負傷にも苦しみ、トップ10入りは一度
不本意だったシーズンを象徴するような最終ラウンドだった。米女子ゴルフツアーで25歳の渋野日向子は11月12日、アニカ・ゲインブリッジ・ペリカンでイーブンパーの61位と伸び悩み、米ツアー本格参戦2年目を終えた。大会前に81位だった年間ポイントランキングは83位に後退し、来季のシード権が与えられる80位にもあと一歩届かなかった。
スイング改造に着手して挑んだ今季は3月のドライブ・オン選手権で7位に入ったが、春先から左手親指付近の痛みにも苦しみ、結局トップ10入りしたのは一度だけ。
昨季はロッテ選手権の2位やメジャー最終戦、AIG全英女子オープンで3位に入るなどトップ10が5度あっただけに、自身のインスタで「今シーズン一足先に終了しました。1年間ずっと不甲斐ない結果が続き本当に悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と無念の思いをつづった。
データで爆発力示すもパーオン率92位と苦戦
今季の戦いをLPGAデータで振り返ると、ティーショットの平均飛距離は248.30ヤードで132位、フェアウエーキープ率は77.11%で37位。一方でパーオン率は67.15%で92位とグリーンを狙うショットに安定感を欠き、スコアメークに苦しんだことが読み取れる。
バーディー数は273で37位、イーグル数は7で20位と持ち前の爆発力は示しているものの、グリーンサイドのバンカーからのサンドセーブ率は44.04%で81位とグリーン周りでも苦しんだ。
パーオンした時の平均パット数は1.79で48位、1ラウンドの平均パット数は29.38で23位。獲得賞金は26万3069ドル(約3900万円)だった。
来季は日本勢と切磋琢磨、5年間のメジャー出場資格
日本勢の今季ランキングトップは10位の古江彩佳。さらに16位の笹生優花、19位の畑岡奈紗が入り、今季ルーキーとして戦った西村優菜が49位、勝みなみは74位でシード権に滑り込んだ。
渋野は来季のシード権こそ逃したが、条件付きで一定の試合は出場できる見込みで、引き続き米ツアーを主戦場にしていく。2019年AIG全英女子オープン勝者として5年間得たメジャー大会の出場資格も持っている。
日本勢のライバルも増え、切磋琢磨しながら限られた大会でチャンスを生かして再びはい上がるしかない。渋野はSNSで「そのような状況でも一緒に戦ってくださったスポンサーの皆様、テレビや現地で応援してくださっている皆様、キャディーのJB、マネジャーのみみさん、沢山の力をお借りして1年間戦い切ることができました。本当に本当にありがとうございました」と感謝の言葉を寄せ「来シーズンをいい状態で迎えられるよう、オフシーズンも頑張ります」とゼロからの巻き返しを誓った。
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