3-0判定で無敗キープも…
プロボクシングのWBAフェザー級王者ニック・ボール(28=イギリス)が16日(日本時間17日)、サウジアラビア・リヤドで同級5位サム・グッドマン(26=オーストラリア)に判定勝ちし、3度目の防衛を果たした。
ボールは当初、年内にも1階級下のスーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32=大橋)の挑戦を受ける方向だったが、井上が来年5月にスーパーバンタム級で中谷潤人(27=M.T)と戦う予定のためフェザー級転向を先送り。ボールへの挑戦もいったん白紙となったが、中谷戦後に井上がフェザー級に上げれば再び対戦相手候補の一人に挙がることは間違いない。
一方のグッドマンはスーパーバンタム級のトップコンテンダーとして井上挑戦が決まっていたが、スパーリング中のケガのためキャンセル。このたび、1階級上げて世界初挑戦のチャンスが巡ってきた。いわば、井上と対戦はないものの関わりの深いボクサー同士の対戦で、日本のファンも注目する試合だった。
しかし、結果的にはダウンシーンのないまま終了のゴングを聞き、118-110、117-111、115-113の3-0でボールの判定勝ち。157センチの小柄ながら旺盛なスタミナとラッシングパワーが売りの王者だが、この日はボディブローを受けて一瞬動きが止まったり、相手の攻勢で下がったりするシーンもあり、消化不良の内容だった。
勝ったボールはこれで23勝(13KO)1分けと無敗をキープ。初黒星のグッドマンは20勝(8KO)1敗となった。
曲者多いフェザー級王者たち
ボールは3月のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)戦でもドヘニーのお尻に膝蹴りしたり、クリンチに来たドヘニーを投げ飛ばしたり、ダーティーファイトで評価を落としていた。そして今回の内容を見ると、やはり井上の敵ではないだろう。
前に出た時のパンチの回転力や一発強打は怖いものの、下がる展開になると良さが出ない。身長165センチの井上が身体的なアドバンテージを活かし、ラッキーパンチに気を付けながらスピード満点のジャブから攻め込めば勝算は十二分にある。
井上陣営はフェザー級に上げてから中谷戦のために再度スーパーバンタム級に下げることが負担になるとして慎重を期しているが、この日のボールの出来ならすぐにやっても勝てるだろう。逆に与しやすいボールが、井上vs中谷戦以後もベルトを保持している保証はない。
現在、WBAフェザー級には16戦全勝(13KO)のミルコ・クエジョ(アルゼンチン)という暫定王者がおり、井上がフェザー級に上げる頃には正規王座に就いている可能性もある。
WBCは井上の宿敵スティーブン・フルトン(アメリカ)がベルトを持っており、IBFは亀田和毅(TMK)を下したアンジェロ・レオ(アメリカ)、WBOは身長185センチのラファエル・エスピノサ(メキシコ)とフェザー級王者は曲者揃いだ。
井上は9月14日に名古屋でWBAスーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と防衛戦を控えている。無事にクリアすれば、12月27日にサウジアラビアでWBC同級1位アラン・ピカソ(メキシコ)と対戦することが既定路線とされているが、ファンをワクワクさせるような相手ではない。早くフェザー級で戦う井上を見てみたい。
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