ライの改善もOKティーインググラウンド
規則11はティーインググラウンドについて書かれています。
ティーインググラウンドは各ホールのプレーの起点となるエリアで、2つのティーマーカーと、それぞれのティーマーカー後方2クラブレングスの地点で囲まれる長方形部分をいいます。
通常ティーインググラウンドは各ホールに複数箇所あり、ホールまでの距離により分類されます。呼び方の決まりは特にありませんが、一番長い距離はチャンピオンティーや黒ティーと呼ばれ、上級者が使用します。
以下、レギュラーティー、フロントティー、レディースティーなどと呼ばれ、ティーマーカーの色で区別します。そして順にホールまでの距離が短くなっています。プレーヤーは、ゴルフコースで決められたティーインググラウンドを使用して、18ホールをプレーします。
ストロークプレーでは、ボールはティーインググラウンド内から打たなければいけません。たまに前方向に出すぎてティーアップするプレーヤーを見かけますが、誤所からのプレーになり、2打罰で打ち直しが必要です。
境界線はティーマーカーの外側を結んだ線となり、ボールがエリア内にあれば、スタンスは外にあっても問題ありません。また、ボールの前後の地面をならして打ちやすくするなどの、ライの改善もティーインググラウンドでは可能です。
自分のボールは自分で確認
規則12は球の捜索と確認について書かれています。
プレーヤーは、自分のボールをストロークでつないでホールアウトしなければいけません。そして、自分のボールを打つ責任は、プレーヤー自身にあります。
しかし、ボールの止まった場所によっては、自分のボールかどうか見ただけでは判断できないときもあります。そんな場合には自分のボールかどうかを確認する必要があり、確認のための、必要最小限の行為は許されます。
例えば、ラフに入ったボールを探すときは、草をかき分ける、曲げるなどの最小限はできますが、草を折ったり抜いたりしてボールを打ちやすくすることは許されません。また、砂におおわれて確認できないボールは、砂に触れてもいいし、砂を動かすこともできます。
しかし、ボールが確認できた後は、できるだけ元の状態に戻しておかなくてはいけません。見ただけでは確認できないボールは拾い上げることもできます。ただし、同伴競技者やマーカーに拾い上げる前に伝え、ボールの位置をマークする必要があります。
ボールの確認は、ボールメーカーのロゴや数字で判断するプレーヤーが多いようです。しかし、たまたま同じメーカーの同じ番号のボールが近くにあった場合、どちらが自分のボールか特定できなければ、ロストボール扱いになります。それを避けるためにも、自分専用の印やマークをつけておいた方が安心です。
ボールはあるがままにプレー
規則13は球はあるがままにプレーです。
ボールはティーインググラウンドを除いては、止まった状態のままでプレーしなくてはいけません。ただし、池に入ったボールや、障害物が邪魔でスイングできないボール、地面に食い込んだボールなどは、それぞれの状況に応じて、救済措置が決まっています。ボールを動かすのか、障害物を動かすのか、処理の方法に関して後で説明します。
ティーインググラウンドに関しては、ティーアップをしてもいいし、ボールの後ろを踏んでも問題ありません。1打目をミスショットした後の2打目でも、ティーインググラウンドの地面は改善することができます。
また、規則13ではハザードでの禁止行為にも触れています。ハザードとはバンカーかウォーターハザードのことで、ボールがハザード内にある場合は砂や水の状態をテストしてはいけないとなっています。バンカー内でソールができないのはこのためです。
ただ、転びそうになって、クラブで支えたり、手をつく行為は許されます。ボールを打った後では、いくら触っても違反にはなりませんので、バンカーの砂はきれいにならしておくことができます。
正しいストロークとは
規則14は球の打ち方です。
プレーヤーはボールをクラブのヘッドで正しく打たなければならないとあり、押し出しやかき寄せる行為は禁止しています。茂みの奥に隠れたボールをかき寄せたり、パットのヘッドで押し出す行為は禁止です。
また、2016年よりはクラブのアンカリングが禁止され、長尺パターの使用方法が制限されました。禁止されたのは、クラブそのものやクラブを握っている手を自分の体に接触させるなどで、支点や安定点を作る行為で、長尺パターそのものが禁止されたわけではありません。
援助に関しても触れていて、風や雨などから保護を受けた状態、つまり傘をさしてもらった状態でボールを打ってはいけません。自分で合羽を着たり、つばの広い帽子をかぶるなどで、雨を避けるぶんには問題ありません。
最近GPSナビ機能搭載のゴルフカートの導入が進んでいます。このような距離測定器を許した理由はよくわかりませんが、ローカルルールで認めてもいいとなっていますので、競技会で使っても問題ありません。ただ、カートはフェアウェイに乗り入れできないコースが多いので、コースの距離表示杭と併用した方が無難です。
比較的起こりやすい誤球に用心
規則15は取り替えられた球:誤球について書かれています。
誤球は、比較的起こりやすい間違いです。身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。誤球の一番多い原因は、プレーヤーの思い込みです。自分のボールはこの方向に飛んできたから、この辺に止まっているはずだといった思い込みから、そこにボールがあれば、自分のボールだと思ってしまうのです。
この間違いをなくすには、普段から打つ前には必ず、自分のボールかどうかの確認をすることです。それでも、間違ってほかのボールを打った場合は、自分のボールで打ち直しが必要です。誤球を何回打ったとしても、罰打は2打で、誤球を打った回数はストロークに数えません。
また、2008年までは、ハザード内での誤球のプレーの罰打は免除されましたが、2008年規則改定で、免除の項が削除されました。これはハザード内のボールを確認のために拾い上げることが認められたためで、バンカーの砂に埋もれてたボールは、ストロークの前に拾い上げて、自分のボールかどうか確かめなければいけません。
もし誤球をしたボールが同伴競技者のボールだった場合、誤球をされた方は、その場所にボールをプレースしてストロークを行います。