政府直轄「リヤド・シーズン」とスポンサー契約
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)がサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」とスポンサー契約を結んだことを自身のSNSで報告した。
12月24日にIBF・WBO1位サム・グッドマン(アイルランド)を迎える防衛戦は東京・有明アリーナで行うが、来年はアメリカ・ラスベガスに加え、サウジアラビアでビッグマッチが実現する可能性もありそうだ。
サウジアラビアは近年、潤沢なオイルマネーを背景にビッグファイトをたびたび誘致している。2022年にオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)とアンソニー・ジョシュア(イギリス)が戦った世界ヘビー級タイトルマッチは3万5000人収容のジェッダ・スーパードームで行われ、世界中の話題を集めた。
2023年12月にはジョシュアやデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)、ダニエル・デュボア(イギリス)らヘビー級の強豪が一堂に会した超ビッグイベントも開催。他にも2021年からF1グランプリを誘致し、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドは同国プロリーグのアル・ナスル、ネイマールはアル・ヒラルに移籍するなど大物選手が次々にサウジでプレーしている。
サウジアラビアの政府系ファンドが支援するLIVゴルフも超高額賞金でフィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンらをアメリカPGAツアーから引き抜き、一時は世界のゴルフ界を二分する騒動となった。
さらに2029年には中東で初めての冬季アジア大会開催が決定。2034年の夏季アジア大会とサッカーワールドカップの開催も予定されている。
サウジアラビアは国家戦略としてスポーツ立国を目指しており、賛否両論はあるにせよ、スポーツ界の金と人が続々と集まっている。ヘビー級ではなく、軽量級の井上が契約したことは、それだけ海外からも高く評価されている何よりの証明なのだ。