の成績が一番よかった。前走重賞組も悪い成績とはいえないが、気になるのは前走でGIを使った馬。【0-1-2-9】とさえない成績。

ちなみに、これは全て桜花賞組の成績でもある。桜花賞で力を出し切って余力が残っていない結果なのだろうか。牝馬優位なレースは間違いないが、桜花賞組は割引が必要となる。GIを使った馬はそれなりの人気になることが多いので、もし登録馬に桜花賞組がいれば今年も高配チャンスとなりそうだ。

葵S出走馬の前走着順ⒸSPAIA

最後に前走着順。連対馬の約半分が前走5着以下からの巻き返し。10着以下からでも5頭の連対馬が出ているので、前走着順は気にする必要はないだろう。

この葵Sは強いデータがはっきりしている。しかも、当日人気や前走着順をあまり気にする必要がない。成績よりもデータ重視で予想した方が高配にありつく可能性が高いレースといえるだろう。

2020年葵SデータインフォグラフィックⒸSPAIA