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小平智が優勝! 世界最高峰USPGAツアーとは?

2018 5/1 13:34hiiragi
小平智
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Ⓒゲッティイメージズ

簡単ではないUSPGAツアーへの出場資格

小平智がUSPGAツアーRBCヘリテージで優勝を果たした。この優勝で2019年マスターズの出場権を確定させると共に、USPGAツアーの2019-20年シーズンの出場権を手に入れた。今回、優勝という一番手っ取り早い方法で出場権を手に入れたが、これは稀なケース。2013年クォリファイングトーナメントが廃止され、新規に出場権を獲得するには、出場できる試合にスポット参戦を続けながら、ポイントを積み上げるしかない。

このポイントはフェデックスポイントといわれ、試合毎に順位により付与される。シーズン合計で125位のツアー選手相当以上のポイントを獲得すれば、翌シーズンの出場権が与えられ、200位相当以上で、ウェッブドットコムツアー(USPGAツアーの下部ツアー)のファイナル4戦に出場できる。この4戦はUSPGAツアーとウェッブドットコムツアーの入れ替え戦になっていて、ここで25位以内に入れば、翌シーズンの出場権が手に入る。

小平の場合、これらのプロセスを全部飛ばして2シーズン先までの出場権を手に入れた。来シーズンはシード権の心配をしなくてもいい。じっくりとツアーに取り組んで欲しい。

相次ぐ日本人選手の撤退で、寂しくなったUSPGAツアー

ここ数年、USPGAツアーから日本人選手の撤退が相次いだ。中学時代にアメリカに渡り、そのままUSPGAツアーでデビューを果たして、日本人3人目となる優勝を挙げた今田竜二が、2012年にフルシード権を喪失。2015年ウェッブドットコムファイナルを勝ち抜いて、出場権をつかんでいた岩田寛が、2016-17年シーズンは10試合の出場で姿を消した。

さらに、2012年18試合の出場で、125位相当以上の賞金額を積み重ね、出場権を獲得、2013年からUSPGAツアーに本格参戦をしていた石川遼が、2016-17年シーズンで出場権を維持できず、2018年からは日本ツアーへの復帰を決めている。USPGAツアーを主戦場として頑張っているのは、松山英樹だけという、寂しい状況だった。

フェデックスカップ年間王者には1000万ドルのボーナスを支給

USPGAツアーの2017-18年シーズンは、2017年10月5日開催のセーフウェイオープンで幕を開けた。その後、各地で熱戦を繰り広げ、2018年8月16日開催のウィンダム選手権でレギュラーシーズンが終わると、年間王者を決めるフェデックスカップ・プレーオフ4試合が開催され、9月28日~9月30日までのライダーカップで幕を閉じる。

2012年まではカレンダーどおり、1月~12月だったのを、年間王者の決まるフェデップスカップ・プレーオフをシーズンの終わりに置くことで、ツアーも盛り上がり、年間王者の意味合いも分かりやすくなった。そのプレーオフには、レギュラーツアー終了時点のフェデックスポイント上位125名が出場できる。

フェデックスポイントは、それぞれの試合の格によって与えられるポイントが決まっている。メジャーの優勝者には600ポイント、世界選手権は550ポイント、メジャーや世界選手権の同周開催試合には300ポイント、その他の試合には500ポイントといった具合だ。2位以下には優勝ポイントを元にそれぞれの順位によって配分される。

上位125名で年間王者を争うプレーオフは、全員に年間王者の可能性が出るように、優勝者には2000ポイントが与えられる。そして2試合目には100名、3試合目には70名と出場者が少なくなり、最終のザ・ツアー選手権では30名に絞られ、この中から年間王者が決定して、1000万ドルのボーナスを獲得する。2017年はジャスティン・トーマス選手が年間王者に輝いている。