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【ニュージーランドT】中山マイル経由は意外に消し 狙いは関西圏マイルと千八の掲示板組!

2020 4/5 19:00勝木淳
ニュージーランドトロフィーデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中山マイルらしい傾向

ニュージーランドT過去10年勝ち馬成績ⒸSPAIA

NHKマイルCトライアルのニュージーランドTは中山のマイル戦。コーナー3つの変則コースらしく東京のマイル戦とは異なる適性が求められる。レース傾向としてはマイル戦らしい前半が速く後半にやや時計がかかる平均から前傾ラップが多い。

ときより前半が遅い後傾ラップになることがあり、特にここ3年は前後半が同じか後半が速い競馬が続いてる点には注意が必要で、3歳戦から距離体系と適性に合わせたレースに使うようになり、以前ほど短距離路線から無理やりマイル戦に挑戦する馬が減ったのかもしれない。

4角10番手以下からの追い込みが決まったのは過去10年で1度のみで勝ち馬は4角好位勢が有利。中山らしい器用さや一瞬の切れ味で後続を一旦突き放せるような馬が理想だ。 中山マイルらしいといえば、枠番別成績である。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

外枠が不利なコースとは言いつつ、8枠【1-1-2-17】と壊滅的ではない。それでも相対的には3枠【3-2-2-13】、4枠【2-1-0-17】の真ん中よりやや内枠が優勢だ。極端な内枠はスタート直後に2角を迎えるトリッキーなコースでは包まれ、押圧される不利を受けやすく、プレッシャーに慣れていないキャリアが浅い若駒には辛い部分が大きい。

メリットデメリットのバランスがうまくとれるのが3、4枠なのではないか。また外枠はそれだけで人気を落とすコースではあるが、先に述べた通り壊滅ではない。人気が枠順だけで不当に落ちるのであれば逆に狙いともいえる。ただし複勝率に見所がある程度なので、あくまで連下、3連複の軸馬ぐらいだろう。

前走距離でアプローチを変える

前走距離別成績をみていこう。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA

同距離の1600m【4-4-4-48】そこそこ馬券圏内に来る馬がいるので、確率は見劣るが見限れまい。分母が大きなカテゴリーなので取捨選択が重要だろう。そこでこの組を分析していく。

前走1600m組の前走コース別成績(過去10年)ⒸSPAIA

同舞台の中山1600m出走組は【0-1-1-23】と奮わない。同コース同距離からの転戦組の成績が悪いのは意外なデータなので忘れないでおきたい。また東京1600mも【0-0-1-2】頭数が少ないのは不思議だが、好走しているともいえない。関東圏のマイル戦組は割り引くというところがポイントだ。

反対に中京1600m【1-1-0-4】京都1600m(外)【1-0-0-2】など関西圏のマイル戦に出走していた馬の成績がいい。関西馬が素直に強いということだが、関東圏のマイル戦に目がいきがちなだけに関西圏マイル戦出走馬は盲点になることもある。

つぎに1800m出走馬【3-1-1-19】と距離別ではもっとも確率が高い。距離短縮が利くのはマイル重賞あるあるでもあるので、この組の評価をきちんとしておきたい。
ポイントは前走着順にあった。

前走1800m組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

1800m戦で馬券圏内だった馬は【0-0-0-4】。頭数こそ少ないので歯切れは悪くなるが、好走馬がマイルで結果を出しにくいのではないか。反対に4着【1-0-1-1】5着【2-0-0-1】から巻き返す馬の成績がいい。前走1800m戦で掲示板だった馬、1800m戦ではちょっと適性がなかった馬がマイル戦になって変わり身を見せるパターンが多いのだろう。若駒の適性はつかみにくいが、前走のレースをよくよく観察すれば1600m戦になって重賞で巻き返してくる馬が見えてくるだろう。

前走1600m組と1800m組でアプローチの仕方を変えるのは同じ視点に陥りやすい思考回路を柔軟に操作する意味でも意義が大きい。

中山マイル戦に強そうな機動性と一瞬の切れ味で突き放せるような馬を探す一助となるだろう。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて「築地と競馬と」でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌「優駿」にて記事を執筆。

ニュージーランドTデータインフォグラフィックⒸSPAIA