トップアマからプロテストに合格
比嘉真美子選手は1993年生まれ、沖縄県出身のプロゴルファー。ゴルフとの出会いは11歳の頃、父親に進められてクラブを握り、めきめき頭角を現した。
中学生になると全国レベルの大会で優勝を重ね、高校生では日本女子アマチュアゴルフ選手権競技も制した。主な優勝歴は次の通り
・2008年全国中学校ゴルフ選手権夏季大会
・2009年全国中学校ゴルフ選手権春季大会
・2009年九州ジュニアゴルフ選手権女子15~17歳の部
・2010年全国高等学校ゴルフ選手権九州大会
・2010年全国高等学校ゴルフ選手権春季大会
・2010年日本ジュニアゴルフ選手権競技女子15歳~17歳の部
・2011年日本女子アマチュアゴルフ選手権競技
・2012年日本女子アマチュアゴルフ選手権競技
日本女子アマチュアゴルフ選手権競技の2連覇は史上7人目、日本ジュニアゴルフ選手権競技と日本女子アマチュアゴルフ選手権競技どちらも制した選手は、紫垣綾花選手、宮里藍選手、宮里美香選手に次ぐ史上4人目の快挙となった。
2012年プロゴルフテストを受験。実績からしてトップ合格が期待されたが、8位タイでの合格となり、プロゴルファーとしてのスタートを切った。
ちなみにこの年のプロゴルフテストトップ合格者は東浩子選手、同期には渡邉彩選手、香葭葉ルミ選手などがいる。
プロ1年目ステップ・アップ・ツアーで初優勝
プロデビュー戦は2012年8月のニトリレディスゴルフトーナメントだった。
プロテストトップ合格者にはその年の残りのトーナメントほとんどの出場権が与えられるが、それ以外の選手には推薦枠が3試合与えられるだけだ。1試合もおろそかにはできない。
初日10番ホールからスタートすると10番、11番で連続バーディと上々のスタートを切った。しかし13番ミドルホールではティショットを林に打ち込みダブルボギー、さらに15番ミドルホールではティショットを池に打ち込み8打を叩くと、そのままスコアを崩し初日は5オーバー97位タイのスタートとなった。
挽回を期して臨んだ2日目もスコアを返すことはできず4オーバー、トータル9オーバーの100位タイで予選落ちを喫した。しかし悪いことばかりは続かない。
9月に行われたステップ・アップ・ツアーごうぎんDuoカード・レディーストーナメントでは、下部ツアーとは言えプロ初優勝を飾り、富士通レディースから4試合のレギュラーツアー出場権を獲得した。
その富士通レディースでは初日1オーバー38位タイと出遅れたが、2日目5アンダー、最終日2アンダーの好スコアを出し、3位タイまで順位を上げた。2012年はプロとして5試合に出場賞金ランキングは83位だった。
2013年はレギュラーツアーで2勝を挙げる
2013年の出場権をかけて行われたQT(クォリファイングトーナメント)は10位で通過、ほぼ全試合の出場権を手に入れた。
そして意気揚々と臨んだ2013年シーズンだったが、初戦ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントは予選落ち、2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップでも予選落ちと最悪のスタートになってしまう。
そしてヤマハレディースオープン葛城が始まった。初日は3アンダー69で回りまずまずの位置につけるものの2日目は2オーバーを叩き24位まで順位を下げた。3日目は1アンダーで回り12位タイと上位を狙える位置まで順位を上げる。
首位は5打差の7アンダーで日本ツアー参戦3年目の韓国出身イ・ボミ選手。2012年3勝を挙げ賞金ランキング2位と売り出し中の選手だ。このまま優勝は決まるのかと思えた。ところが最終日は強風が吹く。上位陣は軒並みスコアを崩し、優勝戦線から脱落。2アンダーで回った比嘉選手は4アンダーでホールアウト。
最終日スコアを伸ばしたのは大江香織選手。テレサ・ルー選手とのプレーオフを制し、初優勝に輝いた。
2013年は6月初めに行われたリゾートトラストレディスでも優勝を飾り賞金ランキングでも8位に躍進、前途洋々かと思われた。
不調からシード権喪失
2014年シーズンの出足も悪くはなかった。国内初戦となったダイキンオーキッドレディスでは、最終日追い上げて2位タイに入る上々の滑り出しを見せると、4月のフジサンケイレディスクラシックでも最終日に追い上げ、2位タイに入った。
特にフジサンケイレディスクラシックでは最終日イーブンの24位タイからスタートすると、前半で3番から9番までを7連続バーディと爆発し、一時は首位をとらえる猛追を見せる。後半スコアを伸ばせず優勝はできなかかったが、いつ優勝をしてもおかしくないと思わせた。
しかしシーズン中盤から後半にかけては、勢いが続かない。予選落ちも多くなり思うような成績は残せなかった。結局2014年シーズンは国内28試合に出場、予選落ち10回で賞金ランキングは45位まで後退してしまった。
2015年は試練の年となった。得意だったはずのドライバーショットが曲がってしまうのだ。ドライバーショットを飛ばしてコースをねじ伏せる、そんなゲームの組み立てたができなくなってしまった。結果は17試合連続予選落ち。
2015年は32試合に出場、23試合に予選落ちを喫し棄権が1試合、決勝進出は8試合で、賞金ランキングは95位という厳しいものだった。
不調からの脱出、4年ぶりに挙げた3勝目
2015年末に行われたQTは18位で通過、2016年シーズンのほぼ全試合の出場権を獲得した。一発勝負のQTではドライバーを使わなかったのだ。
しかし、ドライバーを諦めるつもりはみじんもなかった。ドライバーの飛距離を武器にゲームを組み立てる。比嘉真美子のゴルフスタイルはドライバー抜きでは考えられない。自分のゴルフを取り戻す戦いが始まった。
そんな中に開幕した2016年シーズンは33試合に出場。予選落ちが17試合あったが、シーズン後半にはベスト10に入る試合も増え、最終戦、大王製紙エリエールレディスオープンでは4日間とも60台の23アンダーで2位に入り、復活を印象付けた。2016年は賞金ランキングでも34位に入り、シード権も復活。2017年シーズンに向けて期待を抱かせた。
2017年シーズンは予選落ちも数試合はあるものの、ベスト10に何試合かは顔を出している。そして、8月に行われたNEC軽井沢72ゴルフトーナメントを迎えた。
初日単独首位に立つも2日目キム・ハヌル選手に並ばれると、最終日も同スコアで上がりプレーオフへともつれ込んでしまう。キム・ハヌル選手が久々の優勝を意識するのではないかと心配されたが、比嘉選手が、プレーオフ1ホール目のセカンドショットをピンそば約30㎝に着け、勝負を決めた。