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2017年女子プロゴルフ賞金女王の座、笠りつ子の可能性

2017 5/17 09:55hiiragi
ゴルフ トロフィー
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2016年賞金レースは日本人トップ

2016年、日本LPGAの賞金女王は大韓民国出身のイ・ボミ選手でした。これで韓国勢の賞金女王は3年連続となり、2010年になってからの7年間でも、2013年の森田理香子選手以外の6年間は、すべて韓国勢が占めました。
そんな中、ここ3年間の日本勢トップは、2014年が全体5位の成田美寿々選手、2015年が全体6位の渡邉彩香選手、2016年が全体3位の笠りつ子選手でした。それぞれ翌年の賞金女王の座が期待されましたが、成田選手は2015年10位、2016年13位とランキングを落とし、渡邉選手も2016年は12位と浮上できませんでした。
2016年海外上位選手を見ても、ランキング2位に元世界ランキング1位申ジエ(智愛)選手、4位に成長著しいキムハヌル選手、6位に台湾の業師(わざし)テレサ・ルー選手がひしめいています。
2017年も日本人選手にとって、簡単な戦いにはなりそうもありません。それでも、笠選手には日本人トップとしての期待がかかります。笠選手のこれまでのランキングを見れば、2014年18位、2015年12位から2016年は3位へと着実な足取りで成績をアップしています。このまま推移すれば、久しぶりの日本人賞金女王が生まれる可能性は高そうです。

遅咲きで前向き

笠りつ子選手は2006年にプロテストに合格した78期生で、同期生には有村智恵選手や、藤田さいき選手がいます。この同期生トッププロ2人と比べてみても、笠選手は遅咲きのようです。
初シード権は有村選手の2007年、藤田選手の2006年に対して笠選手は2010年。初優勝は有村選手の2008年、藤田選手の2006年に対して笠選手は2011年でした。
初シードとなった2010年は、2009年末に行われたクォリファイングトーナメント39位の資格でトーナメントに出場、32試合に出場して、賞金獲得額2220万円強でランキング37位でした。シード選手として参戦した2011年は、初戦ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントは予選落ちを喫し、東日本大震災後、再開初戦でも予選落ちになり、苦しいスタートでした。
特に2戦目の西陣レディスクラシックは地元熊本県の開催でもあり、東日本大震災への義援金も獲得賞金の3%と決まっていたので、悔しかったのではないでしょうか。
そして8月末に開催されたニトリレディスゴルフトーナメントでは最終日、2打差に19人という大混戦を抜け出して初優勝を飾りました。これからもガンガン勝ちたいと、心強い言葉を残しています。

数字も改善して、賞金ランキング10位に躍進

初優勝を飾った2011年はトップ10にも7回入り、賞金獲得額も約5756万円で10位まで躍進しました。平均ストロークも前年の73台から72台へと1点近くよくなっています。パーオン率は10位でしたが、平均パット数が47位と今一つでした。この数字のアンバランスが、バーディー数225個で23位に甘んじる結果になっているのかもしれません。いずれにしても、2011年は足場を固めた年でした。
2012年は初戦40位の後、2戦目3戦目とベスト10が続き、4戦目となったヤマハレディースオープン葛城で2勝目を飾ります。雨で36ホールに短縮された大会でしたが、最終日4打差を逆転しての優勝でした。2012年は35試合に出場してトップ10には13回入り、賞金ランキングは12位に入りました。平均ストロークも71台に入ります。パーオン率は5位まで順位を上げました。
2013年はトップテンが11回、2位が2回あるものの、優勝はなく、賞金ランキングは14位でした。2014年も、トップ10には13回入るものの優勝はなく、賞金ランキングは18位で終わりました。それでも平均パット数は25位、平均ストロークは13位と少しずつ良くなっています。

プレーオフでイ・ボミ選手に勝って手に入れた3勝目

2015年は、初戦こそ37位タイと出遅れましたが、2戦目3戦目とトップ10に入り、4戦目のアクサレディス in MIYAZAKIでは、3年ぶりで3勝目を手にしました。
この試合は2日目を終わって2打差までに12人がひしめく大混戦となりました。最終日を-4のトップタイでスタートした笠選手は、-7でホールアウト、イ・ボミ選手と並びプレーオフに入ります。イ・ボミ選手はここまで日本国内のプレーオフには4戦して4勝と負けたことがなく、この試合に勝てば5連続プレーオフ勝利の新記録でした。一方の笠選手は初めてのプレーオフで、イ・ボミ選手有利かと思えました。
プレーオフ1ホール目と2ホール目はお互いがバーディチャンスにつけ、どちらも笠選手がバーディを決め、イ・ボミ選手が入れ返しています。3ホール目は、ほぼ同じ距離が残りました。イ・ボミ選手は上りの約3m、笠選手は下りの約3mの距離でした。
ここで、イ・ボミ選手が先に打つことを選びます。これまでの2ホールは、全て笠選手に先にバーディを決められ、これがプレッシャーになっていたようです。先に入れて、プレッシャーをかけたかったからかもしれません。
しかしこのパットは外れます。笠選手は入れれば優勝の下りのパットを冷静に流し込み、3勝目を手にしました。

プレーオフで2連勝、期待できる2017年

2015年は春先に1勝を挙げるものの、トップ10は12試合で、賞金ランキングも12位と大きな変化はありませんでした。平均ストロークは14位と逆に悪くなっています。
しかし笠選手にはしっかりとした目標がありました。それは、年間賞金獲得額1億円です。
2016年はその夢に向かって大きく羽ばたきました。前半戦でトップ10が12試合もある好調さで、8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで優勝を飾りました。そして次戦CAT Ladiesを6位タイで乗り切り、次のニトリレディスでも優勝を飾るのです。
今回の優勝もイ・ボミ選手とのプレーオフになりました。そしてプレーオフ2ホール目でバーディを決め、イ・ボミ選手にプレーオフ2連覇を飾ります。この優勝で賞金額を9000万円台に乗せると、最終的には約13411万円まで伸ばし、目標の一つを達成しました。
2016年大躍進の数字は記録にも表れています。平均ストロークは70台で4位になり、平均パット数でも10位まで上げています。オフのトレーニングで10m飛ぶようになったドライバーショットの成果も無視できません。遅咲きだったからこそ、まだまだ伸びしろがありそうな気がします。 2017年は賞金女王に期待したいところですね。

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