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開幕から1か月期待の新人も登場! 女子プロゴルフツアー3月のレビュー

2018 4/2 12:14hiiragi
鈴木愛
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Ⓒゲッティイメージズ

実力者が優勝を飾る一方で、シード権のないベテラン勢も活躍

2018年女子プロゴルフツアーも3月の4試合を消化。初戦のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント、2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップでは、イ・ミニョン、アン・ソンジュの韓国勢が連続で優勝を飾り、今年も韓国勢強しの印象を与えた。

初戦3位タイ、2戦目プレーオフまで進み2位と、後少しで優勝に届かなかった昨年の賞金女王鈴木愛は、3戦目のTポイントレディスゴルフトーナメントで今季初優勝を飾り、賞金女王連覇に向けて良いスタートだ。4戦目のアクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIでは、台湾のフェービー・ヤオが4年振りの優勝を飾り、4試合中3試合は海外勢が優勝を占める。

また今シーズン、シード権のない横峯さくらや諸見里しのぶが限られた出場試合で上位に入り、リランキング後の出場権を早々と確定。一方で2015と2016年の賞金女王イ・ボミは、4試合中2試合で予選落ちと苦しいスタートを切ることに。

7年連続プレーオフで決着、ヨコハマタイヤゴルフトーナメント

2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップは、女子ツアー記録が2012年~2017年までと、6年連続プレーオフが続いている不思議な大会だ。今年もトップを走っていたアン・ソンジュが17番でボギーを叩き、鈴木が上がり3ホールを全てバーディにして追いつくという筋書きがあるような展開でプレーオフに突入。これによって連続記録を7年まで伸ばしたことになる。

プレーオフはアン・ソンジュが制して24勝目を挙げた。しかし大会では、あまり聞き慣れない名前のカリス・デイビッドソンが9位に入り、注目を集めていた。デイビッドソンは、オーストラリアのクイーンズランド州ゴールドコースト出身の19歳だ。アメリカツアーの選択肢もあったようだが、友達の多い日本でプレーしたいと2017年のQTを11位で通過し、リランキングまでの出場権を手に入れた。

プロ3戦目で最終日最終組、TP単年登録で戦う三浦桃香

3戦目のTポイントレディス ゴルフトーナメントは、雨のため初日が中止。3日間54ホールから2日間36ホール競技に短縮され、賞金加算額も75%に減額されることに。これで初戦に続き3試合中2試合が短縮競技になったので、リランキング争いにも影響を与えそうだ。

試合は鈴木愛が1日目のリードを保ち逃げ切り、今季初優勝を果たした。しかし、初日無名の三浦桃香(みうら ももか)が4アンダーで回り、首位と2打差の3位タイに入り注目される。

宮崎県出身の三浦は19歳になったばかりのプロだが、昨年のプロテストには1打差で合格できなかった。それでもQTを34位で通過し、TP単年登録者としてツアーに参加している。最終日は最終組で回り、優勝を狙ったものの6オーバーと崩れて22位タイに終わった。身長は169cmあり、均整の取れた体格からのビッグドライバーが魅力の選手だ。

4年振り2勝目、台湾出身フェービー・ヤオ

4戦目のアクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIでは、先週注目を集めた三浦がまたしても最終日、最終組で回った。しかも今回は2日目を終わり、2位に1打差を付けての単独首位でのラウンドだ。先週の経験が生きたのかバックナインの15番までは優勝争いに踏みとどまり、一時は期待が高まった。しかし、上がり3ホールで4打失い10位まで後退してしまった。

代わって優勝戦線に躍り出たのが、比嘉真美子とフェービー・ヤオだ。両者12アンダーで並びプレーオフにもつれ込んだが、3ホール目にヤオ選手がバーディを奪い決着がついた。

台湾の出身のヤオは、25歳だ。2010年までアマチュアとして台湾で活躍していたが、2011年にプロへ転向。日本のQTを43位で通過し、2012年から日本ツアーに参戦している。2012年は賞金ランキング57位でシード権には届かなかったものの、2013年には45位でシード入りを果たす。2014年にはフジサンケイレディスクラシックで初優勝に輝いており、今回の優勝は4年振りの2回目となる。

日本人選手にとっては、また一人強敵があらわれたということになる。