「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

井上尚弥、身長差20センチのフェザー級王者ラファエル・エスピノサともし戦わば…

2025 5/7 06:30SPAIA編集部
バスケスを攻め込むエスピノサ・,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

7回TKOでV3!27戦全勝23KOの長身王者

プロボクシングのWBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(31=メキシコ)が4日(日本時間5日)、アメリカ・ラスベガスのTモバイル・アリーナで同級10位エドワード・バスケス(アメリカ)に7回1分47秒TKO勝ちした。

1階級下の井上尚弥(大橋)vsラモン・カルデナス(アメリカ)のセミファイナルで行われた一戦。早ければ年内にもフェザー級に上げて5階級制覇を目指す井上が、もしエスピノサと戦えばどんな展開になるか。リングを見つめる多くの関係者やファンの視点は、その一点に絞られていただろう。

エスピノサは身長185センチ、リーチ188センチとフェザー級では飛び抜けて大きい。170センチのバスケスと対峙すると大人と子供くらいの差がある。

立ち上がりから長いリーチを活かして左ジャブや右ストレートを打ち下ろす。バスケスは経験したことのない角度からのパンチだろう。ウィービングしながらのステップインで潜り込もうとするが、いかんせん距離が遠い。

さらにエスピノサはロングレンジでアッパーをヒット。挑戦者にしてみれば、上から下からパンチが飛んでくるためディフェンスに神経を使う。時折、接近戦に持ち込んで反撃する場面もあったが、じわじわと体力を奪われていった。

迎えた7回、王者がコーナーに追い込んでラッシュするとレフェリーストップ。3度目の防衛に成功し、戦績を27戦全勝(23KO)に伸ばした。

井上尚弥vsエスピノサ実現は早くても来夏以降?

その後、メインでリングに上がった井上尚弥はダウンを喫しながらも8回45秒TKO勝ち。今後は9月にWBAスーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦い、年内にもフェザー級に上げてWBA王者ニック・ボール(イギリス)に挑戦する方向だ。

ボールも突進力のあるファイターで井上とやれば見応えのある試合が予想されるが、身長は157センチで、165センチの井上より低い。やりにくさという点では20センチ背の高いエスピノサの方が上だろう。

井上はボールに勝ってフェザー級王座を獲得しても、スーパーバンタム級のベルトは返上せず、来年に東京ドームでWBCバンタム級王者・中谷潤人(M.T)の挑戦を受けると報じられている。

その後は流動的ではあるものの、再びフェザー級に上げてエスピノサと戦うことがあるとすれば、早くても来夏以降ということになる。

それまでエスピノサがベルトを保持している保証はないものの、フェザー級の王座統一や井上との対戦にも意欲を示していることから、当面はフェザー級で戦い続けるつもりだろう。いずれは井上にとっても、避けては通れない相手となりそうだ。

モンスターのカウンターパンチで“巨木”が倒れるか

では、実際に戦えばどんな展開になるか。身長差20センチはいくらモンスターでも大きなビハインドになることは間違いない。

真上から落ちてくるような左ジャブや右ストレート、遠くから突き上げてくるアッパーは、ある程度の被弾を覚悟する必要がある。

ただ、スピードでは井上が上回るため、速いステップインで接近戦に持ち込めば、エスピノサの長いリーチを封じ込めることができる。カルデナスを倒した後、リング上で「好き」と公言した“殴り合い”なら井上も負けていない。

しかも、エスピノサは好戦的なため自ら前に出る。屈みながら右ストレートをボディに伸ばすことも多く、井上にとってはカウンターを合わせやすいだろう。

185センチの長身王者が、巨木が倒れるようにダウンするシーンが目に浮かぶ。その時がいつ訪れるか分からないが、両者とも勝ち続け、いつか対戦が実現することを期待したい。

【関連記事】
ボクシング世界戦KO勝利数&勝利数&連勝ランキング 井上尚弥が次に狙う記録は?
井上尚弥の標的ニック・ボールが弱点露呈? TJドヘニーにTKO勝利でフェザー級王座防衛
アフマダリエフが獲得した暫定王座に価値はあるのか?井上尚弥との対戦求めて順番待ち