初優勝が2人、日本人選手奮起
2018年女子プロゴルフツアーも4月に入り、見ごたえのある熱戦が展開された。開幕からの5戦までは海外勢が4勝を挙げているものの、それ以降の大会では期待に応え日本勢も頑張りを見せている。
4月1日に最終日を迎えた4日間競技、ヤマハレディースオープン葛城では、最終日首位から4打差の3位タイで出たアン・ソンジュ選手が菊地絵理香選手に逆転し、通算25勝目となる今季2勝目を飾った。
翌週のスタジオアリス女子オープンでは鈴木愛選手が逃げ切りで今季2勝目を飾り、KKT杯バンテリンレディスオープンでは比嘉真美子選手が12位タイからの大逆転で通算4勝目を挙げた。
続くフジサンケイレディスクラシックでは、永峰咲希選手が菊地絵理香選手とのプレーオフを制し初優。さらに4月最後のサイバーエージェントレディスゴルフトーナメントでも、プロ2年目を迎えた新垣比菜選手が2017年プロテスト合格組のトップを切って初優勝を手に入れた。
ポイントはパット。フジサンケイレディスクラシックで初優勝永峰咲希
永峰選手は1995年4月28日生まれ、宮崎県の出身。22歳最後の試合となったフジサンケイレディスクラシックで初優勝を飾った。高校時代はナショナルチームで活躍を続け、2011年台湾アマチュアゴルフ選手権で優勝。2012年全国高等学校ゴルフ選手権春季大会で優勝を飾り、2014年のプロテストに合格。
プロ入り後、2014年のQTを37位で通過。2015年は33試合に出場しており、トップ10入が8回。賞金ランキング39位で見事シード権を獲得し、以降3年連続で同権利を獲得している。
初優勝のチャンスは、2017年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントで訪れた。しかし、1位タイで迎えた最終日、勝負どころのパットを決めることができず、3位タイに終わった。
今回のフジサンケイレディスクラシックでは、最終日を首位と3打差の5位で迎え終盤逆転に成功。最終18番の2パットで優勝という場面を3パットにしてプレーオフにもつれ込んだ。そのプレーオフでも2ホール目に長い下りのパットが残ったが、ここをしっかり1パット圏内に寄せて初優勝を勝ち取った。
初優勝も遠くない、TP単年登録で参戦権藤可恋
KKT杯バンテリンレディスオープンでは、選手が優勝争いを演じ注目を集めた。権藤選手は佐賀県出身の23歳で、永峰選手とは同じ九州で同学年としてしのぎを削った。2012年全国高等学校ゴルフ選手権夏季大会で優勝を飾っている。
2014年プロテストを受験したが失敗に終わり、同年のQTを54位で通過しTP単年登録でツアーに参戦。2015年に9試合、2016年には19試合と出場機会も増えた。
また2017年にはQTランキング30位の資格で34試合に出場し、賞金ランキングは80位という結果に。しかし同年のプロテストは受験しなかった。
規定変更でツアー優勝、もしくはシード権を獲得すれば会員にはなれる。フル参戦で自信もつき、2018年はQTランキング4位の資格で参戦している。
3月のTポイントレディス ゴルフトーナメントでプロ初のトップ10に入ると、4月のKKT杯バンテリンレディスオープンでは、最後まで優勝戦線に踏みとどまり、3位タイに食い込んだ。続く2試合でも7位タイ、11位タイと上位でフィニッシュ、シード権は勿論、初優勝も現実味を帯びてきた。
2017年プロテスト合格組のトップを切って優勝、黄金世代新垣比菜
サイバーエージェント レディスゴルフトーナメントでは、2017年プロテスト合格組のトップを切って、新垣比菜選手が優勝に輝いた。新垣選手は2017年高校卒業の、いわゆる女子ゴルフ黄金世代だ。
同期には、日本女子オープンをアマチュアで制して、現在USLPGAツアー参戦中の畑岡奈紗選手や、15歳でKKT杯バンテリンレディスオープンに勝った、勝みなみ選手などがいる。
自身もアマチュア時代の2015年、ステップ・アップ・ツアー開幕戦、ラシンク・ニンジニア RKBレディースで優勝を飾り、LPGAツアーでは、アマチュア初となる3試合連続トップ10に入るなどの実績を持っている。しかしながら2017年のQTは45位に終わり、限定的な出場資格しか取れていなかった。
だが今回優勝したことで、2019年末までの出場権獲得となりシード権の心配がなくなった。