2016年日本LPGAプロテスト1位合格、永井花奈選手
日本LPGAでは、毎年プロテストを行い、新人への道を開いています。2016年に行われたプロテストでは21人が合格して、第88期生となりました。1次予選、2次予選、最終予選と行われ、最終予選に残った110名中、4日間合計イーブンパーまでの21名が合格、トップ合格は4日間を-9で回った永井花奈(ながいかな)選手でした。
永井選手は小学生のころからジュニアプレーヤーとして活躍、2013年、14年の関東女子ゴルフ選手権の連続優勝など数々の大会でタイトルを獲得、2014年、2015年はナショナルチームの一員として実績も十分です。2016年にはUSLPGA下部ツアーに参戦して、プロトーナメントの経験も積んできました。
プロテストトップに与えられる年間14試合の出場資格ではスタンレーレディスゴルフトーナメントの7位タイが最高成績で、予選落ちが6試合もあり、十分な結果は出せませんでした。
それでも暮れに行われたクォリファイングトーナメントでは14位に入り、2017年のほぼ全試合への出場権を確保しています。得意クラブはドライバー、155cmと小柄な体格ながら、ダイナミックなゴルフが身上の永井花奈選手から目が離せません。
2016年オリンピック出場ならず、飛ばし屋渡邉彩香選手
2016年リオオリンピック出場をかけて臨んだ全米女子オープンでは、最終日の最終18番ホール、バーディを狙った勝負のアプローチショットが池に消えて、僅差でオリンピック出場を逃がしました。
この時のショックが尾を引いたのか、後半戦の戦いには精彩がありませんでした。前半上位にいた賞金レースでも、最終的に12位までランクを下げています。世界ランキングも日本人3番手の45位から、2016年末には71位まで下がりました。
しかし、渡邉選手の潜在能力には素晴らしいものがあります。身長172cmの体格から打ち出されるドライバーショットは、280ヤードとも290ヤードともいわれています。実際ワールドレディスサロンパスカップで計測された記録では、265.8ヤードを飛ばし、日本人トップの飛距離でした。
2015年にはアルバトロスも達成しています。NEC軽井沢72の2日目16番480ヤードパー5で、ドライバーを280ヤード飛ばして、残り200ヤード近い距離を4番アイアンで入れてしまいました。ただ、飛ばし屋に多いイーグル数が2015年の6個から、2016年は1個に減っているのが気になります。
2017年は2016年のいやな思いは忘れて、大きなゴルフに徹底すれば、優勝は勿論、賞金女王も可能性がありそうです。
2016年賞金レース日本人トップ、笠りつ子選手
2016年、笠りつ子選手は日本LPGA賞金レースで3位でした。賞金女王は韓国のイ・ボミ選手が2年連続で獲得、2位はやはり韓国の申ジエ選手でした。日本人選手が賞金女王になったのは、2013年の森田理香子選手が最後です。2017年、日本人として賞金女王に一番近いポジションの、笠選手に期待がかかるのは至極当然のことです。
笠選手は2006年プロテストに合格しますが、最初の数年間は50位までに与えられるシード権が取れませんでした。初シードは2010年で、2200万円強を獲得して37位にランクされます。翌2011年はニトリレディスゴルフトーナメントで初優勝を飾り、賞金ランクも10位まで上がりました。
以降1度も10位台から外れることなく、2015年の57,899,312円12位からから2016年は倍増の134,114,013円を獲得して3位になりました。
特によくなったのが、パーオン率です。2015年68.1411の14位から2016年は73.1568で2位になっています。飛距離は元々飛ぶ方で、特に伸びたわけではなく、アイアンショットの精度が底上げされた結果です。これで10位だった平均パット数をもう少し下げることができれば、賞金女王も夢ではありません。
つかみかけた日本女子オープン、2年連続最終日最終組の柏原明日架選手
2016年日本女子オープンは、当時アマチュアだった畑岡奈紗選手が優勝して話題になりました。そんな中最終日、最終組でスタートするも、77とスコアを落とし15位タイまで順位を下げた選手がいます。2014年プロテストに合格した柏原明日架選手です。
柏原選手は、前年2015年大会でも最終日、最終組で回り、4位タイで終わっています。2017年は、過去2回の雪辱を果たせるのか、注目したい選手です。
柏原選手は1996年生まれで宮崎県出身、ジュニア時代から全国規模の大会に出場して活躍します。日本女子オープンへの初出場は2010年でした。この大会は大会史上最年少で予選突破、最終的には40位タイと結果を残しました。以降2013年まではアマチュアとして4年連続で出場しています。
シード権はプロ2年目の2015年に獲得しました。2014年のQTは58位とフル出場権は得られませんでしたが、そんな中、シード権の行方は最終戦まで持ち越され、ぎりぎりの50位で滑り込みます。51位の福田裕子選手とは23,167円の僅差でした。何かを持っているのかもしれません。2017年はまず1勝を挙げて、日本女子オープンに挑戦したいところです。
史上初、アマチュアで日本女子オープンに優勝、畑岡奈紗選手
2016年日本女子オープン最終日18番ホール、下り約3mの難しいバーディパットを決めたシーンは鮮烈でした。このバーディで史上初のアマチュアでのメジャー制覇と、メジャー最年少優勝を決定づけました。今後の戦いに注目したい選手です。
この優勝で、1年間の出場権は手に入れるとともに、プロ宣言とTPD単年登録をして、今後はプロとして日本LPGAツアーに参戦する道を選びました。年末には以前から挑戦中のUSLPGAのQTにも合格して、2017年に限っては、日米両ツアーの出場権を獲得、プロとしてのスタートを切ります。
畑岡奈紗選手は1999年生まれで茨城県の出身です。ゴルフを始めたのは11歳の頃ですから、それほど早くはありません。それでも2012年には茨城県ジュニアオープンゴルフ選手権で優勝するなど頭角を現し、2013年には関東女子ゴルフ選手権で10位タイと大人の大会でも結果を残します。
国際大会の経験も豊富で、IMGA世界ジュニアゴルフ選手権は2015年、16年と連覇を飾り、2016年にはアジア太平洋選抜vsヨーロッパ選抜マッチ選手権にも優勝しています。
2017年は開幕の早いUSLPGAツアーに参戦中です。いい報告が聞けるといいですね。