馬術競技はいつから始まった?
普段目にする馬を使った競技といえば、「競馬」をイメージする方が多いだろう。テレビなどでも目にする機会は少ないが、「馬術」もまた馬と共に競技を行うスポーツだ。
その歴史は古く、オリンピック競技としては1900年の第2回パリオリンピックで初めて実施された。これは明治33年にあたり、第4次伊藤博文内閣の時代。その時代に馬術を競技としていたことは、現代人に想像もつかない。
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馬と一緒に競技をする「馬術」は、いつから競技として始まったのだろうか。また、競技の種類はどんなものがあるのだろう。ここでは歴史と競技の種類などを紹介する。
普段目にする馬を使った競技といえば、「競馬」をイメージする方が多いだろう。テレビなどでも目にする機会は少ないが、「馬術」もまた馬と共に競技を行うスポーツだ。
その歴史は古く、オリンピック競技としては1900年の第2回パリオリンピックで初めて実施された。これは明治33年にあたり、第4次伊藤博文内閣の時代。その時代に馬術を競技としていたことは、現代人に想像もつかない。
現在、オリンピックで行われている馬術競技は「馬場馬術競技」「障害飛越競技」「総合馬術競技」の3種目だが、初めてオリンピックで行われた馬術競技は「乗馬走り高跳び」と「乗馬走り幅跳び」という種目だった。それから現在行われている形に落ち着くまでに、「軽乗」という競技や「乗馬フィギュア」の個人、団体が行われたこともあった。
今でこそ、馬術競技に出場するのは一般人の選手だが、1952年のヘルシンキオリンピックまでは、馬術競技には「軍人」しか出場することができなかった。
一言で「馬術」と言いますが、実はさまざまな種類があるのをご存知だろうか。大きく分けるとブリティッシュ馬術とウエスタン馬術が代表的なスタイルだ。
ブリティッシュ馬術は、その名の通りイギリスが発祥のスタイルで、オリンピックなどの競技会で行われる。上着に燕尾服や乗蘭を着て、キュロットという乗馬用のズボンを履き、足元は長靴(ちょうか)、頭にはシルクハットもしくはヘルメットをかぶる。正に紳士の出で立ちで馬に跨る。
一方のウエスタン馬術は、映画でよく見かけるカウボーイスタイルの馬術。こちらのいで立ちは、カウボーイハットをかぶり、ジーンズを履き、ゴツいバックルをはめ、ウエスタンブーツというスタイルで馬に跨る。まさにカウボーイの恰好だ。
ウエスタン馬術にも競技会がある。代表的な種目に「レイニング」というものがあるが、たとえるならブリティッシュの馬場馬術に相当する種目だ。
日本の神社では、祭りなどで「流鏑馬(やぶさめ)」が行われるが、日本にも伝統的な馬術があるのをご存知だろうか。
日本における馬術のルーツは「武芸」にあたる。オリンピックに「軍人」しか出場することができなかったのと同じように、昔の日本も馬に乗ることができるのは「武士」のみで、「平民」は乗ることができなかった。日本の伝統的な馬術にもさまざまな流派があり、代表的な流派は小笠原流や武田流とされている。
一言で馬術と言っても、さまざまな乗り方がある。また、騎乗する際の格好も多種多様だ。自分の憧れるスタイルで馬術を楽しんでみてはどうだろう。馬術がもっと身近に感じられることは間違いない。