5グリッド降格をものともせずフェルスタッペンが5連勝
F1第16戦イタリアGPが11日、フェラーリ信者であるティフォシが集まる情念の森、モンツァサーキットで行われ、7番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝。これでフランスGPから続く連勝を5に伸ばし、通算31勝目を飾った。2位にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が入っている。
今年で100周年を迎えるオールドコースであるモンツァサーキットは、2019年以来のフェラーリ優勝を心待ちにするティフォシで溢れかえっていた。土曜日に行われた予選ではルクレールが見事ポールポジションを獲得したため、優勝に向けてのボルテージが高まっていたのだ。
さらに予選で2位だったフェルスタッペンはICE(内燃機関)の交換により5グリッド降格のペナルティが課されることが決まっていたことも相まって、モンツァで3年ぶりのフェラーリ優勝が現実味を帯びていた。
しかし、このフェラーリの聖地モンツァでも王者マックス・フェルスタッペンの強さが際立つレースとなった。
決勝はポールポジションからスタートしたルクレールがトップでレースを引っ張っていくが、7番手スタートのフェルスタッペンが怒涛の追い上げによりわずか2周で3位まで順位をあげ、4周目のターン1で2位のラッセルをパスし2位に浮上する。勢いに乗るフェルスタッペンは、ファステストラップを叩き出しながらトップのルクレールに迫っていく。
11周目、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がトラブルによりセカンドレズモを立ち上がったところでマシンを止めた。これによりVSC(バーチャルセーフティカー)が導入されることになった。このタイミングでトップのルクレールがピットインし、ソフトからミディアムに履き替え3位でコースに復帰する。すぐにVSCが解除されレースはリスタート。
VSC中にピットインしたルクレールに対し、フェルスタッペンは25周目にピットインを敢行。こちらもルクレール同様ソフトからミディアムに履き替え2位でコースに復帰する。
早めにピットインを行ったルクレールは当然フェルスタッペンよりタイヤの性能が早く落ちてくるため、なるべくギャップを拡げておきたかったが、フェルスタッペンのペースが安定した上にルクレールよりも速く両者のタイム差がみるみる縮まっていく。
このままでは抜かれてしまうルクレールは33周目に2回目のピットインを敢行。トップをフェルスタッペンに明け渡してしまうが、ソフトに履き替え追い上げを図る作戦にでた。しかしフェルスタッペンのペースが高次元で安定しており、ルクレールは毎ラップコンマ2秒ほどしか詰めることができない。
ところが、レース終盤の46周目にダニエル・リカルド(マクラーレン)がトラブルによりレズモでマシンを止めてしまう。車両排除に時間を要するためSC(セーフティカー)が導入された。
このタイミングで各車最後の超スプリントレースに備えピットストップしタイヤを交換。フェルスタッペンとルクレールもピットインし、イコールコンディションでタイム差がなくなるという手に汗握る展開となった。
再スタート後の激しいバトルが期待されたが、結局SC先導のままチェッカーフラッグが振られ、フェルスタッペンの優勝が決まった。以外にもモンツァでは表彰台すら獲得できていなかったフェルスタッペン。念願のキャリア初のイタリアGP制覇となった。