「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

井上尚弥の将来の標的?WBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサがV2で26連勝

2024 12/10 06:00SPAIA編集部
井上尚弥,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

ロベイシ・ラミレスを6回TKOで返り討ち

プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)は24日に東京・有明アリーナでサム・グッドマン(オーストラリア)を迎えて防衛戦を行う。順当にクリアすれば、来年はアメリカ・ラスベガスやサウジアラビアなど海外のリングでビッグファイトに臨むチャンスも巡ってきそうだ。

来年いっぱいはスーパーバンタム級で戦うと見られるが、もはや同階級では敵なし。WBCバンタム級王者の中谷潤人(M.T)が1階級上げて挑戦してくれば日本人同士の大一番になるとはいえ、いずれにしても再来年にはフェザー級に上げることになるだろう。

その際の標的となるかもしれないWBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ(30=メキシコ)が防衛を果たした。12月7日、アメリカ・アリゾナ州フェニックスで臨んだ2度目の防衛戦でロベイシ・ラミレス(キューバ)を6回TKOで返り討ちにしたのだ。

ロベイシ・ラミレスは2012年ロンドン五輪フライ級、2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級で2大会連続金メダルを獲得し、プロ転向後は2023年4月にWBOフェザー級王座を奪取。同年7月の初防衛戦で井上尚弥の同僚・清水聡(大橋)に5回TKO勝ちしたため日本でもお馴染みだ。

その実力派王者からベルトを奪ったのがエスピノサ。同年12月に挑戦して判定勝ちで王座に就くと、2024年6月に初防衛、そして今回の2度目の防衛戦でラミレスを棄権によるレフェリーストップに追い込んだ。

試合前に「井上の歴史を終わらせることができる」などと井上尚弥との対戦を睨んで豪語していたラミレスを返り討ちにしたことで、改めてエスピノサの強さがクローズアップされている。

井上尚弥より20センチも身長が高いエスピノサ

エスピノサは身長185センチ、リーチ188センチとフェザー級では飛び抜けて背が高い。ラミレスも168センチと井上尚弥より3センチ高いが、エスピノサと対峙すると相当な身長差がある。

試合はダウンシーンこそなかったものの、体格で勝るエスピノサが優位に進めていた。ガードが甘いためラミレスのパンチをもらうシーンもあったが、遠い距離でストレートを打ち下ろされると相手はカウンターを合わせることも難しい。

エスピノサはこれで26戦全勝(22KO)。今後も防衛を続け、もし約20センチ身長の低い井上尚弥が対戦するとなれば、相当やりにくいことは間違いない。

フェザー級はWBAがニック・ボール(イギリス)、WBCがブランドン・フィゲロア(アメリカ)、IBFがアンジェロ・レオ(アメリカ)と強い王者が揃うが、その中でもやりにくさという点ではエスピノサが一番かもしれない。

逆に言うと、我らがモンスターが強敵をどんな風に料理するのか見てみたい。すぐに階級を上げないのは、スーパーバンタム級で防衛戦をこなしながらフェザー級で戦える体作りやパワーアップの準備期間に充てている面もあるだろう。来年も、さらに再来年も、井上尚弥はきっと新しい景色を見せてくれるはずだ。

 

【関連記事】
井上尚弥の3日前にウシクとフューリーがサウジアラビアで100億円メガファイト、PFP争いどうなる?
井上尚弥戦を熱望するアフマダリエフがWBA暫定王座決定戦、両者とも次戦クリアすれば来春ラスベガスで激突?
武居由樹V2戦はロベイシ・ラミレスに勝ったタイの刺客、那須川天心戦実現へKO勝利に期待