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ゴルフ史に刻んだ起死回生のアンプレヤブル!2017年全英オープン

2017 9/13 14:03hiiragi
ジョーダン・スピース選手
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実力者ぞろいの出場で期待を持たせた日本人選手

2017年全英オープンゴルフは、7月20日~7月23日の4日間イングランドの ロイヤルバークデール・ゴルフクラブで行われた。10回目の開催となるこのコースは、前回2008年大会の優勝スコアが3オーバー、その前の1998年大会の優勝スコアはイーブンパーと、全英でも屈指の難コースだ。

日本人選手は、世界ランキング2位の松山英樹選手を筆頭に、欧州ツアーで結果を残している谷原秀人選手、2016年賞金王池田勇太選手、2017年賞金ランキングトップを走る宮里優作選手の4名が出場した。日本人ゴルファーベスト4とも言えるような豪華な顔ぶれで、上位進出を期待させた。特に松山選手は、6月に行われた全米オープンで2位タイに入る活躍を見せ、日本人初のメジャー制覇への可能性も高い。

外国人選手では全米オープンでは予選落ちを喫し、直近2試合でも予選落ちと元気のないロリー・マキロイ選手、2016年マスターズの逆転負け以降メジャーで成績を残せていないジョーダン・スピース選手、全米オープンではまさかの予選落ちに終わった世界ランキング1位ダスティン・ジョンソン選手、そして全米オープンで優勝して勢いのあるブルックス・ケプカ選手などに注目が集まった。

イングランドの風に負けた日本人選手、予選通過は松山選手1人だけ

比較的穏やかな1日となった大会初日、松山選手は午前のスタートで、残りの日本人選手は午後のスタートだった。松山選手は1番ホールをバーディで発進すると2アンダーの12位タイとまずまずのスタートが切れた。池田選手は1オーバーの58位タイ、宮里選手イーブンパーの40位タイで1日目を通過した。谷原選手は出だし1番2番と連続ボギーで発進するといいところがなく7オーバー142位タイと出遅れてしまった。

2日目は気象条件が一変し、風速10mを超える風に雨が混じって選手に襲い掛かる。そんな中スタートした池田選手は、2日目だけで9オーバーのトータル10オーバー、宮里選手は12オーバー、谷原選手も12オーバーで予選で姿を消した。午後スタートとなった松山選手は、アウト2バーディ1ボギー、イン2バーディ3ボギー1ダブルボギーの2オーバーとスコアを落としたものの、トータルイーブンパーの10位タイで決勝にコマを進めた。

予選ラウンドを終わって、首位はジョーダン・スピース選手の6アンダー、2位が4アンダーのマット・クーチャー選手、ブルックス・ケプカ選手は3アンダーで、イアン・ポールター選手と並び3位タイだった。予選カットラインは5オーバーまで下がり、61タイまでの77名が決勝に進んだ。

ムービングサタデー、優勝の可能性を残した松山英樹選手

3日目は一転穏やかな気候になった。予選の2日間で出遅れた選手は、優勝争いができる位置まで順位を上げようとアグレッシブなプレーを展開する。3日目がムービングサタデーと呼ばれるゆえんだ。

そんな中ブランデン・グレース選手が8アンダーで回りメジャー最少ストローク62を達成した。ダスティン・ジョンソン選手は、3オーバーから3アンダーへとスコアを伸ばし、単独首位でスタートを切ったジョーダン・スピース選手も、アウトで3個インで2個のバーディを奪い、通算11アンダーで首位を守った。2位のマット・クーチャー選手は、16番でダブルボギーを打ちながらも4打伸ばし、トータル8アンダーで2位の座を譲らない。ブルックス・ケプカ選手は、2打伸ばし、5アンダーで3位タイと最終日の逆転を狙う。

イーブンパーからスタートを切った松山選手は、4番ショートホールでボギーが先行したものの、続く3ホールで連続バーディを奪いアウトを2アンダーで乗り切ると、インに入っても2バーディを奪いトータル4アンダーで5位タイにつけた。首位とは7打差に開いたが、バラついたというショットが元に戻り、好調なパットとかみ合えば十分に優勝の可能性は残されている。

出だしの一振りで優勝争いから脱落した松山英樹選手

最終日松山選手は、3日目62をマークしたブランデン・グレース選手とのペアリングで、後ろから3組目でスタートを切った。その1番448ヤードミドルホール。本人曰く、「いい感じで振ったつもり」のボールが大きく右に曲がってしまい、OB柵を超えてしまう。このホールはトリプルボギーとなり、優勝は絶望的となった。

そして最終組がスタートをするが、ジョーダン・スピース選手の様子がどうもおかしい。1番ホールをボギーとすると3番4番でも連続ボギーを叩き、アウトは1バーディ4ボギーで3打落としてしまう。2位のマット・クーチャー選手も2バーディ2ボギーでスコアを伸ばせない。アウトを終わって首位は8アンダーまで下がり最後の9ホールに突入した。

13番ホール499ヤードミドルホール。ジョーダン・スピース選手のボールは大きく右に曲がってしまい、小高い丘の向こう側の斜面に止まった。急斜面と深いラフでボールは打てないため、アンプレヤブル宣言をするが、救済場所の2クラブレングス以内には適当な場所がない。ピンとボールを結んだ後方延長線上はクラブメーカー各社のトラックが止めてあり、その後方はドライビングレンジになっている。結局ドライビングレンジを救済場所に選択、トラックを避ける位置までボールを動かしてプレーを再開した。

流れを変えたアンプレヤブルのボギーセーブ、ジョーダン・スピース選手

こうなると他のプレーヤーにも可能性が見えてきた。最終日1オーバー29位タイからスタートした中国出身の李昊桐(Haotong Li)選手は、ボギーなしの7バーディで回りトータル6アンダーでホールアウト、プレーオフに備えて練習を開始した。2アンダー11位タイからスタートしたロリー・マキロイ選手は3アンダーで迎えた17番ロングホールでイーグルを決め5アンダーまでスコアを伸ばし最終18番に望みをかけた。

そんな中ジョーダン・スピース選手は、ドライビングレンジからの第3打をグリーン右手前のガードバンカーすぐ後ろまで運び、ボギーで切り抜けた。この時点でマット・クーチャー選手8アンダー、ジョーダン・スピース選手7アンダー、李昊桐選手6アンダーと先の読めない展開となった。

しかしここからジョーダン・スピース選手のゴルフが一変する。14番ショートホールで2mのバーディを決めて首位に並ぶと、15番ロングホールでは15mのイーグルを決めて再び単独首位に躍り出た。さらに16番、17番でもバーディを奪い、12アンダーまでスコアを伸ばし勝負を決めた。
マット・クーチャー選手も15番、17番でバーディを奪いよく粘ったが最後は勢いに飲み込まれた形で力尽きた。

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