圧倒的優勢のチューリップ賞ステップ組
4月12日(日)阪神競馬場にて春のクラシック到来を告げる桜花賞が行われる。過去10年のデータを分析してみると桜花賞を制する条件がはっきり見えてきた。「チューリップ賞」「阪神芝1600mの経験」「シンザン記念」がキーワードとなっている。至ってシンプルなデータだが知っているのと知らないのでは大違いだ。そのデータを使い勝ち馬に迫っていきたい。

過去10年で振り返るとチューリップ賞からの優勝馬が最多の6頭だ。そしてその6頭はチューリップ賞の前に「阪神JF」か「シンザン記念」からの転戦組となっている。他の馬はフィリーズレビュー、シンザン記念、朝日杯FS、エルフィンステークスが各1頭ずつだ。桜花賞までの牝馬路線はなかなか上位の顔ぶれが大きく変わる事は少ない。なぜならば阪神JF~チューリップ賞~桜花賞は全く同じ舞台であり、このローテーションを経験した馬が主役を張るのは当然と言えば当然の結果なのだ。
阪神芝1600mの経験がある馬が過去10年で9頭
より詳しく調べていこう。過去10年間の優勝馬でアーモンドアイを除く9頭が桜花賞と同舞台の阪神芝1600mを経験している。共通しているのは「同舞台の新馬戦・未勝利戦を1番人気で勝利している」か「阪神JFかチューリップ賞に出走し3着以内の経験がある」か。
また、2013年のアユサンが阪神JFで7着に敗れた後にチューリップ賞3着から制覇した以外、優勝馬は同舞台で馬券圏内を外した事がない事も特徴的である。そして、今年の出走馬でこの条件をクリアする馬は4頭いる。
・マルターズディオサ(阪神JF2着・チューリップ賞1着)
・クラヴァシュドール(新馬戦1着・阪神JF3着・チューリップ賞2着)
・レシステンシア(阪神JF1着・チューリップ賞3着)
シンザン記念経験組は要チェック

そして、もう一つの注目のローテーションはシンザン記念を経験して桜花賞へ挑んだ馬達だ。近10年だけでもマルセリーナ、ジェンティルドンナ、ジュエラー、アーモンドアイと4頭もの勝馬がこのレースで牡馬との戦いを経験し、優勝した2頭に至ってはその後牝馬三冠を達成している。
ここ数年、牝馬限定のフェアリーステークスが同時期に開催されているにも関わらず、あえて牡馬との混合重賞に挑むのはよほど自信があるのだろう。そんなシンザン記念からは、今年はサンクテュエールが1着となり桜花賞へ直行する。過去のデータを振り返ってもこのレースで3着以内になった5頭のうち4頭が桜花賞馬となっているのだから実に心強い。
今年は阪神JF上位組がそのままチューリップ賞で3着までを独占。そしてジェンティルドンナ、アーモンドアイに続きシンザン記念を制覇したサンクテュエールが本番直行と上位混戦ながら素晴らしいメンバーが揃った桜花賞となった。直前までこのメンバーの中からどの馬が1着に来るのか検討したい。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
