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イ・ボミ選手の日本での戦いと2年連続賞金女王

2017 5/17 09:55hiiragi
 Lee Bo-mee
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QT10位で日本参戦2年で賞金ランキング2位まで浮上

イ・ボミ選手は大韓民国の女子プロゴルファーです。2007年プロになり、2010年韓国LPGAで賞金女王獲得の後、2011年から日本LPGAに本格参戦しました。そして2015年、2016年と連続賞金女王の座を獲得します。イ・ボミ選手の日本での戦いを振り返ります。
2011年の本格参戦の前に、出場資格獲得のため、2010年のクォリファイングトーナメント(QT)を受験しています。この年のQTにはシード権を落とした大山志保選手や、原江里菜選手なども出場して、多彩な顔ぶれでした。イ・ボミ選手は10位でQTを終え、ほぼ全試合の出場権を手に入れると、TPD単年登録者として2011年を戦いました。
開幕戦では、3位タイに入り、520万円を獲得しました。これで、自信をつけたのかもしれません。2011年は14試合に出場して賞金総額1915万円強でランキング40位につけ来季シード権を獲得します。
2012年には26試合に出場、2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップで日本初優勝を飾ると、終盤の伊藤園レディスゴルフトーナメント、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップとメジャー1勝を含む年間3勝を挙げ、賞金額も約10868万円で、ランクも2位と賞金女王を狙える位置まで躍進しました。

キャディ清水重憲さんとの出会い

2013年は満足のいくシーズンではありませんでした。初戦を予選落ちでスタートすると、予選落ちが3回、優勝2回で賞金獲得額も約8000万円と、ランクも7位まで下がってしまいます。
それでも2013年は大きな出会いがありました。9月に行われた日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯では、キャディを清水重憲さんにお願いして、優勝したのです。清水キャディとは2012年CAT Ladiesで初タッグを組みこの時は2位タイで終わっています。
清水キャディとは2014年に年間契約を結び、2015年、2016年とイ・ボミ選手の躍進を支えてくれました。その、清水キャディとの年間契約1年目の2014年は、5月のほけんの窓口レディースで初勝利を挙げ、8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントでは3勝目を挙げるなど、賞金女王レースの本命かと思われました。
しかし、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ女子プロゴルフ選手権途中、最愛の父親を亡くし途中棄権、以降の試合でも結果を残せないまま、ランキング3位でこの年を終えました。それでも獲得賞金額は約11980万円で来季への望みは持たせました。

待望の賞金女王

2015年は4戦目のアクサレディス in MIYAZAKIでは、笠りつ子選手とのプレーオフに敗れて2位に甘んじると、以降連続4試合2位の記録を作ります。また、今まで続けていたプレーオフ連続勝利記録も途絶えてしまいました。
それでも5月に行われた、ほけんの窓口レディースで今季初優勝を飾ると、6月のアース・モンダミンカップでは2勝目を挙げ、今季獲得賞金1億円の大台に乗せました。8月のニトリレディスでは、初日から首位の完全優勝で3勝目を挙げ、賞金女王レースでも2位に5000万円の差をつけ独走状態に入りました。そして翌週のゴルフ5レディスでも完全優勝で今季4勝目を挙げ賞金女王を引き寄せます。
この試合は成田美寿々選手に最終日追いつかれ、プレーオフになりましたが、自身初めてとなる5ホールを戦い決着をつけました。10月のスタンレーレディスで5勝目を挙げて、賞金額を17954万円まで伸ばし、横峯さくら選手が持っていた年間最高賞金額を超えると、もはや敵なし状態で、2位との差を6500万円に広げました。
結局この後も2勝を挙げ、年間7勝で獲得賞金額は23049万円と男女通じ国内最高額を記録、初の賞金女王に輝きました。

2016年オリンピックへの挑戦

2016年はアメリカLPGAのホンダLPGAタイランドを初戦の舞台に選びました。2016年夏に行われる、オリンピックの出場権を獲得するためです。
2015年末全体15位で韓国勢8位だった世界ランキングを韓国勢4位以内に上げる必要がありました。そのためには、ポイント配分の多い、アメリカLPGAに参戦する方が、効率が良かったからです。とはいえ、上位7選手は全員アメリカLPGAを主戦場としており、ただ出場するだけではなく、上位入賞が求められました。
ホンダLPGAタイランドでは24位に終わり、思うような結果は残せませんでした。3月になると日本LPGAのツアーも始まります。ここからは、日本で試合をこなしながら、出場権のあるアメリカツアーへの参戦でポイントを稼ぐしかありません。次に選んだ試合は、メジャー初戦となるANAインスピレーションでした。 メジャーはポイント配分が高く、ここでいい成績を残せれば、一気に上位に上がれます。結果は10位タイ、韓国勢では3位につけましたが、世界ランキングには変動がありませんでした。
そして最後の試合全米女子オープンが始まりました。直前のランキングは14位、韓国勢では7位の位置です。上位入賞が絶対条件のこの試合は、残念ながら予選落ち、イ・ボミ選手のオリンピック挑戦は、こうして終わりを告げました。

日本のトーナメントに溶け込んで

オリンピック出場は逃がしたものの、日本では連続賞金王に向かって、賞金を積み上げていきます。国内2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップでは3人のプレーオフを制し、今季初優勝を飾ると、6月のニチレイレディスまでの10試合を国内連続トップ5として、アース・モンダミンカップに臨みました。そして連続トップ5を11試合まで伸ばす新記録を優勝で飾ります。
オリンピックを挟んで後半戦が始まると、meijiカップを勝って最速で1億円を突破、CAT Ladiesでも優勝を飾りました。この優勝は、イ・ボミ選手28歳の誕生日だったそうで、誕生日に優勝を飾った選手は8人目だということです。
その後、日本女子オープンでの棄権などで、心配な時期もありました。それでも終盤伊藤園レディスで今季5勝目を飾り、次戦大王製紙エリエールレディスオープンで、2年連続賞金王を決定しました。伊藤園レディースでは日本ツアー20勝目となりました。表彰式では流ちょうな日本語で話すことが多いイ・ボミ選手は、韓国でのインタビューにもついつい日本語が出て、自分でもびっくりするそうです。まだ先の話ですが、引退も日本でできればいいと話すイ・ボミ選手の、賞金女王3連覇に注目です。