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LPGAステップ・アップ・ツアー期待の選手たち

2018 5/8 16:32hiiragi
原英莉花,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロレックスランキング対象ツアーにまで成長

女子プロゴルフトーナメントのステップ・アップ・ツアーとは、LPGAツアーへの出場資格がない選手や新人に、試合経験を積ませることによるレベルアップを目的として設立されたツアーである。1991年はシーズン2試合、賞金総額3千万円でスタートだったが、2018年には21試合が開催され、賞金総額も4億円を超えるまでに成長した。

2017年には21試合中15試合が3日間大会となり、ロレックスランキング(女子世界ゴルフランキング)の基準である3日間大会10試合以上を満たし、ポイント加算対象ツアーに認可されている。また、2017年シーズンからは制度が大きく変更になり、賞金ランキング制を導入、賞金ランキング上位者には、以下の特典が与えられるようになった。


  • 賞金ランキング1位 翌シーズンのLPGAツアーへのリランキングまでの出場権
  • 賞金ランキング2位~5位 ファイナルQTへの出場権
  • 賞金ランキング6位~10位 サードQTからの出場権

代わりに、これまで優勝者に与えられていた、LPGA4試合への出場権はなくなったが、4試合のスポット参戦では、シード権獲得はまず不可能だった。それよりも、リランキングまでの出場権や、QTでの予選免除のほうが、シード権獲得に向けての可能性はずっと広がる。選手のステップ・アップ・ツアーに取り組む姿勢も変わってきた。

2018年初戦で優勝、ジャンボ尾崎の愛弟子QTランキング117位原英莉花

2018年ステップ・アップ・ツアー初戦、ラシンク・ニンジニア/RKBレディースは、3月27、28日の2日間で行われ、原英莉花選手が優勝を飾った。
原選手は神奈川県横浜市出身、1999年生まれの19歳だ。2015年から尾崎将司選手の指導を受けている。173cmの恵まれた体格から放つドライバーの飛距離は、平均250ヤードと頼もしい。2017年プロテストに挑戦したが、最終日2打届かず合格できなかった。2018年出場権をかけたQTでは、サードQTで敗退となり、ファイナルQTに進めなかった。

2018年シーズンは、TP単年登録者としてQTランキング117位の資格で参戦している。主催者推薦で出場したアクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIでは、優勝争いを演じ一躍注目選手に躍り出た。
そのせいか、LPGAへの推薦出場が多く、ステップ・アップ・ツアーには4月28日の4戦終了時点で優勝した1試合にしか出場していない。賞金ランキングは5位に着けているが、今後の追い上げに期待したい。

着実に実力アップ、第2戦で優勝、QTランキング67位上原美希

4月4日~4月6日の日程で行われた第2戦Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournamentは、沖縄県出身の29歳上原美希選手が優勝に輝いた。2010年プロテストに合格を果たして、これまでLPGAツアーでの優勝経験はなく、シード入りの実績もないが、2016年は20試合の出場で、賞金ランキング61位に入っている。

ステップ・アップ・ツアーでは、2016年2017年と1勝ずつを挙げており、着実に力を付けてきたのがわかる。これからの活躍が期待できそうだ。2018年シーズンはQTランキング67位の資格で参戦しているが、今回の優勝で、ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング1位から来季前半の出場権獲得への道も見えてきた。

LPGAツアーへの復帰を目指す、QTランキング145位高木萌衣

4月18日~20日の日程で行われた第3戦パナソニックオープンレディースに優勝したのは、大阪府出身21歳の高木萌衣選手だった。高木選手は2015年プロテストに合格したが、ステップ・アップ・ツアーに出場したのは2015年のみで、2016年、2017年は1度も出場していない。というより、出場する必要がなかったのだ。

2016年はQTランキング26位の成績で、LPGAツアーに33試合出場している。結果は、予選落ちが多く賞金ランキング103位に終わったものの、2016年のQTを35位で通過、2017年は32試合に出場した。しかし、賞金ランキングは96位に終わり、QTでもファイナルに進めなかった。

QTランキング145位で参戦している2018年シーズンは、ステップ・アップ・ツアーへの出場権も微妙な位置ではあったが、この優勝で残り試合の出場権は獲得した。4試合終了時点の賞金ランキングは2位、来季のLPGAツアーへの復帰に前進した。

攻めの気持ちで優勝、QTランキング68位蛭田みな美

4月26日~28日の3日間行われた第4戦、九州みらい建設グループレディースゴルフトーナメントは、福島県出身の20歳蛭田みな美選手が優勝を果たした。
蛭田選手は2016年プロテストに合格、2016年のQTを23位で通過し、2017年はLPGAツアー34試合に出場。ヨネックスレディスゴルフトーナメントでは2位タイに入った実績を持っているが、賞金ランキングは70位に終わり、シード権獲得はならなかった。

2017年のQTは、68位に終わり、ステップ・アップ・ツアー2戦目で優勝を果たした。アマチュア時代、2度、ステップ・アップ・ツアーのプレーオフで敗れている。最終日は特に攻める気持ちが大事と自分に言い聞かせて、そのとおりのプレーができた。