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国内女子ゴルフ、日本人選手が賞金女王を独占していた時代があった

2017 6/30 12:56hiiragi
上田 桃子
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2000年から6年連続賞金女王、絶対的な強さを誇った不動裕理選手

2016年国内女子ゴルフツアー賞金女王は韓国出身のイ・ボミ選手が獲得した。これで2010年からの7年間、賞金女王は2013年の森田理香子選手を挟んで6回が韓国出身選手で占められた。2017年も11戦を終わって韓国出身のキム・ハヌル選手がリードしている。
韓国選手に席巻された感のある国内女子ゴルフツアーだが、それほど遠くない過去には日本人選手が賞金女王を独占していた時代が確かにあった。絶対的な強さで一時代を築いた不動裕理選手と、共に戦い後に続いた歴代賞金女王達の時代だ。
不動選手は熊本県出身で1996年プロテストに合格した68期生。翌1997年には賞金ランキング34位でシード権獲得、1999年に初優勝を挙げると、2000年には6勝を挙げ賞金女王に輝いた。
以降6年連続賞金女王の座に就くが、2003年にはツアー新記録となる年間10勝、2004年には通算30勝を挙げ永久シード権を獲得など、類まれな強さで絶対女王として君臨、付け入るスキを与えなかった。 後に続いた4人も個性派ぞろい。偶然の一致か不動選手含め全員が九州出身だ。

2006年賞金女王は不動裕理選手の7連覇を阻んだ大山志保選手

大山選手は、宮崎県出身。ゴルフは10歳の頃より始め、アマチュアで活躍、1994年の日本女子アマチュアゴルフ選手権競技で優勝をしている。2000年プロテスト合格の72期生。日本大学を中退してプロに転向した。
2002年に賞金ランキング29位でシード権を獲得すると、2003年にはベルーナレディースカップゴルフトーナメントで初優勝を飾る。2005年には最終戦LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで、不動選手と優勝を争い3連覇を阻止した。この試合は、最終日2位に着ける不動選手と3打差の首位でスタートすると、後半3連続バーディで勝負を決めた。最終戦でメジャー初優勝を飾り、賞金ランキングでも3位に躍進、翌シーズンに期待を持たせた。
2006年は4月のフジサンケイレディスクラシックで早々と優勝を飾ると、5月のサロンパスワールドレディスゴルフトーナメントでも優勝を飾り、賞金ランキングでも独走態勢に入る。そして8月には月間3勝を挙げ賞金額も1億円を突破、最終的には1億6千万円を超える新記録で賞金女王に輝いた。

2007年賞金女王は新進気鋭負けず嫌いの上田桃子選手

上田桃子選手は熊本県出身。2005年プロテスト合格の77期生だ。9歳の頃よりクラブを握り、2002年には全国高等学校選手権で優勝を果たしている。プロ転向後はLPGA新人戦加賀電子カップで優勝はするものの、ツアー競技は2試合どちらも予選落ちを喫し、獲得賞金はゼロ円だった。
2006年は34試合に出場、予選落ちが4回あったがベスト10にも顔を出す。賞金ランキングも13位に入りシード権を獲得した。2007年になると例年4月に地元熊本県で行われる、ライフカードレディスゴルフトーナメントで初優勝を飾る。初日から首位を譲らない完全優勝で、ただ1人アンダーパーを記録、2位に6打差をつける完勝だった。2勝目は6月のリゾートトラストレディスで達成する。この試合は不動選手とのプレーオフを制しての優勝だった。
4勝目となったミズノクラシックは日米両ツアーの共同開催試合だ。最終日首位タイスタートすると、7番ロングホールではアルバトロスを達成、そのまま逃げっきって米ツアーでの優勝を決めた。ここで翌年のシード権を獲得して、米ツアーに挑戦することになる。国内では大王製紙エリエールレディスオープンで5勝目を挙げ、最終戦を残して賞金女王に輝いた。歴代賞金女王では最年少、初優勝の年に賞金女王になるのも史上初めてと何重にもうれしい快挙となった。

2008年賞金女王は奇跡的ともいえる古閑美保選手

古閑美保選手は熊本県出身。2001年プロテストに合格して73期生となった。2003年にはヨネックスレディスゴルフトーナメントで初優勝を果たす。その後も優勝を重ね、賞金ランキングも上位に定着、2006年6位、2007年4位と賞金女王も見えてきた。
2008年は秋までに3勝を挙げ、最終戦を残して賞金ランキング3位に着けていた。首位は韓国の李知姫選手、2位は約1616万円差で横峯さくら選手、古賀選手は約2200万円差の3位だった。この試合の優勝賞金は2500万円、2位は1450万円。したがって、最低優勝が逆転の条件になる。さらに李知姫選手の賞金が300万円以下の必要もある。8位の賞金388万円、9位の賞金261万円だから、単独9位以下でないと逆転できない。
最終日は首位と3打差-2の6位タイでスタートを切る。後半スコアを伸ばしたが上がり3ホールを残して-4、この時点で14番ホールを終わった全美貞選手は-8とスコアを伸ばし、このまま逃げ切るかに思えた。古賀選手は17番18番をバーディとして-6でホールアウト、後続を待った。
ゴルフは何が起こるかわからない。16番まで好調なゴルフで首位に立っていた全美貞選手が17番ボギー、18番ダブルボギーで-5までスコアを落としてしまう。これにつられたのか-6で18番を迎えた不動選手の約1mのバーディパットが入らない。入ればプレーオフのパーパットもカップ手前で切れて、古賀選手の優勝が決まってしまった。
李知姫選手は18番のボギーで10位になり、賞金女王の座も古賀選手の上に輝いた。

2009年賞金女王は大接戦を最終戦で制した横峯さくら選手

横峯さくら選手は鹿児島県出身。8歳のころからクラブを握り、ジュニア時代から活躍を見せた。1999年、2002年と日本ジュニアゴルフ選手権競技で優勝している。2004年プロテストに合格、76期生としてスタートを切ると限られた出場機会を活かし賞金ランキング27位でシード権を獲得する。2005年には初優勝を果たし、年間2勝を挙げ賞金ランキング4位へと躍進を遂げた。すぐにでも賞金女王かと思われたが、なかなかチャンスを活かせない。2006年は3勝を挙げるも3位、2007年は3勝を挙げたが2位、2008年は1勝ながら最終戦のチャンスを活かせず3位とあと一歩届かなかった。
そして迎えた2009年、序盤から勝利を重ね9月に行われたマンシングウェアレディース東海クラシックで今季4勝目を飾り、賞金額を1億円に乗せる。当然賞金女王レースも首位独走かと思える成績だが、そうではなかった。若手で成長著しい諸見里しのぶ選手がすでに6勝を挙げ、首位を独走していたのだ。その差は約4400万円。それでもこの優勝で3000万円差に詰めると伊藤園レディスゴルフトーナメントで5勝目を挙げ、残り2戦に望みを託す。
最終戦、諸見里選手との差は約540万円まで縮まっていた。
最終戦はまれにみる大混戦で、お互いに優勝のチャンスはあったが、横峯選手が1打差で振り切って優勝。賞金女王も獲得した。
しかし、翌2010年からは韓国人選手に3連覇を許し、2013年の森田理香子選手を挟み2014年からはもう一度3連覇を許してしまう。2015年などは日本人トップの渡邉彩香選手は全体の6位だった。2017年、日本人選手の奮起を期待したい。

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