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ゴルフルールブックに沿って解説するゴルフのルールと処理の方法その3

2017 6/28 09:44hiiragi
ゴルフ ルール
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踏まない またがないが基本、同伴競技者のパットの線

規則16はパッティンググリーンについてだ。定義では、プレー中のホールのパッティング用に特別に作られた場所となっている。従ってルール上、となりのホールグリーンは、パッティンググリーンではなく、規則は適用されない。また、夏用、冬用の2グリーン構成になっているホールの場合、プレー中のホールであっても、休ませている方のグリーンは、パッティンググリーンではなくなる。となりのホールグリーンや、休ませているグリーンは、目的外のパッティンググリーンと呼ばれ、ボールが乗った時に限り、救済が受けられる。

正規のパッティンググリーンでは、ボールが触れていればグリーン上のボールとみなされ、ボールを拾い上げて拭くことができる。拾い上げる前にはボールの位置をマークして、パットの順番が来れば元の位置にリプレースしてボールを打つ。
グリーン上は、ボールを転がす、グリーン面をこするなどの行為でテストをしてはいけない。 パットは、カップに遠い選手から順に、前の選手が打ったボールが止まってから打つようにするが、パット線をまたいだまま打つのは禁止されている。また、他の選手のパット線を踏むのも違反になり、またぐのもエチケット違反になるため注意が必要だ。

抜いた旗竿の置き場所に注意

規則17は旗竿についてだ。旗竿はピン(英語ではFlagstick)とも呼ばれ、パッティンググリーン上にあってホールの場所を示すものだ。
旗竿はどこからストロークしようと、取り除かせることができる。プロゴルフトーナメントで、チップインを狙う選手が、旗竿を抜かせている場面はよく見かける。ところが、抜いた旗竿にボールが当たれば2打罰となる。この違反は、グリーン上でも外でも、どこからストロークしようが関係ない。

さらに、グリーン上からのパットに対しては、ホールに立てたままの旗竿に当たっても2打罰だ。通常、パットの時は旗竿は抜いておくのだが、全員のパットの方向などを確認して、ミスパットでも当たらないよう、置き場所に注意が必要だ。ただ、抜いた旗竿にボールが当たりそうになったときは、動かしてあげることができる。
旗竿を立てたままでチップインした時は、少し注意が必要だ。ボールがホールの底まで落ちていれば、その時点でホールアウトになるが、旗竿に邪魔されて止まっている場合は、旗竿を揺らしてボールをホールの底まで落とす必要がある。無造作に旗竿を抜いてボールが外に出れば、ホールに入ったとは認められない。

風で動いたボールは、無罰で止まった場所からストローク

規則18は止まっている球が動かされた場合についてだ。通常、止まっているボールが動いても罰は付かない。罰が付くのは、プレーヤー本人やそのキャディさんが故意にボールを動かした場合やボールが動く原因になった場合だ。
グリーン上で、うっかりマークをし忘れボールを拾い上げた時や、ボール周辺の落ち葉を退かしていてボールが動いた場合なども当てはまる。 原因になったかどうかは、その時の状況を考慮して判断する。

風の弱い日に平らな場所にあったボールが、アドレスをした途端動いた場合や、ラフの草の上に乗っていたボールが、クラブをソールした時に下に落ちた場合などは、状況から見て動かす原因になったと判断するべきだろう。 一方、風の強い日にパットをしようとスタンスを取った時や、傾斜のあるフェアウェイで打とうとスタンスを取った時などにボールが動いた場合は、風や傾斜が原因だと判断するべきだ。
ボールを動かす原因が、プレーヤー本人やそのキャディさんの場合は、1打罰でボールを元の位置にリプレース。風や傾斜が原因の場合は、ボールが止まった位置からプレー再開で無罰となる。

共用カートには注意が必要

規則19は動いている球が方向を変えられたり止められた場合についてだ。動いているボールはいつかは止まるもので、通常はボールが止まった位置から次のプレーを行う。
ただし、プレーヤー本人やそのキャディさん、もしくはその携帯品がボールを止めたり方向を変えるなどの行為を行った場合は、1打罰が与えられ、止まった位置からプレー再開だ。例えば、林で打ったボールが木に当たって跳ね返り、プレーヤーに当たった場合や、深いバンカーであごに当たったボールが転がってプレーヤーに当たった場合などだ。

特に普段気を付けたいのは、カートだ。最近では、ほとんどのゴルフ場で使用されている4~5人乗りの共用カートだ。カートは携帯品として扱われ、ボールを当てると1打罰となり、止まった位置からプレー再開となる。しかし、同伴競技者が動かしているカートに当たった場合は、誰も罰は受けずに止まった位置からプレーするか、無罰で打ち直しができる。グリーン上のボールに、同じくグリーン上からパットしたボールが当たれば2打罰だ。それ以外は罰はなく、当てたボールは止まった位置から、当てられたボールは、元の位置にリプレースする。

転がりすぎたら再ドロップ

規則20は球の拾い上げ、ドロップとプレース、誤所からのプレーについてだ。
ラウンド中ボールを拾い上げる場面は、少なからず目にする。規則の許容範囲内でリプレースが必要なボールを拾い上げる前には、必ずマークが必要だ。グリーン上の拾い上げがこのケースに該当するが、マークをし忘れると1打罰になる。 拾い上げたボールはマークの位置にリプレースしてプレーする。
マークが不必要な拾い上げは、規則16の目的外のグリーンからの救済などだ。この場合は、救済のニアレストポイントを決めて、ドロップエリアを決めてからボールを拾い上げれば、マークする必要はない。
ドロップはプレーヤー本人が行う。その際ボールは、決められたドロップエリアに直接落ちる必要がある。ドロップしたボールが転がってハザードに入った、ハザードから転がり出た、グリーン上に止まった場合などは再ドロップを行う。 傾斜などで、ボールが2クラブレングス以上転がった場合も再ドロップする。そのボールが同じ現象なら、ボールの落ちた場所にできるだけ近い位置にプレースする。これらの処置を行わないでプレーした場合、誤所からのプレーとなり2打罰が課せられる。