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ジェイソン・デイ選手は2017年メジャーに勝てるのか

2017 4/12 11:20hiiragi
Jason Day
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2015年初めての世界ランキング1位獲得

2016年末時点での男子ゴルフ世界ランキング1位は、オーストラリア出身のジェイソン・デイ選手でした。混戦を抜け出し、ランキング1位の座に定着したのは2016年3月末、マスターズの直前でした。誰もがマスターズの勝利を期待しましたが、マスターズはおろか、2016年のメジャー制覇ありませんでした。ジェイソン・デイ選手は、2017年のメジャーを勝てるのでしょうか。
ジェイソン・デイ選手が世界ランキングで初めて1位の座をつかんだのは、2015年9月に行われたプレーオフ3戦目、BMW選手権での優勝です。この年は世界ランキング8位でスタートすると、早々にファーマーズインシュランスオープンで1勝を挙げ、順調なスタートを切ります。中盤は満足な成績は残せませんでした。それでも、7月の全英オープンでは1打差の4位と調子を上げ、翌週のRBCカナディアンオープンで2勝目、8月の全米プロゴルフ選手権ではメジャー初制覇で3勝目を飾りました。
この優勝で世界ランキングも3位まで浮上、好調を維持したままプレーオフシリーズに突入します。プレーオフ1戦目のザ・バークレイズで4勝目を挙げ、世界ランキング3位のまま迎えたBMW選手権では、初日から首位を守り2位に6打差をつけての完全優勝で、初の世界ランク1位の座を手にしました。

ビッグ3から2016年世界ランキング1位に定着

しかし、1位の座は長くは続きませんでした。プレーオフ最終戦、ツアー選手権byコカ・コーラでは10位となり、優勝したジョーダン・スピース選手に1位の座を譲り渡してしまいます。結局2015年末の世界ランキングは、1位ジョーダン・スピース選手、2位ジェイソン・デイ選手、3位ロリー・マキロイ選手の順でした。
そして2016年初戦、前年の優勝者のみが参加できる、ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズは10位タイ、ファーマーズインシュランスオープンは、まさかの予選落ちといいところがなく、ジョーダン・スピース選手の独走を許す結果になります。それでもチャンスは訪れます。2位と3位を繰り返しながら迎えた3月のアーノルド・パーマー招待では、初日-6の66で飛びだすと、2日目、3日目も順調にスコアを伸ばし、2016年の初優勝を飾りました。
そして好調のまま迎えた翌週の世界ゴルフ選手権、WGCデルマッチプレーに出場すると、決勝でルイ・ウーストハイゼン選手に5&4で圧勝、2週連続優勝を飾り、世界ランキング1位に返り咲いたのです。以降2016年は1度も1位の座を譲っていません。

ゴルフ人生を支えてくれた母親と恩師

ジェイソン・デイ選手のゴルフ人生を語るとき、母親と、コリン・スワットンさんの存在は避けて通れません。デイ少年が6歳のころ、ゴルフを勧めてくれたのは父親でした。デイ少年はゴルフに打ち込み、才能は開花します。しかし、11歳の時父親は亡くなります。よりどころを失ったデイ少年は、ゴルフを続ける気力もなく、すさんだ日々を過ごしました。
見かねた母親は、ゴルフで再起を図ろうと、ゴルフコース付きの学校に入学させます。ただでさえ苦しい生活の中から選んだ究極の選択でした。しかしデイ少年には葛藤がありました。自分だけが、のうのうと贅沢にゴルフをしていてもいいかという思いです。
そんな時出会ったのが、その学校でコーチをしていたコリン・スワットンさんです。デイ少年の素質を見抜き、父親のように寄り添ってゴルフの道へと導きました。
ジェイソン・デイ選手は2006年からプロゴルファーに転向します。プロとなってもいつも傍らにはコーチ兼キャディとしてコリン・スワットンさんが付き添ってくれています。2015年全米プロゴルフ選手権最終日、人生の師ともいえるスワットンさんと、優勝したグリーン上で、抱き合って流した涙は印象的でした。

全米プロゴルフ選手権でメジャー初優勝

メジャー初挑戦は2010年の全英オープンです。毎年いいところまでは行くものの、優勝にはなかなか届きませんでした。2013年になるとマスターズ3位、全米オープン2位とあと一歩まで迫ります。2014年には、2月に行われた世界ゴルフ選手権、WGCアクセンチュアマッチプレー選手権でツアー2勝目となる優勝を飾ります。メジャー制覇も期待されましたが、2014年のメジャー初優勝はありませんでした。
2015年になるとマスターズこそ28位タイと上位にはいけませんでしたが、全米オープン9位タイ、全英オープン4位タイと成績を残し、全米プロゴルフ選手権に臨みました。初日は2打差の3位タイの好位置でスタートを切ると、2日目2位タイと順位を上げ、3日目単独トップに躍り出てそのまま逃げ切り、メジャー初優勝を成し遂げます。
2016年は全てのメジャーに世界ランキング1位の肩書で出場しました。しかし、マスターズでは10位タイ、全米オープン8位タイ、全英オープン22位タイと優勝争いに絡むこともできませんでした。連覇が掛った全米プロゴルフ選手権では最終日の最終ホールでイーグルを決めて後続を待つものの、1打及ばず2位で終わり、2016年はメジャー無冠で終わりました。

不本意な終わり方をした2016年から復活なるか2017年

2016年は、世界ランキング1位に返り咲いた3月の13週から最終52週まで、連続44週世界1位の座を守ってきました。しかし、決して順調な1年ではありませんでした。メジャーでは、ディフェンディング・チャンピオンとして迎えた7月末の全米プロゴルフ選手権で、後半追い上げ優勝争いを演じた他は、あまり見せ場も作れないまま、無冠に終わってしまいました。
そして迎えたシーズンプレーオフでは、初戦のザ・バークレイズで4位タイ、2戦目ドイツバンク選手権では15位タイとまずまずの成績を残しました。しかし、3戦目BMW選手権では、最終ラウンド途中で腰痛のため、棄権をしてしまいます。そして最終戦ツアー選手権byコカ・コーラでは、初日首位と1打差の4位タイでスタートしながらも、2日目途中腰痛で棄権と無念のリタイアとなりました。結局この試合が2016年最後の試合となってしまいます。
そして回復具合が気になる2017年は、初戦となったSBSトーナメントofチャンピオンズでは12位タイとまずまずでしたが、ファーマーズインシュランスオープンではいいところなく予選カットになっています。AT&Tペブルビーチプロアマでは、5位タイに入るものの、3日目まさかの75を叩き優勝争いから脱落して、不安を残しました。
メジャー優勝に向けて早めの立て直しが急務です。