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初優勝も間近、実力派若手女子プロゴルファー堀琴音

2017 9/13 14:03hiiragi
堀琴音選手
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アマチュアで活躍プロの道へ

堀琴音選手は1996年生まれ、徳島県出身の女子プロゴルファー。父親の勧めでクラブを握ったのは7歳の頃、特に早いという訳ではないが、小学生の頃より全国レベルの大会に数多く出場、活躍を見せた。

・2010年四国ジュニアゴルフ選手権女子12~14歳の部で優勝。
・2011年関西ジュニアゴルフ選手権で優勝。
・2011年第66回国民体育大会優勝。
・2013年日本ジュニアゴルフ選手権競技女子15歳~17歳の部で優勝。

特に2013年の日本ジュニアゴルフ選手権競技は3日間とも60台で回り、13アンダーと2位に7打差をつけるぶっちぎりの優勝だった。
また、2012年前期から連続4期ナショナルチームの1員となり、2012年世界女子アマチュアゴルフチーム選手権個人8位タイ。
2013年ネイバーズトロフィーチーム選手権女子個人5位タイに入るなど海外での試合経験も豊富だ。

2014年はプロテスト受験前にステップ・アップ・ツアーのABCレディースに出場、優勝を果たしている。
2014年プロテストを受験3位で合格を果たし、86期生としてプロゴルファーの道を歩き始めた。

プロ1年目ステップ・アップ・ツアーで優勝

2014年プロ初戦はmeijiカップだったが予選落ちに終わり、続くNEC軽井沢72ゴルフトーナメントも決勝に進むことはできなかった。実は、2014年はプロテスト前にレギュラーツアー6試合に出場して4試合で予選通過、うち3試合はベスト10に入っている。プロになって初めて臨んだ試合で意識したのだろうか、想定外の連続予選落ちだった。

3試合目となった日本女子オープンゴルフ選手権競技へは、予選を勝ち抜いて出場権を手に入れた。初日67位タイスタートで3試合連続予選落ちかと思われたが、2日目よく立て直し、26位タイで予選を通過、最終的には16位タイまで順位を上げた。これで楽になったのか、続くスタンレーレディスで20位タイに入ると、ステップ・アップ・ツアー最終戦京都レディースオープンで優勝を飾り、2014年2試合、2015年開幕戦から2試合の計4試合のレギュラーツアーへの出場権を手に入れる。

結局2014年はプロとしてレギュラーツアー6試合に出場、4試合で決勝まで進み賞金獲得額は389万7千円で96位だった。そして2015年の出場権をかけたQT(クォリファイングトーナメント)を受験する。

実質プロ1年目でシード権獲得

QTはファースト~サードまでにファイナルを加えた4ステージで競われる。新規会員はセカンドQTから受けなくてはいけないが、ステップ・アップ・ツアー優勝者はセカンドQTは免除される。堀選手はサードQTからの受験となった。サードQTは2位で乗り切ったがファイナルQTの順位は45位だった。この順位は微妙な位置だ。35位前後だとほぼ全試合に出場できるが45位だとはじかれる試合も多く、過去の実績では25~28試合程度しか出場できていない。

そうして2015年シーズンは幕を開けた。2戦目まではステップ・アップ・ツアーの優勝で出場できる。有効に使いたかったところだが2試合とも予選落ちを喫し、最悪のスタートとなってしまった。それでも中盤よく立て直し、5月末の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンでは5位タイ、6月のサントリーレディスオープンゴルフトーナメントでは7位タイとベスト10に顔を出した。

獲得賞金もシード権の目安となる2千万円に10月末のNOBUTA GROUP マスターズGCレディースで到達、11月の伊藤園レディスゴルフトーナメントでは3位タイと大健闘をみせ、来季シード権を確定させた。2015年は33試合に出場予選通過24試合獲得賞金額は2千9百万円強でランキングは33位だった。

掴めなかったチャンス、届かない初優勝

シード選手として迎えた2016年シーズンは予選落ちはあるものの、アクサレディスゴルフトーナメントinMIYAZAKIで3位タイ、アース・モンダミンカップで4位タイと成績も残し、8月には賞金獲得額も2千万円を突破、早々と来季のシード権を確定させ次の目標は初優勝へと絞られた。

チャンスは意外と早く訪れる。9月末に開催された日本女子オープンゴルフ選手権競技では、初日1アンダーの5位タイと好位置でスタートすると、2日目には5アンダーまで伸ばし首位に躍り出た。しかし、3日目にスコアを落とし3アンダー2位タイに下がる。首位は5アンダーでアマチュアの長野未祈選手、2位タイには同期の柏原明日架選手、1打差の4位には韓国の実力者申ジエ選手がつけていた。

最終日長野選手が前半で脱落、柏原選手も荒れたゴルフで姿を消した。申選手もスコアが伸びない。そんな中、最終日1アンダーからスタートしたアマチュアの畑岡奈紗選手が4アンダーまで伸ばしてホールアウトした。堀選手は14番でバーディを奪い4アンダーとして終盤に臨んだ。そして迎えた17番ホールはグリーン手前にクリークのある距離の長いミドルホール。ここを刻んでボギーとした。最終ホールにすべてをかけたがバーディパットは入らず、プレーオフには持ち込めなかった。

その後も富士通レディース3位、TOTOジャパンクラシック3位タイと惜しい試合が続いたが初優勝はならなかった。

はじき返された、全米オープンと全英オープンの初挑戦

2017年は開幕戦予選落ちから始まり、序盤戦は8試合を戦って4試合で予選落ちと順調なスタートは切れなかった。それでも5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで4位タイに入ると、6月初めのヨネックスレディスゴルフトーナメントからは5戦連続でベスト5に入る活躍で復調を印象付けた。この間6月に行われたアース・モンダミンカップでは4位に入り、賞金ランキングを10位まで上げると、上位者の辞退により全英リコー女子オープンの出場権を手に入れた。

堀選手にとっては2016年の全米女子オープンに次ぐ2度目の海外メジャー出場となる。その全米女子オープンではカットラインに6打届かず予選落ちと、まったく歯が立たなかった。今度こそはの思いが強すぎたのかもしれない。直前の国内試合をスキップして臨んだ全英女子オープンでは、初めて経験するという難しいグリーンを攻略しきれず、初日2オーバーでスタートすると、2日目も2-オーバーに終わり、116位タイで予選落ち、十分力を発揮できなかった。

日本から同じく初出場の川岸史果選手が決勝に進む中、悔しい思いをしたが、残りの2017年国内トーナメントでは初優勝目指して頑張ってほしい。