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もうすぐマスターズ!グリーンジャケットに触りかけた日本人選手

2018 3/9 11:31hiiragi
松山英樹
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初出場で10アンダー4位タイ、日本人選手最高記録を更新した伊澤利光

伊澤利光選手は1968年生まれの神奈川県出身、8歳の頃よりゴルフを始めた。1986年朝日杯争奪日本学生選手権、1988年関東アマチュアで優勝を飾る活躍を見せると、1989年にプロへ転向。アメリカで4年間ミニツアー修行を積んだのち、1994年から国内ツアーに参戦するものの、賞金ランキング90位と結果は残せなかった。

翌1995年には、日本オープンゴルフ選手権競技で初優勝を飾り、賞金ランキングも33位に上昇。シード権を獲得すると、1998年には11位、2000年には4位と賞金ランキングを上げ、2000年末の世界ランキングも55位まで上昇、マスターズ出場への可能性が膨らんだ。

2001年は、2月末に開催されたアメリカツアーのニッサンオープンに出場して、6人で争われたプレーオフまで残り、優勝こそ逃したが世界ランキングを上げてマスターズへの出場権を獲得した。

初出場となった2001年マスターズ初日を1アンダーの21位タイでスタートを切ると、2日目に6アンダーで回り首位に3打差の4位タイまで急浮上をし、優勝争いに加わった。ところが3日目は、ボギーが先行する苦しいゴルフとなり、スコアを2つ落として16位まで後退。この時点で首位とは7打差となり、上位進出は難しいと思われた。

しかし伊澤選手は諦めなかった。最終日は2日目同様好調なゴルフを展開してスコアを5つ伸ばし、トータル10アンダーで4位タイまで順位を上げたのだ。10アンダーも4位もこれまでの日本人最高記録だった。この年は日本ツアーでも好調で、17試合に出場して優勝に5回輝き賞金王を獲得した。

首位と2打差、本当にあと少しだった片山晋呉

片山晋呉選手は1973年生まれの茨城県出身。ゴルフを始めたのは2歳からと早く、ゴルフの名門校水城高等学校から、日本大学に進み活躍を続けた。1991年~1994年までナショナルチームに所属し、1994年に日本学生ゴルフ選手権競技で優勝を果たしたのち、1995年にプロ転向。

1997年には賞金ランキング55位でシード権を獲得し、1998年のサンコーグランドサマーチャンピオンシップで初優勝。以降毎年優勝を重ね、2008年に日本オープンゴルフ選手権で国内ツアー25勝目を飾り、7人目となる永久シードを獲得した。

この間、2000年には初の賞金王を最終戦の優勝による逆転で獲得すると、2004年~2006年にかけて3年連続賞金王に輝くなど、2008年と合わせ5回賞金王に輝いた。勿論マスターズへの出場も多く、2001年の初出場から2010年までに、9回出場している。

8回目の出場となった2009年のマスターズ。前年は、賞金王にもなり永久シードも獲得し片山選手は、一種の燃え尽き症候群に陥った。しかし、手元に届いたマスターズの招待状が片山選手の気持ちを変え、マスターズに出場できなくて悔しい思いをした自分を思い出し「マスターズで戦いたい」「戦うからには結果を残したい」そんな思いが強くなったようだ。

初日は5アンダー4位タイのスタートとなり、2日目は1オーバーだったが6位タイで決勝に進んだ。3日目は2アンダーで回り、トータル6アンダーの首位とは5打差の6位タイで最終日を迎えた。そして最終日は4アンダーのプレーで追い上げたが、2打足りずプレーオフには残れず、首位と2打差の4位という結果だった。

2016年絶好のチャンスをつかみ損ねた松山英樹

松山英樹選手は1992年生まれの愛媛県出身。4歳でゴルフを始め、高知県の明徳義塾高等学校から東北福祉大学に進み、2008年全国高等学校ゴルフ選手権優勝。2010年、2011年アジアアマチュア選手権連覇、2011年日本学生ゴルフ選手権競技優勝などアマチュアの大会で活躍をする一方、2011年に男子プロゴルフトーナメントの三井住友VISA太平洋マスターズで優勝を飾り、倉本昌弘選手、石川遼選手に次ぐアマチュアでのプロゴルフトーナメント制覇を成し遂げた。

また、アジアアマチュア選手権優勝で翌年のマスターズ出場権を獲得して、2011年、2012年のマスターズに連続出場を果たし、2011年には27位に入りベストアマチュアを獲得した。2013年にプロ転向の後は、初年度に賞金王に輝き2014年からはアメリカツアーを主戦場にしている。マスターズにはアマチュアで連続出場の後、2013年は出場できなかったが、2014年にはプロで初出場を果たし、2015年には3日目の10位から最終日追い上げて5位に食い込んだ。

2016年は、初日1アンダーで首位と5打差の13位タイから2日目をパープレーで回り首位と3打差の5位タイに浮上すると、3日目もパープレーで回り、首位と2打差の3位タイまで順位を上げて、最終日を迎えた。首位は連覇を狙うジョーダン・スピース選手で、初日こそ6アンダーの完璧なプレーで首位に立ったが、2日目2オーバー、3日目1オーバーとスコアを落としていた。松山選手にもチャンスは十分にあると思われたのだが、最終日スコアが伸ばせない。

前半からスコアを崩し、後半立て直したものの1オーバーで回り、トータルイーブンパーの7位タイまで順位を下げた。優勝は最終日5位タイから出て5アンダーで回ったダニー・ウィレット選手が獲得、ジョーダン・スピース選手は1打落とし2位タイに終わった。後一つ歯車が噛み合えばと思えるマスターズだった。2017年は初日54位タイから最終日5アンダーで回り11位タイで終わっている。2018年に期待したい。