徹底したアウトボクシングで約6年ぶり判定勝利
プロボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32=大橋)が14日、愛知県名古屋市のIGアリーナでWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)に12回判定勝ちした。
序盤は静かな立ち上がりだったが、徐々にペースをつかんだ井上は4回に右カウンターをクリーンヒット。6回には左ボディブローを脇腹にめり込ませ、アフマダリエフを後退させた。
その後もペースを握りながら最後まで深追いはせず、徹底したアウトボクシング。2019年11月7日のノニト・ドネア(フィリピン)との第1戦以来、キャリア4度目の判定勝ちとなった。
WBCとWBOは6度目、WBAとIBFは5度目の防衛に成功。戦績を31戦全勝(27KO)に伸ばした。
ジョー・ルイスとメイウェザーに並ぶ世界戦26連勝
これで井上は2014年4月にプロ6戦目でWBCライトフライ級王座を奪ってから世界戦26連勝。25度防衛の歴代最多記録を持つ元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(アメリカ)と50戦無敗で引退したフロイド・メイウェザー(アメリカ)に並び、世界タイ記録となった。

世界戦23KO勝利はすでに世界最多記録を更新。連勝以外も含む世界戦勝利数でも26勝目で歴代3位タイとなった。
歴代最多の31勝を挙げたフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)、井上がKO勝ちしたオマール・ナルバエス(アルゼンチン)の28勝も見えてきた。
次戦は12月27日にサウジアラビア・リヤドでWBC1位アラン・ピカソ(25=メキシコ)との対戦が報じられている。それをクリアすれば、来年にはバンタム級まで3階級制覇した中谷潤人(27=M.T)との夢の対決が待っている。
日本が誇るモンスターは一体どこまで飛躍していくのだろうか。誰も見たことのない景色を、井上は自らの拳で切り開いていく。
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