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重永亜斗夢ツアー初V 故郷への思い力に

2018 4/26 15:57hiiragi
重永亜斗夢
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Ⓒゲッティイメージズ

3日目の猛チャージでつかんだツアー初優勝

ゴルフトーナメント開幕戦の東建ホームメイトカップが4月12日~15日に行われ、重永亜斗夢(しげなが あとむ)選手が初優勝。4打差2位から優勝を狙った石川選手は1打差まで詰め寄ったが、逆転優勝には届かず2位に終わった。

初日8アンダーで首位スタートを切った石川選手を、7アンダーの重永選手が追う展開に。2日目は11アンダーまでスコアを伸ばして2位に4打差をつけた石川選手に対して、重永選手は6アンダーに落として4位まで後退した。ここまでの勢いと実績から、優勝は石川選手に傾いたと思われた。

しかし、3日目に重永選手の猛チャージが始まる。前半3バーディで勢いをつけると、後半は4連続を含む8バーディ、ノーボギーで、自己ベストの63をマーク。この日1打スコアを落とした石川選手に4打差をつけて、首位に躍り出た。

さすがに最終日は、3日目のようなゴルフができなかった。1番ホールでバーディを奪ったものの6番でダブルボギーを叩き、7番と9番でもボギー、前半を終わって石川選手との差は1打に縮まった。 後半はパーを重ね、1打差のまま迎えた17番ロングホールで2オンに成功。ここを2パットのバーディとして、重永選手が1打差で逃げ切った。

2年越しの悲願を叶えて優勝、届けた熊本地震被災者への思い。

重永選手は熊本県出身の29歳。シングルハンディだった父親に勧められて9歳でゴルフを始めた。亜斗夢(あとむ)という名前は手塚治虫氏の漫画「鉄腕アトム」からで、アトムのように10万馬力でアジア一番になって欲しいと願いを込めて父親が命名したそうだ。

日本大学へ入学した翌年に中退し、プロに転向したが左手首を痛めたため、ほとんど試合に出られなかった。2012年にQT3位に入り、2013年の東建ホームメイトカップでは初日に1位タイのスタートを切り注目される。この年は15試合中8試合で予選通過を果たしたものの、賞金ランキングは96位に終わりシード権は獲得できなかった。

QT1位で臨んだ2014年は賞金ランキングも65位に浮上して、翌年のシード権を獲得。以降4年連続で賞金ランキングによるシード権を獲得している。
2016年の東建ホームメイトカップは、熊本地震が発生した4月14日に開幕。初日は同郷の永野竜太郎選手とともに首位に立ったが、最終日最終組で回りながら4位に沈んだ。初優勝できなかった悔しさよりも、熊本の被災者を元気づけることができなかったのではないか……ということの方が気になったという。
それから2年、同じ大会で優勝を飾り重永選手の思いは故郷に届いた。